仕事のチームでリーダーに任命されたら、否が応でも責任を感じてしまうでしょう。特にリーダーの経験が浅い場合は、どんなリーダーになればいいのかわからなくて悩みがちです。みんなの先頭に立ってチームを引っ張れるリーダーになれるだろうかと、不安を抱えてしまうのもしかたありません。
ですが「先頭に立ってチームを引っ張るリーダー像」は、やや時代遅れになっていると知っているでしょうか。
今はワンマンでチームをグイグイと引っ張ろうとするリーダーよりも、他のメンバーと一緒になってともに仕事に取り組むリーダーの方が歓迎されやすいのです。
そこで現代にマッチした新しいリーダー像を提唱していきます。
チームのメンバーとなるべく近い距離で接する
昔ながらのリーダー像といえば、どこか孤独なイメージがありますよね。
メンバーとは軽々しく馴れ合わない、立場をわきまえて行動する孤高のリーダーです。メンバーとは一線を画していることが威厳となり、統率力が高まるケースは確かにありました。
ですが時代は変わり、もっとフレンドリーに接するリーダー像が現代は求められています。
これは若い人が、人間関係を過敏に気にするようになったからかもしれません。疎外感のあるリーダーよりも、親近感のあるリーダーのほうがついていきやすいのです。
リーダーである以上メンバーとまったく同じ立場というわけにはないものの、同じ立場だと感じさせるような振舞いをするリーダーのほうがメンバーから慕われやすいものです。リーダーも含めたチームワークのよさが生まれれば、仕事の業績も上がりやすくなるでしょう。
リーダーだからと言ってふんぞり返って顎で指示をしたり、プライドが高過ぎてメンバーと良好なコミュニケーションがとれないようでは、残念ながらリーダー失格と言えます。リーダーに任命されても気負うことなく、チームのメンバーとなるべく近い距離で接することを心がけるとリーダーとして慕われやすくなります。
感情を包み隠さず表現して人間味を出す
寡黙で多くを語らないリーダーもいますが、現代はどちらかといえばおとなしいリーダーよりも喜怒哀楽をはっきりと出していく人間味あるリーダーが求められています。チームのメンバーはリーダーがどういう人なのかわからないと、何を考えているのか読めなくて疑心暗鬼になってしまいます。
そうなってしまうと最悪の場合リーダーへの不信につながりかねないので、誤解を招かないように気をつけなければいけません。
もしもムスッと難しい顔をして仕事に取り組んでいたら、それだけでチームに不満を持っていると誤解されてしまう可能性があります。本当はそう思っていなくても、メンバーにマイナスな印象を与えてしまえばチームの士気は低下します。
なのでチームの状態を良くしたいのならば、感情を包み隠さず表現してなるべく人間味を出すようにしましょう。人間味を出すのは恥ずかしいと感じるとしても、「こういう性格の人なんだ」とわかると安心するのが人間というものです。
リーダーとして選ばれた以上、メンバーから信用されないといけません。そのためには感情表現しないで謎めいたままの印象にせず、感情をどんどん出してどういう人なのかわかってもらうように努めることが重要です。
切り替えの早さを意識してメンバーをまとめる
現代のリーダー像で大事なのは切り替えの早さです。
メンバーと近い距離で接しつつも、仕事にはすぐ切り替えて徹することができれば、信頼をより一層深められます。
この切り替えの早さは、リーダーとしてメンバーを注意したり叱咤しなければいけない場面でも役立ちます。メンバーを注意したり叱咤したりするのは、リーダーならではの損な役回りに他なりません。
ただそれだけに、いつまでも引きずってしまう態度を取るのはよくありません。ビシッと注意したり叱咤したらあとはもう切り替えて意識を次に向けるようにしましょう。その切り替えの早さがあればメンバーも後には引きずりません。それでいてメンバーは言われたことはしっかり反省できますから、仕事にも十分活かされます。
いかにフレンドリーさを求められる現代のリーダーといえども、甘い部分だけしかないのでは通用しなくなってきます。メンバーの士気が低下し、弛緩した雰囲気になってしまいかねません。それではリーダーとしてメンバーをまとめられているとは言えないので、切り替えの早さをよく意識してメンバーをしっかりまとめることが現代のリーダーに求められている能力です。
今の時代に適したリーダーになろう
仕事に携わる人にとってリーダーを任されるのはとても名誉なことですが、リーダとしての務めを果たすのは決して簡単なことではありません。メンバーの先頭に立ってグイグイ引っ張ればいいのかと考えたくなりますが、今の時代はそのやり方だと空回りする恐れがあります。
メンバー個々の性格にもよりますが近い距離で接して感情表現を隠さないのが、リーダーとして成功しやすいです。あとは切り替えの早さを意識し、メリハリのあるまとめ方をすればチームの結束力は高まりやすくなるでしょう。