昨今は現場の人手不足が深刻なため、ある程度キャリアを積んでいると若くても上司に抜擢されることがあります。40代50代で上司になるのではなく、30代はもちろん20代で上司になることもあるほどです。
ただそんな若くして抜擢された新米上司は、上司の在り方がわからないものですよね。
まだ上司としての経験はもちろん人生経験も浅いのですから、急に上司になって戸惑うのも無理ありません。
そこで理想の上司を目指すために何を心がければいいのか、上司の心得を伝授していきます。
部下への指示や指導には必ず一貫性を持たせる
部下時代を思い返してみるとわかるのですが、一貫性のない指示や指導をする上司は本当に困りますよね。前に指導されたことと言っていることが全然違う、教えられた仕事のやり方が異なるなど、指導に一貫性がなかったら部下はやりにくくてしかたありません。
それでは「いったい何が正しいの」と部下に呆れられてしまい、ダメ上司の烙印を押されてしまいかねないです。
またもっと酷いのは、昨日と今日で言っていることが違うというように、部下に言う内容を日替わりでコロコロと変えてしまうことです。昨日と今日で言っていることが異なっていたら、部下は理解できなくて混乱してしまうでしょう。
ちょっとした勘違いぐらいなら許容範囲ですが、明らかに適当な態度をとってしまったら部下からの信頼を確実に失います。
部下からの信頼を失わないためには、指示や指導に一貫性を持たせることが大切です。その上司の指示や指導に従って部下は仕事に取り組むのですから、上司の言うことがブレていたのでは話になりません。
その反対に上司の主張や考え方に一貫性があれば、部下は理解しやすくなります。部下から信頼を得やすくなりますので、少々の主張の違いでは上司に反論しません。一貫性があれば「上司はこういう考え方で仕事に向き合っているのだな」と部下に思ってもらえますので、一貫性を持たせることは非常に重要です。
上司の立場にいるからこそ言い訳しない潔さが大切
上司は威厳を求められる存在ですので、ちょっとやそっとのことで態度をぐらつかせてはいけません。上司が不安そうに仕事をしていたらその不安は部下にも確実に伝播しますので、上司になったらたとえ不利な状況に追い込まれたとしてもどっしり構えているのが理想的です。
ただ、たとえ上司でも仕事で失敗することがないわけではありません。立場的に上司になっただけで、上司になった途端ミスが皆無になるわけではないです。
もしも上司の立場で失敗をしたら、言い訳しないで素直になることが大切です。時には部下に対して「すまなかった」と謝る潔さも上司には必要になります。
上司の威厳を保つことばかりにとらわれ、仕事で失敗してもふんぞり返って謝らなかったら、単に傲岸不遜な人になってしまいます。客観的にみて自分に何一つ落ち度がないなら簡単に謝る必要はありませんが、そうでない場合はすぐ非を認めて謝ったほうがいいです。
ミスしないように仕事をするのは上司も部下も同じですが、それでもミスすることはあります。そんな時は上司であることは一旦忘れてしっかり謝る潔さが、上司としての評判を落とさないための考え方です。
信頼できる部下に仕事を任せる意識を持つ
上司になった以上、部下をどうコントロールするかはかなり重要なテーマです。部下の立場なら指示された仕事に粉骨砕身すればいいと割り切れるのですが、上司になるとそういうわけにもいきません。部下に仕事を任せることを、徐々に覚えていかないといけないです。
部下の中に仕事を任せられる人材がいれば、自分でやるよりも部下に任せるようにコントロールするのが上司の役割です。
上司になったら、部下を上手く活用することを考えなければいけません。自分がやったほうが早いとばかりに部下の仕事まで全部やってしまたら、部下は労力を持て余すばかりになってしまいます。それでは労力を無駄にしますので、部下の適性を見極めながら適材適所で仕事を振っていくことが大事です。
そのためには部下がどんな仕事なら能力を発揮できるのか、スキルと性格の両面を軸に分析していくことも上司の仕事です。適切な仕事を振れば部下はモチベーションが上がりますし、モチベーションの上がった部下が何人もいればチームの士気は自然と向上していきます。
信頼できる部下には仕事を任せ、仕事を上手く割り振っていくことも理想の上司になりたければしっかりと意識していきましょう。
どういう上司であるべきかをはっきりさせよう
上司になって立場が上になったことを喜ぶのは構いませんが、上司になったらその立場にふさわしい仕事をしないと一定の評価を得られなくなってしまいます。若くして上司になればどう振る舞っていいのかわからないのも無理ありませんが、いつまでもお手上げ状態ではいられません。
考え方に一貫性を持たせる、ミスをしたら潔く謝る、部下に仕事を上手く割り振るの3つを特に心がけ、部下から信頼される理想の上司を着実に目指していきたいものです。