突発的に問題が発生してしまった場合、うまくその問題に対処するには、『判断力』というスキルが必要になってきます。今回は判断力スキルを上げるために必要な10の能力を紹介します。
判断力とは
判断力とは、正当な判断を下す力です。辞書には「知性」「感情」「意志」が挙げられているのですが、ビジネスにおいてはこれ以外にも様々な能力が求められます。
正当な判断を下しうる能力。知性・感情・意志などが具体的な状況に正しく対応する力。 (大辞林第三版)
判断力が自分にはないという方でも安心してください。判断力は鍛えることができます。
島原隆志氏著の『9%のトップエリートがやっている最強の判断力(WAVE出版)』の中で【良い判断のための【10個の能力】が挙げられています。これをもとに自分自身を分析していくことで、弱点を発見・克服することが出来れば判断力を鍛える近道になります。
では、その10項目を見ていくことにしてみましょう。
① 優先順位設定力
ビジネスをおこなっていく上では、様々な業務や作業を同時に抱えているというケースがほとんどです。その中で重要度と早急性を見極めて何を優先して取り組むべきなのかを決定していく必要があります。今抱えている仕事の優先順位をしっかりと確立させておき、もし突発的な仕事が発生したとしても対応できるようにしておくことが大切です。
② 生産性
限られた時間の中でいかに効率よく仕事の業務や作業をこなしていけるかの能力です。生産性が高ければそれだけ時間的な余裕も生まれやすくなるので、緊急事態にも柔軟に対応する精神的な余裕も生まれます。また直接的にも、その問題に対する処理能力の高さとも言えるので、生産性の高さというのは重要な項目と言えるでしょう。
③ 問題発見力
もし何かしらのトラブルが起きた場合は早急に対応する必要があります。ビジネス上のトラブルなどの場合には、初期段階で発見できるほど被害も小さくて済んだりリカバリーが効いたりするケースも多くあります。細部にまで常に気を配り、「何か異変がないか」「違和感がないか」といった注意を払っておくことも重要です。
④ 問題分析力
問題を発見したからと言って、やみくもに手を付けてしまうのでは逆効果になってしまう恐れもあります。そのためにもしっかりと原因を突き止めて最善の手を打つようにしなければなりません。また分析をしておくことは、問題への対処だけでなく今後の再発防止にも活かすことができるので、習慣を付けておくと良いでしょう。
⑤ 創造力
その問題が起きた事によってどのような事態が起こりうるのかを、現時点の状況などから推察してリスクとして想定しておく能力です。またその想定されたリスクに対して「どのような対処法を選ぶことが有効なのか」ということまで考えておくことが出来れば、決断も素早く下すことができるので問題の収束も早くなります。
⑥ 洞察力
洞察力とは目に見える部分のみではなく、その本質的な部分や内面的な部分にまで目を向けて見抜く力のことを言います。表面的に問題として露呈された部分のみに対処しているのでは、問題の根本的な解決には繋がらないケースもあるでしょう。じっくりと注意深く観察して考え、問題の核心に迫り根本的な解決をしていく必要があります。
⑦ 計画組織力
計画性を持って行動を起こしている組織であれば、突発的に起きた問題であってもそれに対するフォローはもちろん、現在進行中の他の業務や作業に対しても支障が出ないようにカバーするように役割分担が可能です。これは計画性が欠如していれば、判断力が鈍るために優先順位がつけられなくなったり、組織力がなければフォローするという行動が起こらなかったりして、新たな問題の原因になる恐れもあります。
⑧ 当事者意識
問題に対しての当事者意識が無ければ、対処が遅れたり最善の手が打てなかったりするなど、その後の対応に直接的な影響を及ぼしてきます。しっかりと当事者意識を持って責任の所在を明らかにすることによって、判断に対しての迷いも少なくなり思考や行動にも表れてくるので、迅速な対応が可能になってくるのです。
⑨ 意思決定力
もし想定外の事態が起きた場合に迷いがあるまま行動していると、行動が遅れてしまったり対応を誤ってしまったりするなど事態の悪化を招いてしまう恐れもあります。自分の考えをしっかりと纏め、「こうするべきだ」という強い意志のもとに決断を下すことが、迅速かつ適切な行動を取ることに繋がります。
⑩ ヒューマンスキル
その人個人が持つ知識や経験なども含めた能力です。例え初めて直面するような事態でも情報として事前におおよその内容を把握していたり、過去に類似したケースに遭遇していたりすれば、判断もスムーズに下すことができます。またそのような見識がなくても単純に個人の能力で解決できる場合もあるので、ヒューマンスキルが高いにこしたことはありません。
判断力を鍛えるためには…
判断力は個人の能力に依存する部分も大きいですが、計画性や優先順位などの時間的な要素が影響する部分や意志の力などのマインドがもたらす部分もあります。もし上記の10項目で得意・不得意があるのならば、得意な部分をより磨いて不得意な部分をカバーできるようにするのも一つの方法かもしれません。