2019年の年末に中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる感染症は、日本をはじめとし、世界に蔓延しました。イタリア、フランス、スペインなどのヨーロッパ諸国や、アメリカ・ニューヨーク州などは、外出禁止令を出すなど強硬な対策を講じているものの、医療現場の過度な負担により、十分な治療が行き届かない医療崩壊の状態に陥っているのが現状です。
日本の状況も予断を許しません。2020年4月7日には大都市圏を中心に緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出の自粛要請も出されました。諸外国に比べると、かなり「緩い」と言われる措置かもしれません。それでも、私たちの生活が一変してしまったのも事実です。
そんな中、働きながら子育てをされているワーキングマザーの皆さんにとっては
- 保育園や幼稚園、小中学校が休校になる
- 学童保育や学習塾も休みになる
- 子どもが家にいる時間が長いので、食事の準備をしなくてはいけない
- マスクや消毒薬がどこで買えるかわからず右往左往している
- テレワークをしているが、その間の子どもの時間の過ごし方を考えなくてはいけない
など、文字通り問題山積の状態が続いているはずです。
そこで今回の記事では、新型コロナウイルス感染症が大流行している今だからこそ、徹底活用したいサービスをまとめてみました。
※注意
本記事は、2020年4月18日現在、サービス提供事業者および関係当局から公表されている情報に基づいて作成しております。今後の情勢の変動により、サービス内容の変更、提供の中止も考えられるので、ご利用の際はご自身で再度、現況をご確認いただくよう、お願い申し上げます。
1.託児系のサービス
テレワークをする場合でも、オフィスに出勤しなくてはいけない場合でも、頭を悩ませるのが「保育園や幼稚園、小中学校が休みになっているお子さんの面倒をどう見るか」です。家族や近所の人に助けを求められるなら、ぜひ活用したいところですが、毎回それをやるわけにはいかないのも現実でしょう。そんなときに活用したい「一時預かりにも対応してくれる託児サービス」をまとめました。
1-1.キッズライン
日本全国でサービスを展開している家事代行サービス業者です。在宅ワーク中のお子さんの面倒を見てもらうのはもちろん、保育園や幼稚園への送り迎えも頼めます。なお、東京都が行っているベビーシッター利用支援制度の指定業者であるので、東京都に住んでいて、次の条件を満たす場合は1時間150円で利用可能です。
・ 0歳児〜2歳児の待機児童の保護者
・ 保育所等の0歳児クラスに入所申し込みをせず、1年間の育児休業を満了した後、復職する予定の保護者(復職日以降の利用が前提)
もちろん、これらの条件を満たさない場合でも、1時間1,000円台から利用できるので「今日はどうしても見てくれる人がいない」というときにも役に立つはずです。
1-2.マザーネット
キッズラインと同様、日本全国でサービスを提供している家事代行サービス業者です。料理代行などの一般的な家事はもちろん、病児ケアやペアレントケア(65歳以上の介護認定を受けていないご家族のケア)などにも対応しています。「家族の面倒も見てあげないといけないけど、さすがに手が回らない!」という場合は、上手に活用しましょう。
2.学習支援系のサービス
お子さんが既に小学校高学年、中学生、高校生であれば「どこに預けるか」という心配はしなくていいかもしれません。しかし「自宅にいる間の時間をどう過ごしてもらうか」は問題になるでしょう。通っている学校から渡された宿題や課題があるなら取り組めばいいですが、そのようなものがない場合は、勉強のペースメイキングが重要になります。今回の新型コロナウイルス感染症を受けて、学習塾や通信教育サービスを運営している会社が、自社のサービスの無償提供に乗り出しました。
2-1.まなぶテラス「ネットで自習室」
通っている学校や学習塾から課題が出ていたとしても、自分でペースを立てて進められるお子さんばかりではありません。また、自宅だと学校や学習塾とは違い、遊ぶためのものがたくさんあるので、ついつい誘惑に負けてしまうことともあるでしょう。
そこで、学習のペースをつかむために利用してほしいのが「ネット自習室」です。これは簡単に言うと、自分が勉強している姿(手元だけです)を特定のサイトから見られるようにするシステムです。他の人が勉強している姿を見ていると励みになるということで、もともとは大学受験生や資格試験受験生の間で広まりました。しかし、新型コロナウイルス感染症が流行し、全国で休校になる学校が学習塾が相次いだことで、小中学生の間でも、徐々に使う人が増えています。
ネット自習室の中で、小中学生のユーザーも多く存在するのが「まなぶテラス」です。
利用上の流れは「手元をカメラで写して、その日の学習目標を皆に宣言して、勉強を始める」ことだけなので、慣れればすぐに使えるでしょう。
なお、勉強をしている部屋の音は、マイクが自動的にミュートに設定されるため、漏れないので安心です。
2-2.N高「N予備校」
