仕事を行う上でメールというのは必要不可欠なものとなりましたよね。
おそらく学生時代でもメールを使ってゼミのグループや教授とやりとりをしたことがあるはずです。
一方で会社に入ると身内だけではなく取引先の方とメールをする機会も増えるはずです。
メールであれば対面ではないので緊張する必要もないし、いくらでも文章を訂正できるので対外的な付き合いに慣れていない新入社員の方でも比較的簡単にこなすことができる作業でしょう。
しかし「あれ?これ、なんて伝えたらいんだろう?」と迷うことってありますよね。
言い方などはネットで検索していればすぐに見つかるかもしれませんが、言いたいことを伝えるのに何度もメールを送信・返信しているといつの間にか大量の時間を使ってしまったことはありませんか?
つまり言いたいことがあるけど、メールを何度も繰り返さないとなかなか伝わらないという状態です。せっかく効率的な『メール』という手段を使っているのに、伝えたいことがなかなか伝わらずメールに時間を割いていたら元も子もないですよね。
今回は効率的にメールを完了させるコツをご紹介します。
ベテラン社員ほど話が長い
メールを効率的に終わらせるコツは「どれだけ早く結論を出せるか?」にかかっています。
これは新入社員だから遅い、とか、ベテランだから早い、というわけではありません。
イメージするとわかりやすいのですが、ベテランが集まった会社の会議ほど結論がなかなか出ずに会議が長引くことがあります。
ベテランがこのような非効率な会議をする理由の一つに「伝わるはず。みんなわかってるはず。」という慢心があります。つまり「俺たちはベテランなんだから、経験上みんな言いたいことは理解できるでしょ」という考えがあるということです。
でも実はそれが落とし穴です。人それぞれ考えていることが違うので「いや、それはこうだ。」とか「それは違う、こうした方がいいはず」という風に意見がまとまらないのです。
メールも同じで頭の中をまとめずに「とりあえず何とか伝わるだろ」というスタートを切ると一向にまとまらないまま、徐々にメール回数が増えていき結果的にメールのために大量の時間を使ってしまうのです。
スタートは出口を決めること
メールを効率的に行う最大のコツは『出口を決めること』です。これは会議(会話)でも同じです。
例えばこんな会議の議題があったとします。
『お客様の満足度を上げる営業について』
一見すると会議の議題としてはまともに見えるし、これが出口のような気がしますよね。
でも、この議題には多くの時間がかかる可能性があります。なぜか?というと
「なぜお客様は満足していないという前提なのか?」
「満足させるとはどのくらいのことを言うのか?」
「何を基準にするのか?」
「具体的に何を目指すのか?」
という『なぜ?なにを?どれを?』をぶつけることができるからです。『なぜ?なにを?どれを?』の分だけ話題は広がり続ける=効率が悪くないり時間がかかるということです。
では一方でこういう議題ならどうでしょう。
『関東支店の顧客アンケートの満足度指数を75%から80%まで上げるには』
かなり具体的な”出口”ですよね。
友達や家族との会話でも同じですよね。
「なんか美味しいもの食べにいこう」といえば話が長引きますが、「ここから30分くらいの場所で、一人3,000円くらいのイタリアン料理だったらどこがある?」という風に会話をスタートさせれば後者の方が絶対的にすぐに結論が出ます。
対話を一部の楽しみにする日常会話はそんなことを意識する必要はありませんが、会社では「結局何が出口なのか?」というのをはっきりさせて会話やメールをスタートさせる必要があります。
メールは全て結論から述べろ!
