仕事で失敗をすれば、誰でも普通は落ち込むものです。失敗したくてするわけではありませんから、ショックを受けるのは当然です。できれば避けたいけど、完璧な人間は存在しませんので、失敗を避けることは不可能です。失敗する頻度は人によって異なりますが、失敗をまったくのゼロにはできません。
そこで注目すべきなのが、仕事の失敗を糧にして自己成長(成果)へつなげるためのスキルです。今回は失敗との付き合い方のポイントを3つ紹介します。
1.失敗の原因を突き止めること。
仕事で失敗したら次に取るべき行動は、失敗の原因を究明することです。失敗の原因究明こそが、成果へつながる第一歩となるからです。
仕事で大失敗をしたとき、早く忘れたくて、その失敗には向き合いたくないものです。人によっては、失敗を楽観的にとらえてしまい「今回はたまたま失敗した。次は大丈夫」と根拠のない自信を持って、原因究明なんてしないこともあると思います。ただこれでは、まるでダイエットの失敗を繰り返す人と同じです。
失敗したらその事実から目を背けたくなってしまうものですが、失敗には必ず原因があります。原因もないのになぜか失敗する、そういうケースはほとんどないと思って間違いありません。失敗するのは、何かしら原因があるからです。失敗を糧にできれば、成果へとつなげられらるチャンスです。そのためには、まず失敗の原因を究明しないといけません。
失敗の原因究明をする場合は、「どこで間違えたのか」を突き止めることがポイントです。
この時はなるべく先入観を持たず、まっさらな気持ちで作業の検証を行うのが基本です。場合によっては、最初の準備段階ですでに間違えていたというパターンもあります。先入観から、作業中の失敗だと思っていると、失敗の原因が準備段階にあることは気付けません。もう1度トライしたとしても、また失敗を繰り返すだけです。これまでの固定概念は捨てて原因を探しましょう。どうしても難しい場合は、第三者にお願いしてみるのもいいかもしれません。
原因がわかってしまえば、そこを直すことで失敗はしにくくなりますから、次は成果を出しやすくなります。
仕事が順調にいくことはほとんどありませんので、失敗するのは当たり前のことです。失敗と向き合うならまず原因の究明が最優先だと覚えておきましょう。
2.失敗を忘れないこと。
失敗を積み重ねることはどうしてもネガティブにとらえられがちですが、失敗をすれば自分なりのノウハウを蓄積して次に活かすことができます。自分が起こしたミス(失敗)を忘れてしまうと、また同じ失敗を繰り返してしまうのですが、覚えておけば失敗を繰り返さず次に活かせます。つまり「前にこういう失敗をしたから今度はこうしよう」と、最初から失敗を回避できるようになります。
失敗をしたら原因究明を行って再度トライすることが重要だと前項で挙げましたが、そのサイクルは短いに越したことありません。成果へとつなげるまでのサイクルをスピードアップさせたければ、失敗を忘れないで次へとしっかり活かすことです。活かすためには、失敗を根拠にした自分なりのノウハウを蓄積するのが有効的です。
仕事をする時に「過去にこういう失敗を経験したから次はそうならないように気をつけよう」と心がけていれば、過去とまったく同じ失敗はしないはずですよね。それでもうっかりミスやケアレスミスで失敗する場合もありますが、よく気をつけてさえいれば同じような失敗を減らせるのは間違いありません。つまり過去に失敗したことを忘れずによく覚えておけば、次にしっかりと活かせるのです。この一連の過程が『成長』ですから、仕事の失敗は忘れずに覚えておきましょう。
仕事で失敗をした時はショック状態から早く立ち直りたいがために、失敗を早く忘れてしまおうと思いがちです。いつまでもクヨクヨしていたのでは仕事になりませんから、立ち直りの早さは確かに大事です。ですが仕事で失敗した事実そのものが消失するわけではないですし、失敗に真正面から向き合う勇気を持つことがとても重要です。失敗に真正面から向き合うのは、失敗という名の傷口をえぐるためではありません。失敗から何が学べるのかを考え次へと活かすために、失敗と真正面から向き合うのです。
失敗と真正面から向き合えば、失敗を回避するためのノウハウが少しずつ蓄積されます。そのノウハウは自分が失敗してショックを受けたことが根拠になっていますから、簡単には揺るぎません。なぜなら頭ではなく心でその失敗を覚えているからです。すでに実体験しているのですから、忘れるはずないですよね。忘れなければ次に活かせますので、よく覚えておくことが成果へとつなげるための土台になります。
3.失敗しても言い訳しない。
仕事で失敗した時、才能や運を言い訳にして終わらせてしまうことがあります。才能や運は仕事に無関係ではありませんので、言い訳にしたくなるのも仕方ありません。ですが才能や運を失敗の言い訳にしてしまったら、ただ失敗しただけで終わってしまいますよね。それでは成果につなげるどころか同じような失敗を何度も繰り返すことになってしまいます。
才能や運を語って良いのは、もうこれ以上頑張れないと言い切れるぐらい努力してきた人だけです。それだけの努力を積み重ねていないにもかかわらず才能や運を失敗の言い訳にするのは、ただ単に失敗から逃げているだけだと言われても反論できません。
たとえ才能や運には恵まれなかったとしても才能や運を言い訳にせず努力し続ければ、努力した分だけは成果につながる可能性が十分あります。才能や運を言い訳にして仕事を諦めるのは簡単ですが、簡単な道を選んでいたのでは成長を見込めません。ですから仕事の失敗をした時に才能や運を語るのは、瀬戸際になってからです。
他の人と成果を比べて自分のほうが見劣りすれば、ショックの大きさからどうしても才能や運を言い訳にしたくなります。ですがそれでは単に負け惜しみを言っているのと変わりませんので、才能や運を言い訳にせずその時感じた悔しさをバネにどこまで頑張れるのかが、その後の仕事ぶりに大きく影響します。
仕事で失敗すれば失敗した言い訳を何かしら考えたくなるものですが、そればかり続けていると成果にはつながりません。なるべく言い訳はせず、建設的な考え方ができるよう心がけていきましょう。
まとめ
【失敗との付き合い方】
1.失敗の原因を突き止める。
2.失敗を忘れない。
3.失敗しても言い訳しない。
失敗を自分の成長につなげるために必要な『失敗との付き合い方』を知っておけば、失敗することがそれほど怖くなくなります。失敗をすればもちろんショックを受けますし、自信を失いそうになることもあります。ですが失敗をただの失敗で終わらせることなく、自分の成長へとつなげるプロセスを知っていれば、最終的に成果・成長へとつながります。失敗は成果を出すために必要な要素だったと思えますし、失敗を無駄にすることはありません。
失敗しない人はいないのですから、失敗から成長へとつなげるプロセスをよく知ることがとても大切です。