リーダーシップの基本は「聞く」こと
ほとんどの日本の企業では、何の準備や教育も受けないまま、いきなり「リーダー」になることが多いのが実情です。
突然ある日何人かの部下ができ、その人たちを指導し、教育し、指示を与え、時には叱らなければならなくなります。
しかし、そういうスキルは教えてもらっていないので、多くの人は見よう見まねで「リーダーシップ」を発揮しようとし、柄でもないので「カリスマ」を演じようとしてみたりして、あえなく失敗し、時にはそれで精神を病んでしまったりします。
「リーダーシップ」とは「人柄」ではなく「技術(スキル)」
そういう人たちにまず知ってもらいたいのは、「リーダーシップ」とは「人柄」ではなく「技術(スキル)」だということです。
リーダーというと、たとえば織田信長を思い出したり、現在では孫正義氏を思い出したりして、その通りに振舞おうとしたりしますが、それが大きな間違いです。彼らのような「カリスマ」にはなろうとしてもなれません。
しかし、そうはなれなくても「リーダーシップ」の目的は「部下の行動を変えて、成果につなげる」ことですので、あるスキルさえ身につければ、一定の成果を挙げることは可能なのです。
そのスキルは一言で言ってしまうと「聞く」スキルです。
「聞く」スキル
え、命令するスキルじゃないの?と驚く人もいるかもしれませんが、誰でも、自分のいうことに耳を傾けてくれる人のことは信頼し、その人のいうことを聞こうと思います。
したがって、カリスマにはなれなくても、人の話を聞くことでリーダーシップは発揮することができるのです。
その聞くスキルですが、これはいくつかの具体的な方法によって構成されています。
そのいくつかの基本的なものを紹介しましょう。
相づち
1つは、「相づち」です。
相手が話をしていたら、その継ぎ目継ぎ目で、「などほど!」「それで?」という相づちを、「心をこめて」言いましょう。この心を込めて、というのが実は大切で、これがないとおざなりに聞いているな、という印象が相手に残ってしまい、逆効果になります。しっかりと相づちを打ちましょう。
おうむ返し
2つめは、「おうむ返し」です。
相手が話している内容を、自分なりにまとめ相手にフィードバックする、ということです。これをすると相手は、「この人はちゃんと自分の話を聞き、気持ちに共感してくれているな」と思ってくれます。ただしこれにも注意点があります。「要するに」という言葉を使わないことです。「君の話は要するにこういうことだな」と言ってしまうと、「君の話は長いばかりでポイントを突いていない」という批評をしていると相手に伝わってしまいます。
聞く姿勢
3つめは聞く姿勢です。
相手の話を聞くときには、まず腕組みは厳禁です。
これは「相手の話を評価する」というボディランゲージですから、相手は素直に話をすることができません。
足を組むのもNGです。きちんと、相手に対面し、できれば前傾姿勢になって全身で相手の話を聞いている、というつもりになりましょう。
最後に
以上のような「聞く」スキルの基本を身につけるだけで、「あの人は話をよく聞いて判断してくれるよい上司だ」と思ってもらえ、それによって、相手はあなたの指示をしっかりと聞き、従ってくれるようになるはずです。ぜひ実行してみてください。