『良い人である』というのは結構キツくないでしょうか。
もちろん誰だって嫌われたくないし、職場の人とは良い人間関係を保ちたい。
だからこそ『良い人』になろうとするのですが、愛想笑いや相手に合わせるのは精神をすり減らすことにもなります。よく「良い人はやめなさい!」というような本を見かけますが、「そうはいっても…人間関係壊したくない…。」というのが本音だと思います。
今回の記事は「良い人はやめなさい!」とまでは言いませんが、良い人を演じることに疲れた人に読んでほしい記事です。
『そもそも良い人の定義って何?』ということをもう一度問い直して、長期的な目線で人から信頼される人間になる方法をシェアします。
『人に好かれたい』という気持ちはあってOK
「職場は自分の好感度をあげるための場所ではない!」とは言いますが、それは誰だって論理的にはわかってるんですよね。
でもじゃあ実際に心を殺して機械のように結果だけにフォーカスできる人なんて一般的にみれば少数派ではないでしょうか。論理的に生きられるならそんな楽なことはないでしょうが、人間は不合理な生き物なのでそんな機械のような生き方ができるなら苦労はしないし、悩む人なんていないでしょう。
自分を含め、人間は機械ではないからこそ『良好な人間関係』というものは社会人生活でも大切になってきます。
例えばプロスポーツの世界でもそうですが、強いチームってチームワークが良いですよね。陰湿なイジメやコミュニケーションが取れていないチームが世界大会で優勝したという話は聞いたことがないと思います。
ストイックな人は「職場はサークルじゃないんだ!」などというかもしれませんが、実際に人間関係の良好さはその職場の成果に繋がっていると言えるでしょう。なので、『人に好かれたい』という気持ちはあってOKだし、人の目を気にすることが悪いことだとは言えません。
誰にとっての『いい人』なのか
『人に好かれたい』という気持ちはあってOKです。
しかし!
この『人に好かれたい』と思ってする行動は人によって違うのです。
例えば誰かと接する時
1、相手に”嫌われないように”接する
2、相手の”ことを考えて”接する
という2パターンがあったとします。
1は視点が自分に向いていて、2は視点が相手に向いていますよね。
もし後輩が何か仕事で大きなミスをした時に「大丈夫、大丈夫〇〇君は悪くないよ」と励まず人と「なんでミスをしたかあとで反省会をしよう!」とミスに対して深く追求する人がいたとします。
一見「大丈夫、大丈夫〇〇君は悪くないよ」という人は『優しい人』な感じがしますが、これは先ほど紹介したパターンの『1、相手に”嫌われないように”接する』のパターンではないでしょうか。
これは実は後輩のことを思っているようで、自分のことしか考えていない人です。
あなたはこんな人を信頼できますか?
みなさんは街中が選挙の街頭演説を見たことがあるでしょうか?私の住んでいる待ちでも選挙の時期に立候補者(Aさんとします)が街頭演説をしていることがありました。
「この街のため皆さんのために〜をします!」というような演説をしていたのですが、その時通りかかった大学生くらいの男性が、意図的にか無意識にかわかりませんが自分が持っているゴミをポイ捨てしました。街頭演説をしているAさんは男性がポイ捨てした場面を目撃したんですね。
その時にAさんは、ニコニコしながらそのゴミを拾い、「まったく、しょうがないですね」というような困ったような顔をしていました。
一見すると『良い人』ですよね。
でもあなたはこのAさんに投票したいと思いますか?
大学生のゴミのポイ捨ても「コラ!ゴミはゴミ箱に捨てなさい!街を汚すな!」とハッキリ言えない人に、自分の街を任せたいと思うでしょうか。
Aさんは立候補者として投票してもらうために『良い人』を演じていたと思うのですが、私を含めた多くの人は「この人には投票したくない」と思ったでしょう。
つまり、自分が『良い人と思われたい』と思って行動していることでも、他人の目から見るとそうではないことがあるということです。
誰にとっての『良い人』であるべきなのか?
じゃあ本当に信頼される人って、どういうことをしているかというと、『全体のメリット』を考えて行動している人です。
例えば先ほどの選挙の例で言えば、ゴミをポイ捨てした男性からしたら「叱られなくてよかった〜」という『良い人』に感じるかもしれませんが、周りの人からしたら「ゴミのポイ捨てくらい指摘しろよ!」と『ダメな人』に感じるでしょう。
信頼される人なら確実に『全体のメリット』を優先してゴミをポイ捨てした人を叱るでしょう。
つまり”自分の好感度”よりも”全体にとって良いこと”という目線で生きているからです。
職場でも同じで、周りから『良い人』と思われる人は目の前の相手に嫌われないかと自分の好感度を考えてビクビクしている人よりも、大きな視点で『全体のメリット』を考えて人と接している人です。
まとめ
紹介してきたように「良い人をやめろ!」という訳ではありません。
最近の自己啓発本では「良い人をやめれば人生は楽しくなる!」というようなことが書かれていて、良い人疲れしている人にはウケる内容かもしれませんが、実際に人から嫌われるようなことを続けられるメンタルを持っている人はいません。
それはそれでメンタルが疲れてきます。
なので良い人をやめるのではなく、『全体にとって良い人になる』という視点で生きるということです。そうすれば自分のなかで罪悪感がなく人に注意できたり好感度に一喜一憂されないような生活を送ることができます。