社会人になると幅広い年齢層の人と話す機会が多くなりますよね。
学生時代だとだいたい近い年齢の人ばかりだし、同じような生活をしている人ばかりなので会話することにストレスを感じることなく無意識におしゃべりできるでしょう。
でも、会社員になると年上の人であれば「(…この人の話に合わせなきゃ)」、年下になると「(…何の話なら興味を持ってくれるかな)」など、色々考えてしまい会話するハードルが高くなってしまいがちです。
じゃあ、この記事を読んでいる方で「私はおしゃべり上手!」「全然人見知りをしない!」という方はいるでしょうか。
多分ほとんどの人は「自分は人見知りだし…」と思っているはずです。
この記事では人見知りの人でも会話がスムーズにいく会話術をご紹介します。もちろん社内でも社外でも使えるし、異性関係でも応用できる会話術です。
80~90%の人は自分が人見知りと思っている
心理学の実験で面白いものがあり、とある大学の新入生全員を集めてパーティーを行うというものがありました。
新入生たちは「よろしくね!」「出身はどこ?」などと楽しげに会話しています。そしてパーティーの終わりに出口でアンケートを配ります。そのアンケートには「今回のパーティーで自分だけが浮いてるなと思いましたか?」というものがあり、その項目にYESと答えた人はなんと80%以上です。
つまり、ほとんどの人は「自分はなんてダメなんだ…。みんな社交性が高くていいなぁ…。」と思っているのです。面白いですよね。
そもそもコミュニケーションってなに?
何でこんなことが起こるのでしょうか?そのヒントはコミュニケーションの本質にあります。
そもそも『コミュニケーション』って何なのか?と質問されたらどう答えますか?
コミュニケーションを辞書で調べると
「気持・意見などを言葉などを通じて相手に伝えること、通じ合い」という風に定義されています。
これだけ聞くと「まあ、そんな感じじゃないの」というイメージですよね。
ここで大切なのは”通じ合い”という部分です。
つまり、コミュニケーションとは1人で行うものではなく、最低でも2人以上で行うもので、1人で成り立つものではありません。無人島にいればコミュニケーションも何もないですよね。
ですが、多くの人が「自分は人見知りだ」と思っているのです。これ、かなり矛盾していることになるんですね。
例えば、自分が勇気を出して初対面の人に「こんちには!」と挨拶したとします。その時に相手が「…あ。はあ…。」と気の無い返事をしたらどうでしょうか。
多くの人がこう思うでしょう。
「あ…。この人は自分と喋りたくないのかな…。」
この経験が積み重なって、なかなか人に喋りかけられなくなり「自分は人見知りだ」と思ってしまうのです。
しかし!
これは自分が悪いのではなく相手が悪いですよね。相手の人も「自分は人見知りだ」と思っているので、突然挨拶されると気の無い返事になってしまうのです。
これで2人の人見知りが誕生しました。笑
これが伝染していった結果80%以上の人が「自分は人見知りだ」と思い込んでしまうんですね。
コミュニケーションは2人以上で行うもの、つまり、相手に依存するものであり、自分がオープンでも相手がクローズなら成立しません。自分がオープンであれば、あなたは「自分は人見知り」と思う必要はないし、「自分が悪い」と思う必要はないのです。
正しい空気の読み方をマスターする
「コミュニケーションは2人以上で行うもの」という大前提は常に意識している必要があります。
なぜなら、多くの人は会話をテクニックやネタに頼ってしまいます。
経験があると思いますが、テレビで面白い言い回しやフレーズを見つけて「この言いネタ面白い!絶対ウケる!」と感じたことありませんか?
または心理学の書籍などで「人間は?という心理があるから?をすると?になる」というようなテクニックを学んで、それを実践しようと思ったり。
こういう場合、すでにコミュニケーションとして破綻してしまっているのです。
なぜなら、「自分の持っているものを相手にぶつけよう」という前提で会話に臨むので、コミュニケーションではなくワンマンライブです。
相手の話なんか聞かずに、心の中では「(いつ、あのネタをだそう)」「(いつあのテクニックを使おう)」という風に自分が言いたいことが頭を巡ってしまい、相手の話が頭に入ってきません。
私自身これで失敗したことが何回もあります。
「ああ、また自分が言いたいことだけ言っちゃった…」となんども反省しました。
じゃあどうすればいいのか?というと、コミュニケーションとは生モノです。
事前に用意するというよりも、その場の状況での会話はその場で用意するべきです。
例えば、初対面の人で服装に青色が多い人であれば「青い服似合いますね!青色が好きなんですか?」とか、「今日は祝日だから人が多いですね?。普段休みは何してるんですか?」とか。
逆に「今日はこの話題を話そう」と自分の頭の中で用意してきたものって、相手は用意がないことなので、会話が途切れやすいのです。
でも、その場で目に見えるものであればお互いの共通認識として会話が成立しますよね。
会話する相手と『息を合わせる』とは?
「うまく会話をしよう!」と思っている場合に間違いやすいのが、話す量です。
心理学では『ペーシング』『ディスペーシング』というものがあり、ペーシングは相手に合わせること、ディスペーシングは相手に合わせないことです。
ペーシングを続けていると「なんかこの人喋りやすい!」と思ってくれます。
ペーシングとは簡単にいうと『息を合わせる』という感じなのですが、具体的にどういうことを指すか?というと、相手の話した文量に合わせて自分の文量を決めるということです。
最近流行りのフリースタイルダンジョン(ラップバトル)って、すごくリズミカルで、聴いていると徐々に引き込まれていきますよね。
あれって同じ文量、スピード、リズムで交互にチェンジしていくので、ストレスなく聴けるのです。
イメージで例えるならメールやLINEなどの何気ない文章のやりとりも同じです。例えば相手から来た短文に長文で返してしまうとディスペーシングです。
Aさん「こんにちは、今日暇?」
Bさん「うん、暇だよ」
Aさん「ご飯行かない?」
Bさん「うん、いいよ」
Aさん「どこ行こうか。イタリアンとか好き?」
Bさん「イタリアンいいね!美味しいとこ知ってる!」
だいたい同じ文量で、読んでいてもスムーズですよね。
これをディスペーシングで例えると
Aさん「こんにちは、今日暇?」
Bさん「まあ暇っちゃ暇かな。でも22時に見たいテレビがある。明日は会社でプレゼンがあるんだよね?。あ、でもご飯とかなら行けるよ!そういえばこの前美味しいレストラン見つけてさー」
ちょっと極端に書きましたが、相手の1の問いかけに大量の情報を返しますよね。
相手は情報量が多いと混乱してしまいます。1つ投げたボールが4?5つになって返って来た感じです。
逆に長文で来たのに「うん」「まあ」とか短文で返すのもダメです。
よく観察していると気づくかもしれませんが、「この人、なんか話しやすいな」という人は自分の話をよく聴いてくれる人か、もしくは同じペース、文量、リズムで会話してくれる人でしょう。
まとめ
コミュニケーションは仕事に限らず、生きていく上でかなり重宝するスキルですが、ちょこざいなテクニックが通じないという複雑な側面も持っています。
なぜならコミュニケーションは生モノだからなんですね。
でも一度コツを掴むとコミュニケーションは楽しくなってきます。
今回ご紹介したことを完結にまとめると下記の通りです。
・コミュニケーションは2人以上で行うもの
・相手に依存するもの(相手がクローズな時もある)なので失敗することもある
・事前準備ではなく、その場の状況を読んで会話をする
・相手の文量、リズム、ペースと合わせて会話する
まずは一つでも意識的にやってみてください。最終的に無意識に反射でできるようになります。