『読書』というワードを聞いただけでも抵抗を感じる人もいるのではないでしょうか。
私自身も26歳まで全く本を読む人間ではありませんでした。26歳以前で読んだ本で思い出せるのはハリー・ポッターくらいです。なので自分は本を読むのが苦手だと思っていたし、本屋に行っても書籍コーナーなどは完全スルーで漫画コーナーに一直線でした。
しかしある時点で読書の大切さに気づき、本を読むようになりました。
なぜ本を読むことが大切なのか?というと、結局人は一人で何かを解決することはできません。
「悩み」とは、自分の頭では解決策を知らないことを自分で解決しようとすることから始まります。
算数知らない子供に数学が解けないのと同じように、自分だけの知識のパーツで問題を解決できないのであれば他人の知識のパーツを借りてくる必要があります。
そしてついに本を読むようになるのですが、何冊もの本を読んでいると「意味のある読書」と「意味のない読書」というのが分かってくるようになります。
この記事では、読書を自分の人生レベルで活用する方法についてご紹介します。
早く本が読めても意味がない
まず読書を初めて一番最初に引っかかるのが”速読という罠”です。
読書慣れしていない人からすると『読書』と聞くと何となくめんどくさいイメージがあると思います。
というのも、私たちにとって『読書』という言葉は、学校で”強制的にやらされるつまらないもの”というイメージが結び付いているからです。
もちろんもともと自発的に読書をする人であればそんなイメージではないかもしれませんが、学校の図書館が毎日ギュウギュウに混雑していたか?と言われればそなんことはないでしょう。
それは『読書』=『勉強』=『つまらないもの』という無意識の結びつきができているからでしょう。
そうすると「時間をかけずにパッと本を読みたい!」と思うようになります。
それを表すように巷では「1日で〇〇冊読めるようになる速読術!」などの本が流行っています。
結論からいうと、中身が入ってこないなら本を早く読めることに何の意味もありません!
「読んだつもり」になって本を読むことは、ある種何も身についてないのにお金と時間だけが出ていってしまう危険な方法です。うる覚えの知識で他人に何か教えようとしても信用を得られるどころか「この人表面的なことしか知らないな…。」と不信感になります。
本を人生に活用するには”読んだ本の数”は関係ないということです。
読書は最初で9割が決まる
じゃあどうやって本を読めばいいのか?というと、実際には本を読む前にあることをする必要があります。
それは『自分は今何を知りたいのか?』ということを自分で知っておくことです。
というのも、本のタイトルは出版する側が”目立つタイトル”にしています。
例えば「1日10分で身につく速読術!」というタイトルの本があったとしましょう。
これはコピーライティング業界では常套手段で、「簡単ですよ。すぐに身につきますよ。」とアピールするようなタイトルです。
つまり、人間の「楽(ラク)したい」という欲求を刺激して、購入させるということです。
こういうようなタイトルに引っかかってしまったケースは私も何度もあります。
書いていることもチンプンカンプンで、再現性のないものばかり。
一方で『自分は今何を知りたいのか?』を知っていると、変なタイトルに騙されることはありません。
しかも、自分が何を求めているのか?ということを知っているので、本に書いてある内容がスルスル入ってくるのです。
人間の脳みそは、自分の好奇心にピッタリ合う情報をスルスルと吸収する力があります。
例えば社会人に『高校受験の攻略法』という本を読ませても読んでいる途中に集中力が散漫になるでしょう。だって受験生ではないから興味がないからです。
逆に自分が興味があるものであれば自然と無理なく意識は集中します。
「読まなければいけない」ではなく「読みたい!」という状態になるということですね。
闇雲に本を選ぶのではなく、本を選ぶ前に『自分は今何を知りたいのか?』ということを理解するところから効率のいい本選びが始まります。
本の内容を自分のものにするには
自分の興味のある知識を本で仕入れたら、それを実際に自分のものにしていくステップに入ります。
じゃあ、『知識を自分のものにできた!』という状態はどういう状態か?
というと、実体験レベルで本に書いていることを”体験したか”ということが大切です。
知識を自分のものにできているかどうかを確認する方法としては他人にその知識を話してみることです。
そこで「?らしいよ」というように、伝聞(他人から聞いたことを述べる言い方)になっていれば、まだ自分の中には腑に落ちていないということです。
私自身も文書を書く仕事をしていて実感しているのですが、体験ベースのことを文章にするのと、”知っているだけ”のことを文章にするのでは、自分から出てくる言葉のリアリティに雲泥の差があります。
なので、本を読んで知識を得たら、次に考えるべきなのは「どうやって実行レベルに持っていくか?」ということです。
今回の記事内容で例えるなら
・タイトルに惹かれて買った本
・自分が知りたいことについて書いてある本
の2つの本を用意して読んでみてください。
絶対に後者の『自分が知りたいことについて書いてある本』の方がスラスラ読めるし、読んだ後も覚えているはずです。それを実感すればタイトルに騙されることはなくなるだろうし、早く本を読むだけの速読術などには興味がなくなるはずです。
まとめ
キチンとした読書の方法を知り、本の知識を自分の人生に生かすことができるようになると、だんだんと『ためになる本』と『役に立たない本』の2種類がわかるようになってきます。
本を書いている人の中にも、学者の研究結果を引用しているだけで、自分では実践していないのにただ「こうすれば〇〇が身につきます」とさも自分が体験しているように書いている人もいます。
本当に実践している人の文章から伝わってくるリアリティは、実践している人の文章とは全く違うので、そういった意味でも自分が本を読むときは
・自分が知りたいことについて書いてある本を選ぶ
・知識を暗記するのではなく、試してみて体感する
という2つのステップを実践してみてください。これを繰り返すことで読書のセンスが磨かれていきます。