大手出版社の角川書店の子会社であるドワンゴが運営するネット制の高校が「N高」です。授業はオンライン主体で進められますが、所定の単位を取得すれば、高校卒業資格も得られます。そのN高が提供している学習支援コンテンツが「N予備校」です。教材・オンライン講義の視聴・質問が全部1つのアプリでできるので、いつでもどこでも勉強ができます。
通常は月額利用料として1,000円かかりますが、今回の新型コロナウイルス感染症を受けて、2020年3月1日から無料公開に踏み切りました。大学受験を控えているお子さんなら、ペースをつかむために一度無料登録してもいいかしれません。
https://nnn.ed.jp/news/blog/archives/10023.html
2-3.Z会
もともとは、難関大学受験向けの通信教育講座を運営していることで有名なZ会(増進会)。
今回の新型コロナウイルス感染症による休校措置を受けて、早い段階から小中高生向けの自宅学習向けコンテンツを無償で公開してきました。2020年5月6日までは無料で公開しますが、その後については情勢を見て決めるとのことです。
小学校低学年向けの教材から、大学受験を見据えた教材まで、あらゆる学年に対応できるコンテンツが公開されています。また、プログラミングの基礎を学ぶための教材も公開されているので、お父さんやお母さんの仕事が休みの日に、一緒に取り組んでみるのもおすすめです。
https://www.zkai.co.jp/z-homestudy/
3.出前、料理系のサービス
お子さんの学校が休校になったり、お母さん・お父さんが在宅勤務をしたりするようになると、案外困るのが「家での食事をどうするか」です。もちろん、節約や栄養の観点からは、手作りするのが一番ですが、時間がないときは持ち帰りに頼ったり、家事代行の人に作りに来てもらったりするのも選択肢の1つとしてとらえましょう。また、筆者の周囲では、あらかじめ必要な材料がカットされて届くミールキットを注文する人も多いです。そこでここでは
- レシピサイト
- 家事代行サービス
- 持ち帰りサービス
- ミールキット販売サービス
について紹介しましょう。
3-1.クックパッド
2020年4月現在、掲載レシピ数は326万にものぼる日本でも最大級のレシピサイトです。学校の長期休校に合わせて「負担軽減お助けレシピ」をまとめるなど、使いやすさにも配慮したアップデートを行っています。冷蔵庫の中にある食材で検索すると、その食材を使ったレシピも探せるので、材料の使い切りという意味でもおすすめです。
3-2.タスカジ
登録制の家事代行マッチングサイトです。2020年4月現在、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県でサービスを展開しています。自宅の最寄り駅を設定すれば、その駅まで訪問範囲に入れてくれている家事代行スタッフを探せます。作り置きのおかずを作ってもらうのはもちろん、テレワーク中にお子さんの面倒を見てもらうのを頼むこともできるので「ちょっと今日は大事な会議をしないといけなくて……」というときは、ぜひ活用してみてください。
3-3.ベアーズ
こちらも、先ほどのタスカジと同じく、家事代行サービスを提供しています。営業エリアがタスカジに比べて広いのが特徴です。北海道、福岡、名古屋エリアでもサービスが利用できます。「ギフト」という名称で、相手の家にスタッフさんが来てもらえるようにするパッケージ商品も扱っています。「誕生日プレゼントを渡したかったけど、今はそんな時期じゃないかも」というお友達がいたら、一風変わったプレゼントにするのもいいかもしれません。
3-4.EPARKテイクアウト
サービス名に「テイクアウト」とあるように、持ち帰りができる飲食店を紹介したサイトです。サイト上から申し込むことで、希望するお店のメニューを、希望した時間に持ち帰ることができます。「持ち帰りは使いたいけど、お店で待たされるのがどうも…」という人は、ぜひ活用してみてください。
3-5.ヨシケイ
1970年代からミールキットの販売を手掛けている、業界でも老舗の企業の1つです。さばの味噌煮などの和食を中心としたミールキットはもちろん、Instagramに登場するようなおしゃれなレシピを作れるミールキットや、健康に配慮した薄味減塩のミールキットなど、その家の食事の事情に合わせて選べます。
http://yoshikei-dvlp.co.jp/cutmeal/
さいごに
最後に、新型コロナウイルス感染症に関する情報を収集する上で、最も大切な心構えについて触れておきましょう。日本を含め、世界のどの国でも経験したことがないような大規模な感染症であるが故に、根拠のないデマも含め、情報が錯綜しているのが事実です。情報を収集する際は
・ 厚生労働省のホームページ
・ お住まいの都道府県や市区町村のホームページ
などをまずはチェックしましょう。新型コロナウイルス感染症に実際に感染した人がTwitterなどのSNSで発信を行っていますが、「症状がでるとどうなってしまうのか」を知る上では大切な情報になるはずです。逆にやってはいけないのは「コロナに効く」などの触れ込みで販売されているサプリメントや健康食品に手を出すことでしょう。免疫力が落ちてしまうと、新型コロナウイルス感染症に限らず、病気は悪化しがちです。まずは、家族全員、睡眠と食事、手洗いとうがいに気を付けて、元気で乗り切ることを考えましょう。