「やらなきゃいけないことがある」とわかっていても、締め切りギリギリまで引き伸ばしてしまうことってありませんか?
学生時代であれば課題の提出期限が過ぎてしまっても「ごめんなさい」と謝れば許されたかも知れませんが、社会人になるとそういうワケにはいきません。
しかし、そうわかっていても何故か先延ばしにしてしまうのが人間の性ですよね。
慢性的に期限を切らすということは社会人としては論外ですが、多くの方が与えられた仕事を期限ギリギリまで引き伸ばしてしまい「もっと早めにやってればこんなにバタバタせずに済んだのに!」と後悔した経験があるでしょう。
この記事では先延ばし癖を直すコツをご紹介します。
仕事だけではなく、家事でもなんでも「ちょっとめんどくさいな」と思うことをサッと片付けられるようになるノウハウをご紹介していきます。
目次
早くやればいいのは誰でもわかっている
「早くやればいい」「先延ばしはよくない」なんて正直誰でもわかってますよね。
自分が事業主だったら、期限ギリギリで仕事をこなす社員と期限前に仕事を終わらせる社員がいれば、絶対に期限前に仕事を終わらせることができる人を優遇したいですよね。
よく言われる「与えられたこと以上の成果を出せば職場での信頼は獲得できる。」という意味合いの中にはこうした誰にでも可能だけど、ほとんどの人がやらないことがあります。
じゃあ何故誰しもが「素早くやれば自分が得するのは明白だ」とわかっているのにも関わらず先延ばしにしてしまうのか?というと、その秘密は脳にあります。
脳には
【爬虫類脳】と【人間脳】と呼ばれる部分があり、爬虫類脳は原始的な欲求を司り、人間脳は合理的な思考を司ります。
つまり、人は皆
・爬虫類脳が出す司令
・人間脳が出す司令
の2つを持っているんですね。
この前提をまず知っておきましょう。
脳は別の生き物と客観視する
極端な話をすると、自分の中には”欲求に従順な自分”と”合理的に考えるエリートの自分”が居るということになります。
これは誰もが実感できることではないでしょうか。
・痩せた方がいいのはわかってるけど、ついついお菓子を食べちゃう。
・本当は必要ないけど、ついつい欲しいものを買っちゃう。
・今寝たら夜寝れなくなるのはわかってるけど寝てしまう
などなど、「頭ではわかっているけど、できない」ということは思いのほか多くあるでしょう。
ここで大切なのはこの人間の性質を理解しているか?ということです。
つまり、これら「先延ばし」というのはある種脳の癖であり、使い方や付き合い方を知れば効率的コントロールすることができます。
ゴリ押しで「気合いでやりきるぞ!」ではなく、自分の先延ばし癖を客観視して「ふ?ん、自分はこういう癖があるのか」と気づく必要があるとうことですね。
プロスポーツ選手でも自分自身を撮影して「え!自分ってこんな癖があるんだ!」と気づくことで脳にインパクトを与えて修正していきます。
客観視しない人ほど「自分はできる。」「本気を出せばなんとかなる。」と思ってしまうんです。
爬虫類脳は”楽なこと”が好き
じゃあ具体的にどうやって先延ばし癖を直して行くのか?ですが、爬虫類脳をコントロールすることがキーポイントです。
脳の構造を簡単に説明するとしたら、脳は『地層』みたいなものです。
人間も元々動物のように毎日エサを探し回って、眠くなったら寝る、交尾したくなったらするというように爬虫類のような生活をしていました。
なので脳の中心部分(最初にできた部分)は原始的な欲求をで動きます。一方で脳の外側の部分(進化の過程でできてきた部分)は合理的な考えを持っているんですね。
もちろん強いのは【爬虫類脳】であり、原始的な欲求です。もし人間が誰しも合理的な人間脳を働かせられるならこの世の中はなんの問題もなくスムーズに進むでしょう。
では爬虫類脳はどんな性質があるのか?というと、一言でいうと”楽なことが好き”なのです。我慢するよりも欲求を満たすように動くということです。
「”楽なことが好き”ならめんどくさいこと(やりたくない仕事など)をすぐやるって難しくないですか?」という疑問が湧いてきますよね。ここがミソです。
どうすれば”楽”なのかを再定義する
先延ばし癖は「先延ばしにして、目の前の欲求に従った方が楽しい」と思う考えからきます。
目の前に漫画やゲーム、お酒、テレビ、趣味、仕事なんかより楽しい!と思うことなんて数えきれないくらいありますよね。
その度に「仕事はちょっとゲームをしてからにしよう…」「今日は見たいテレビがあるから仕事は明日にしよう…」と先延ばししてしまいます。
多くの方が「ゲームはしちゃなダメだ…」「テレビは見ちゃダメだ…」と人間脳と爬虫類脳を戦わせます。実はこれがダメなのです!人間脳にほぼ勝ち目はないですからね。原始的な欲求が勝つに決まってます。
ここで大切なのは「ゲームをするな!」とか「テレビを見るな!」ということではなく爬虫類脳の”楽がしたい”という癖を逆手に取るということです。
逆手に取る方法はこうです “本気になって集中した方が逆に楽”。
本気を出した方が逆に楽ということを知る
「は?」と思って方もいるかもしれませんが、ダラダラしたりリラックスして仕事をやった方が楽な感じがしますよね。
だから中々集中ができないし、「早く遊びたい」という気持ちになってしまいます。でも今までの経験を振り返って見てください。
ダラダラして仕事をした場合と、本気になって仕事をした場合ではどちらが”楽”だったでしょうか。
筋トレに例えると、50kgのバーベルを全力を出して持ち上げるのと、友達とおしゃべりをしながら持ち上げるのではどちらが軽く感じるでしょうか。
そうなんです、ここは勘違いしやすいポイントなんですが、”本気を出した方が楽”なんです。
たまに「あの人なんであんなに集中力が続くの?頑張れるの?」って人いますよね。その人の爬虫類脳は”本気を出した方が楽”と知っているのです。
言い換えるなら”ダラダラしてやるとキツイ”と爬虫類脳が知っているので、”先延ばしをすることを嫌う癖”が出来上がっているのです。
本気を出した方が楽だと実感した体験をフィードバックする
爬虫類脳に「本気を出した方が楽だよ」とインプットさせる方法は簡単で、体験をすることです。
一度本気になってタスクをこなしてみてください。おそらく誰もが一度は本気になって物事をこなした経験があると思いますがフィードバックしてその体験を客観視したことがある方はあまりいないでしょう。
そして、集中してこなしたタスクと、ダラダラしてこなしたタスクの感情的、身体的なストレスを自分自身でフィードバックしてみてください。
そこで「本気でやった方が楽じゃん!」と体感レベルで実感すればめんどくさい仕事を前にしても爬虫類脳(原始的な欲求)レベルで「素早く集中して終わらせたい!」という思考回路が完成していきます。
まとめ
先延ばし癖を解消するコツをまとめると
・脳は爬虫類脳と人間脳がある
・原始的な欲求(爬虫類脳)に勝つことは難しい
・爬虫類脳は”楽なこと”が好き
・集中した方、本気になった方が楽だということを脳にインプットする
ということになります。
これを脳に擦り込むと作業スピードがグンっと上がります。