私たちは、今この瞬間を生きていて、小さな決断を絶えず繰り返し続けています。googleが提唱している「マイクロモーメント」というものは、まさにその決断を下す瞬間にこそ、いろいろなチャンスが存在しているというものでもあります。
これからの時代は「マイクロモーメントを制する者がビジネスを制する」とさえ言われることもあるのですが、では、そもそもマイクロモーメントとは、いったいどのようなものなのでしょうか?
マイクロモーメントとは?
「マイクロモーメント」とは、googleが提唱している私たちの新しい習慣の1つです。
「マイクロモーメント」を日本語に訳すと、「マイクロ=ささいな」「モーメント=瞬間」、つまりささいな瞬間・ふとした瞬間に様々なビジネスのチャンスがあるということです。
と言うのも、今では老若男女問わず誰もがスマホでいろんなことを検索するようになりました。インターネットが登場してからも、しばらくは雑誌やカタログなどの印刷媒体を使って欲しいものを探したり、実際にお店まで出掛けて商品を選んだりしていたのです。
ですが、スマホが浸透したことによって、何かを調べるということが、今までにないくらい身近なものになったのです。わざわざ欲しい商品を紙に書きだすこともなくなりました。家から出る必要すらありません。すべてがスマホ1台で完結できるのです。
つまり、欲しいと思ってから購買に至るまでの時間がなくなっているのです。
これは衝動買いにも近い消費行動で、欲しいと思った瞬間、買いたいと思った瞬間というのが商品を売るときの最大のチャンスなのです。もし少しでも悩む時間を与えてしまえば、消費者は買わないという選択肢の存在を思い出してしまい、結果、販売する機会を失ってしまうかもしれません。
そのような「ささいな瞬間」「ふとした瞬間」の消費行動が習慣として定着しつつあるということです。
そして残念なことに、その瞬間に浮かぶ選択肢に入れてもらうことが出来なければ、商品を売ることは非常に厳しくなります。
瞬間が大切な理由
では、なぜ瞬間の消費行動を注視する必要があるのでしょうか?
ここで1つ例を挙げてみましょう。
たとえば、スーパーで買い物をしていたとしましょう。
食材を買って帰るだけのはずだったのに、ふとティッシュが目に入ったことで、もうすぐなくなりそうだということを思い出したとします。
すると、せっかくだからとついでにティッシュも買ってしまうのです。
たとえそれが、400メートルくらい先にあるドラッグストアで、同じティッシュが100円安く売られていてもです。
この例であれば、ティッシュがなくなるかもしれないということを思い出した瞬間に、商品を提供することができたスーパーがマイクロモーメントの恩恵を受けたということです。
「google home」や「amazon Echo」のような人工知能が発達したおかげで、私たちやりしたいと思ったことを言うだけで、機械が代わりにやってくれるという社会に突入しています。それは、その瞬間瞬間に悩みを解決したり欲求を満たしたりしてくれるということに慣れてきているということです。
そうなると、瞬間に解決しないことに対してはストレスを感じるようになってしまいます。ストレスを感じると、高揚感も失ってしまうので、購買にはなかなか結びつきません。
現在では、いかにストレスを与えずに商品を提供できるかが重要になってきているのです。
マイクロモーメントを制するには?
消費者がいつ、どんなタイミングで「買いたい」と思うのか分からない以上、取れる対策法はしっかりと売っておかなければなりません。
そこで、効果が見込みやすい「最先端の技術と完璧な品揃え」「消費者との信頼関係」という2つの方法をご紹介します。
「最先端の技術と完璧な品揃え」
その瞬間の高揚感が冷めないように、常に品揃えを完璧にして、移り変わりの早いIT技術も常に最先端にしておくというものです。ただ莫大な費用がかかり、リスクも大きくなってしまうので、あまり現実的な方法ちは言えません。
「消費者との信頼関係」」
人と人との信頼関係や繋がりというアナログな部分を用いて高揚感を持続させるという方法です。
これは受け手側の記憶に残っていて、かつ選択肢に入っている必要もあるので、すぐには結果は出せないかもしれません。
しかし、「あのひとなら」「あの会社なら」と思ってもらえていれば、欲しいものと提供しているサービスがマッチすれば、商品を検索したりすることなく最初の選択肢になれるので、機会損失もなくすことができます。
信頼関係を築けるかがカギになる
スマホでその瞬間に解決できるサービスをgoogleが教えてくれるという、とても便利な世の中になりました。ですが、google検索はとても便利な機能だけど、商品を販売している立場=売り手からすると、競合を紹介しているということを忘れてはいけません。
客にとってのオンリーワンを目指さなければ、人工知能が益々進化していくであろう時代では勝ち残れないのかもしれないですね。