結論から述べることを「アンチクライマックス法」、結論を最後に述べることを「クライマックス法」と言います。
学校では「文章は起承転結で書きなさい」と教えられたかも知れませんが、そもそも起承転結の文章は相手が聞きたいと思っていることが前提になっています。
例えば文庫本とか、映画とか、ドラマって誰かに強制されているわけではなく、自分がみたいと思ってみますよね。「この後どんな展開になるんだ?」と興味を持ちながら。
有名なアニメ映画のディズニーでは確実にストーリーが起承転結になっています。
ディズニー映画ならワクワクして「この後どんな展開になるんだ?」と待つことができますが、仕事のメールだと「結局君は何が言いたいんだ!?」とイライラされてしまいます。
文章を書いている人が有名人、著名人ならこの方法は通用しますが、一般的な人が相手に文章を読んでもらう場合はまず興味を持ってもらうことから始めなければいけません。
なのでまず「結論を述べる」ということが必要なんですね。
私の知り合いに「海外の会社とのやりとりだと時差もあるから一回のメールのやりとりで結論が出ないと何日も仕事が遅れてしまう」という方がいました。
確かに「?はいつまでに完了すればいいですか?」「予算はいくらですか?」という簡単な文章でも何度もやりとりをしていれば
・自分がメールを返信する時間
・相手の返信を待つ時間
だけでも多くの時間を喰ってしまいます。
効率的に仕事を進めたいのであれば全ての結論を一発でさせるメールを最初に送ってしまえばOKなのです。
文章は「なぜ?」で上手くなる
「じゃあ『結論を一発で出せるメール』はどうやって書くの?というと、メールを送る前に自分の書いてる文章に『なぜ?』と問いかければOKです。
多くの人は文章を書いていると主観的な視点で書いてしまいがちです。つまり、相手を置き去りにしていることがあります。
まずはわかりやすい例としてプライベートな文章で見てみましょう。
「今日ご飯を食べに行きませんか?」というメールやLINEと友達に送ったとします。何気ない文章ではありますが、これは断られる可能性が高い食事の誘い方です。特にあまり親しくない方にとっては拒否しやすい誘い方です。
じゃあどういう文章がいいのか?というと
「今日は仕事が16時に終わるので、17時からご飯を食べにいきませんか?〇〇さんの都合のいい場所でOKです!美味しいパスタが食べたいけど一人で行くのはちょっと寂しくて。笑 お互い明日も仕事なので21時には解散という予定でどうでしょう?」
ちょっとプライベートな会話としてはクドイですが
・何時からがいいのか?
・何を食べたいのか?
・どこで食べるのか?
・何時までなのか?
という情報が詰まっています。
このメールを受け取った相手はどうなるのか?というと、あなたの状況がわかります。もし都合が悪ければ相手は「18時からならOKです!」という風に訂正しやすいし、訂正されれば自分も「OK18時で!」という風に簡潔に結論がまとまります。
イメージでいうなら「今日ご飯を食べに行きませんか?」というメールは真っ白なキャンパスに「ここに絵(プラン)を書いてください」と相手に投げつけるような感じ。受け取った相手は「え…急に言われても…何を描けばいいの…?」と戸惑ってしまいます。
逆に大方の絵(プラン)を描いておいてあげて「この絵(プラン)はどう?」と見せてあげれば相手は「これでOK!」とか「ここはこうした方がいいな!」などと意見が出しやすいのです。
「食事に行きたい」という漠然とした理由よりも「仕事が16時に終わるから」とか「イタリアンに一人で行くのは寂しいから」などと『なぜ?』という理由がわかれば相手はスムーズに結論を出しやすいのです。
仕事の場合も同じです。
「打ち合わせの日はいつがよろしいですか?」→メールのやりとりが長くなる可能性がある
「打ち合わせですが、来月の1日?15日は先約が入っていますが16日~19日が空いてますので、10時?17時の間でしたらいつでも時間が作れます。〇〇さんの都合はいかがでしょうか?」→メールが簡潔に終わる可能性あり
新入社員からすると「自分が先にある程度決めてしまうなんておこがましい…」と思うかもしれません。ですが、これは自分の都合を押し付ける訳ではなく、相手を迷わせないある種の”気遣い”だと思った方がいいでしょう。
まとめ
今回の内容をまとめると下記の通りです。
・メールを早く終わらせるには一通目で『出口』を提示する
・出口のあるメールは『なぜ?』と自問することで書けるようになる
・「あなたが決めてください」という投げやりなメールよりも、「これはどうでしょうか?」と返信しやすいメールを書くのも相手への気遣いになる
ということです。
これは会社内だけでなく、ご紹介してきたようにプライベートなメールや会話でも特訓できるので是非活用してみてください。