仕事で誰かから指示を受けたり依頼されれば、基本的には引き受けるのが普通です。それが特に上司からの指示であれば、断るという選択肢は本来ありません。
しかし仕事を引き受けるとダブルブッキングになってしまう、どうしてもスケジュールを合わせられない、あるいは能力的に自信がないなど、お断りをしないといけない時もあります。
そのお断りをする時ただ「できません」というだけでは、印象がとても悪くなってしまいます。たとえ状況的に絶対引き受けられない仕事でも、そのような不愛想な断り方をしてはいけません。お断りするということは、相手の期待に沿えないということです。その点を考慮し、相手が納得のいくお断りをしないと失礼です。
ビジネスでは泣く泣くお断りしなければいけない局面がありますので、その時にどのようなお断りをすれば相手からの印象を悪化させずに済むのか、そのお断り術を紹介していきます。
まず第一声でしっかりと謝ることが大事
もしも仕事の依頼の話を聞いて引き受けられないと判断した場合の第一声は「申し訳ありません」あるいは「すいません」など、謝りの言葉を言わないといけないです。タイミング的に仕事がとても忙しければ「この忙しさなのだから無理に決まってる」と思い、つい最初に言い訳したくなってしまいます。
しかしそこはグッと堪えないといけません。
上司は現場の様子とは関係なく仕事を振ることもありますが、そこで反感を持ってしまうと態度に出てしまいます。
それよりも仕事を引き受けられない申し訳なさを伝えるため、第一声でまず謝らないといけません。第一声で謝っておけば、お断りの印象を比較的柔らかくできますよね。これだけで全然違います。仕事を引き受けられないことが本当に申し訳ないと思っている、そう伝われば嫌な後味は残さないで済みます。
たとえ「この状況では絶対無理」と思っていたとしてもそんな気持ちは表面化させずに、第一声できちんと謝ってしまいしょう。
お断りする理由は包み隠さず伝える
お断りするのが申し訳ない気持ちから曖昧な言葉ばかりを並べ立てるのは、印象を悪くしてしまいかねません。
それでは何か後ろめたいことがあって言い訳しているように見えてしまうからです。もしも正当性のある理由で仕事が引き受けられないのであれば、それを隠す必要はどこにもありませんよね。
正直に理由を話してお断りすれば、相手も「それじゃあしかたがない」と気持ち良く引き下がってくれやすくなります。
たとえば他の仕事を抱え過ぎていてこれ以上仕事を引き受けたら明らかにオーバーワークになってしまう場合は、抱えている仕事がどれぐらい多いのかを隠さず伝え、現状をわかってもらうことがとても大事です。それを聞けば「それなら他の人にやってもらおうか」と納得してくれますので、余計な軋轢を生むようなことにはなりません。
お断りするという行為が後ろめたくてあれこれと言い訳を取り繕ってしまいがちですが、それでは相手に不信感を持たれてしまうので逆効果です。そうなれば印象的に損ですので、お断りする理由は包み隠すことなく、相手に伝わるようにしっかりと説明しましょう。
代替案を出して仕事をやりたい意欲があることをアピール
たとえ状況的に仕事を引き受けられそうにないことがほぼ確定的であっても、最初から断ることを前提に話を進めていくのはあまり良いことではありません。仮に望みが薄いにしても、代替案を出すことが印象的に大切です。
たとえば「この仕事とこの仕事が終わり次第で良ければ引き受けられます」「誰かと共同で作業していくのであればOKです」「この仕事を管理している上司に確認を取ってOKなら大丈夫です」など、お断りするにしても仕事に対して前向きな姿勢であることをアピールしておかないといけません。
これらの代替案は必ずしも上手くいくとは限らないですし、心の中では「正直無理そうだな」と思いながら代替案を出す場合もあるでしょう。しかしただ単に「状況的にできません」といきなりお断りするよりかは、ワンクッション入れてお断りするほうが相手は納得しやすいです。
職場内で上司と良好な関係を保ちたければ、お断りをするにしてもこのような工夫を入れないといけないです。たとえ「状況的に絶対無理なのだから仕事を振られても困る」と思っていたとしても、それを態度に出してはいけません。
むしろ仕事を引き受けようと努力したもののやはり難しいという形でお断りするのが好ましく、そのようなやり方でお断りすれば上司も諦めがつくでしょう。
お断り術を覚えておけばイメージダウンしにくい
たとえやむをえない事情で仕事をお断りしなければいけない場合でも「できません」と、ドライに断ってしまうのは決して良いことではありません。他の仕事が忙しくて心に余裕がないとそのような断り方をしてしまいかねませんが、それではいずれ仕事をまったく振られなくなってしまいます。
そうならないためには、イメージダウンしないお断り術を活用するのがおすすめです。それなら再度仕事を依頼される可能性が十分あります。
お断りしなければいけないシチュエーションでどう伝えるか、ビジネススキルをどんどん駆使していきましょう。