部下の立場で上司に意見や指摘をするのは、非常に勇気がいることですよね。もしも言った言葉が上司の逆鱗に触れでもしたら、関係を悪くしてしまいかねません。
ですが上司も人間ですので、間違いやミスをまったくしないわけではありません。完全無欠のパーフェクト人間ではないので、間違いやミスをします。
そんな時上司にどう言えば間違いやミスに気付いてくれるのか、部下の立場から上司を傷つけることなく穏便に教えることが時には必要です。
ただ、意見や指摘をストレートにしたら上司に恥をかかせてしまいますので、言い回しにちょっとした工夫をするようにしましょう。上司に意見や指摘をストレートにできない場合の言い回しスキルを、3パターンに分けて説明していきます。
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上司が仕事を忘れていそうな時は、会話の中の何気ない言い回しで気付いてもらう
あちこち引っ張りだこで忙しい上司にありがちなのが、仕事を1つ2つ失念しているケースです。
仕事をいくつも抱えている上司はスケジュール管理やタスク管理をしっかり行っているものですが、それでも完璧ではありません。仕事をうっかり忘れていることも残念ながらあります。
ただそのことに部下が気付いても、上司に向かって「この仕事やってくれてますか」と、偉そうな口を利くわけにはいきません。仕事の進捗状況をただ確認したいだけですが、言い回しを間違えると上司を不機嫌にさせてしまいます。
そこで使いたい言い回しスキルが、何気ない会話にその仕事のことを盛り込む言い回しです。しかも上司に問いかけるのではなく、自分がやらなければいけないことを独り言のようにつぶやくのが効果的です。
例えば「そういえば今週中にこの仕事をこなさないといけないんですよね」と言えば、上司にその仕事を催促しているようには聞こえません。仕事への不安を吐露しただけですので、仕事に関係した日常会話の1つに過ぎないです。
ですがこの言葉により上司は「そうか。その仕事を早くこなさないと部下が先に進めないぞ」と思い至り、その仕事に優先的に着手してくれます。この会話がきっかけで、上司に早くやって欲しい仕事をそれとなく伝えられます。
ただ表面上は日常会話をしているだけですので、上司に恥をかかせてはいません。上司のほうも「その仕事の準備は今日中にしておくから、明日から取りかかってくれ」と、本当は忘れていたとしても何食わぬ顔で切り返せます。
まどろっこしいやり取りですが、日本人はこうした気遣いをしたほうが仕事は上手くいきます。特に上司との関係は人事異動があるまで基本的には長く続いていくのですから、ささいなことでトラブルにはなりたくないですよね。言い回しをちょっと工夫するだけで、良好な関係を崩さずに済みます。
上司と意見が対立したら二択の言い回しを持ちかける
上司からの指示や意見に同意できなくてどうしても意見したい時、真っ向勝負で対立したら関係の悪化は免れられません。上司に「あなたの考え方は間違っています」と、面と向かって言えるわけがありません。
ですがそのままにしておくと仕事が悪い方向へと流れてしまう、仕事ではそういう局面がよくあります。
そこで工夫したいのが、二択の言い回しを持ちかけることです。
この時重要なのは、自分の意見の客観性を強調することです。過去のデータ、マニュアルなど事実に基づいた客観性を示すことがとても重要です。自分の意見の我を通そうとするのではなく、客観的にみてこうですよという言い回しにします。
そのうえで上司の意見も尊重しつつ二択の言い回しにすれば、上司がもう一度考え直してくれるかもしれないですよね。
それでも上司が意見を変えなければ打つ手なしですが、上司がこちらの客観性に納得してくれれば意見を翻す可能性は十分あります。
まず自分を下に落としてから、やんわりと指摘する言い回し
上司の考え方に異を唱えたい場合、まず自分を下に落としてからやんわりと指摘する言い回しが効果的です。
例えば「この前のこのやり方が正しいと思っていたのですが上手くいかなくて苦労したんですよね。大丈夫でしょうか」と自分の失敗談で下に落としてからやんわりと指摘すれば、上司も「それなら考え直してみようかな」という気になります。
ストレートに言うなら「そのやり方では失敗しますよ」という言い方になりますすが、そこまで率直に言ってしまうと角が立ちます。
あくまで心配性な部下を演じてすでに1度失敗していることを暴露すれば、上司はメンツを保ったまま意見を変えられますよね。まず自分を下に落とすことで上司のメンツを潰さず、そのうえでやんわりと指摘すれば上司が柔軟に対応してくれやすくなりますよ。
上司への言い回しを工夫すれば穏便に意見や指摘ができる
部下から上司に意見や指摘をするのは心苦しいことで、できればしたくないですよね。ですが仕事の進行上どうしても言わなければいけないこともあり、仕事をしていくなら避けては通れない道です。
そんな時はズバッとハッキリ言って伝える方法だけではなく、言い回しを工夫することも時には必要です。上司に恥をかかせずに仕事を良い方向に向かわせることができれば、それで丸く収まります。
部下の立場では言い回しにどう気をつけるかが、上司との関係を良好なままキープするためのポイントです。