今はデジタルツールを使った意思疎通のやり取りが増えてきているとはいえ、仕事中に会話することがなくなったわけではありませんよね。同僚、上司、顧客、取引先など、会話によって意思疎通を図る機会は多々あります。電話などもそうですよね。
この仕事中の会話ですが、言葉のチョイスを気をつけないと思わぬ誤解を生む恐れがあります。しかも「言ったほうはそれほど記憶に残っていないのに言われたほうがよく覚えている」そういうケースは頻繁にあるので注意が必要です。
ではどんな言葉のチョイスを心がければいいのか、よく意識しておきたいことについてこれから説明します。
「絶対」はリスキーな言葉なので使わない
仕事中の会話でリスキーなのは「絶対」という言葉です。「どんな物事にも絶対はない」という哲学的な考え方はもちろんそうですし、仕事で絶対を使ってしまうとそれが覆った時の反動が非常に大きくなってしまいます。
たとえば「絶対に成功させてみせます」と豪語した仕事が失敗に終わってしまったら、絶対と言っている分だけダメージが大きくなってしまいます。信用は失墜してしまいますし、大言壮語だととられえられてもしかたありません。
また「絶対に落ち度はありません」と顧客に説明していたのに結果的に落ち度があったら、顧客から「いったいどう責任を取ってくれるのですか」と厳しく追及されてしまうのが目に見えています。
どんなに仕事で自信があっても、絶対という言葉を使ってしまうのはとてもリスキーです。
失敗を恐れて及び腰になるのはよくないですし、あいまいな言葉でごまかすのも当然避けないといけません。ですが「絶対」という言葉を使ってしまったら、逃げ道がどこにもなくなってしまいます。
仕事に目一杯取り組むのなら「粉骨砕身でやらせていただきます」という言い回しがあるなど、絶対という言葉を使わずに表現する言い回しはいくらでもあります。もしも顧客対応をするなら「誠心誠意対応させていただきます」と言えば反感を買いにくくなります。
同じような意味でも、絶対という言葉を使わないほうが丸く収まりやすいのです。
「でも」「いや」「しかし」など否定の言葉から会話に入るのは避ける
仕事中の会話でついつい相手の意見を否定するような言葉を使ってしまう人は、むやみやたらと使わないように気をつけないといけません。相手の言っている内容が本当に間違っていてはっきり否定しないと誤解を生みかねないのなら、否定しても構わないです。
しかし誤解を解くことを優先させたほうがいい場合も、時にはあります。
ですが、「でも」「いや」「しかし」の言葉から会話してしまうとどうしても相手に少なからずショックを与えてしまうので、使わないほうが会話を円滑に進められます。
特に気をつけたいのは、単に相槌感覚でこれらの否定的な言葉を使ってしまっているパターンです。否定しているつもりはないのに相手には否定されたと思わせてしまうので、百害あって一利なしです。
仮に顧客に対して「でも」「いや」「しかし」で返してしまったら、顧客は不快に思います。
そんな時は「そうですね」「おっしゃる通りです」「さようでございます」など、肯定の言葉で相手の意見を聞き入れつつこちらの考えを話し始めるのが、無用な軋轢を生まないための言葉のチョイスです。
たとえ思っていなくても、言葉を放ってしまえば言葉通りに人はとらえてしまうので、否定的な言葉は仕事中に極力使わないほうが身のためです。
同じ言葉を2回連続で言うのは印象が悪いので控える
誰かの話を聞いている時に「はい、はい」「わかった、わかった」「確かに、確かに」と同じ言葉を2回連続で言うのは、印象が悪いので控えたほうが無難です。なぜなら2回繰り返してしまうと適当にあしらっているよう相手には聞こえてしまうからです。
例えば、部下から報告を受けて「うん、わかった」と言えば了解したことが伝わりますが、「わかった、わかった」だとそれ以上聞きたくないと思っているかのように伝わってしまいます。
本当はそういうつもりではなくても、部下に「あれ?」と思わせてしまうかもしれません。このような同じ言葉を2回連続で言うのが口癖になっていたりすると良くないので、2回連続で言わないように注意しないといけません。
特に上司が部下の話をあまり本気で聞いていない時は、このような同じ言葉を2回連続で言う言い方をしてしまいがちなので気をつけたほうが良いでしょう。部下から「私の話をきちんと聞いているのかな」と不信感を持たれてしまいかねないし、1回の言葉で終わらせないと部下に真意が伝わらないこともあります。
使う言葉や言い方で伝わり方は大きく異なる
言葉とは非常に不思議なもので、使う言葉や言い方で伝わり方が大きく異ってしまうことがあります。使う言葉のチョイスを間違えたら、意図していない伝わり方をしてしまうかもしれません。
最悪の場合、言葉による誤解が人間関係の亀裂につながりかねませんので、よく気をつけて言葉は選ぶ必要があります。絶対や否定の言葉は使わない、同じ言葉を2回連続で言わないなど特に気をつけ、正しい言葉をなるべく使っていきましょう。