職場での人間関係に困っていたり、コミュニケーションの取り方について困っているという話をよく聞きます。
離職理由もホンネとタテマエはあると思いますが、ほぼ人間関係に集約されるのではないでしょうか。
数年前に大ヒットしたアドラー心理学でも「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」と言い切っているくらいですし、企業が採用したい人材要件では「コミュニケーション能力が高い人材」が今なお根強い人気です。
そこで今回は、人間関係に困っている人や、人間関係を円滑にしたい方向けに、どのようなコミュニケーションを取ると良くなるのか紹介していきます。
<3つのK>
3つの「K」とは、「観察」「傾聴」「共感」を指します。
観察する
良質なコミュニケーションを取るにははまず相手を「観察」することから入ります。
どういうことかというと、相手のことを良く観察しておかないと変化に気づかないからです。
例えば、会話の途中で相手の表情や態度や声に変化があったとしても、観察をしていなければ気づくことができません。
きちんと観察をしていれば、自分の話に納得していれば頷くでしょうし、納得していなければ首を傾げたり眉間にシワがよったり、腕を組み始めるかもしれません。
コミュ力がイマイチ低いと言われる人は相手を観察しておらず、一方的に話してばかりの人が多かったりしますよね。
きちんとアイコンタクトを取りながら、相手の変化を観察するように気をつけましょう。
傾聴する
「話し上手は聞き上手」という言葉があるように、人の話を聞くことはコミュニケーションを円滑に保つためには必須の要素です。
それも「ただ話を聞いている」レベルではなく相手の立場に立って、親身に耳を傾けて聴くレベルでないと傾聴できているとは言えないでしょう。
以下、傾聴が出来ているかの簡単なチェック項目です。
- ちゃんと目を見つめていますか?
- 話を最後まで遮らずに聴いていますか?
- 身体を相手に向けて話を聴いていますか?
- 相槌を打ったり、相手の話に反応していますか?
一度ビデオ撮影して見てみると分かりますが、こんな当たり前と思っていることでも、ビックリするほど出来ていません。
傾聴スキルを身につけると、相手がドンドン本音を話したくなるので是非身につけたいスキルだと言えます。
よければこちらの記事も参考にして見てくだだい。
共感する
どれほど頭がキレる人でも、共感力が低いとコミュニケーションに苦しむことになるでしょう。
それはもしあなたが共感力が低いと、「この人には何を言っても分かってもらえない」と相手から思われてしまうからです。
その結果、相手はあなたのことを避けることになるでしょう。
共感力を鍛え相手が「この人は分かってくれる」という思いになれば、それは信頼にも繋がります。
共感力を鍛える方法として、有効なことは先に挙げた「傾聴する」スキルと、オウム返しが有効です。
一般的には女性のほうが共感力は高いと言われていますので、もしあなたが男性であれば、共感力の高い女性を観察することをオススメします。
<3つのS>
3つの「S」とは、「尊重」「承認」「賞賛」を指します。
尊重する
相手を尊重することはコミュニケーションを円滑に保つためにも大切なことです。
相手の立場や思いを蔑ろにしても、決して良いコミュニケーションが取れることはありません。
例えば、よくある話で何か話し合いの結果、自分と意見が真っ向から違った場合に、相手とケンカをするのではなくて相手の意見とケンカをすること。
意見と人格は違うのだから、そのような自分と違う意見を持つ相手は尊重するようにしましょう。
承認する
誰でも持っているのが承認欲求です。
承認欲求とは簡単に言うと、「みんなに認められたい。重要な存在でありたい」という思いです。
デール・カーネギーの名著「人を動かす」の中でも一貫して伝えていることが、相手を承認し、相手の自己重要感を満たすことがとても大事だと説いています。
大物とアポイントを取る時のエピソードとして、「自分がいかに凄いか」を書くのではなく「あなたのことを大変尊敬しています」という内容を中心に書き、最後にアポイントのお願いをサラッと書くことで会える確率は向上したそうです。
つまり、このエピソードからも分かるように、相手に認められるように振る舞うことが先ではなく、先に相手を認めたほうが円滑なコミュニケーションを築きやすいということですね。
賞賛する
褒められて嫌な気分になる人はいないはず。それがお世辞であったとしても、何か裏に機嫌取りのような意図を感じたとしても、褒められることはやっぱり嬉しいものです。
それであるならば、コミュニケーションを円滑にするためにも賞賛はガンガンしていきましょう。
賞賛するためのフレームワークで有名なものとして「さしすせその法則」というものがあります。
詳しくはコチラをご覧ください。
さ…さすがですね
「さすが●●さんですね!それでその後はどうなったんですか?詳しく教えてください!」
し…知らなかったです
「それは知らなかったです!詳しく教えてください!」
す…すごいですね
「それはすごいですね!もっと詳しく教えてください!」
せ…センスが良いですね
「センスが良いですね!どうやったらそんなセンスが身に付けられるんですか?詳しく教えてください!」
そ…そうなんですか、そうだったんですか
「そうだったんですか!それでその後はどうなったんですか?詳しく教えてください!」
最後に
コミュニケーションを円滑にして人間関係を良化させたいのであれば、まず自分から率先して与えることがとても重要です。
人は心理的特性として、「返報性の法則」といって、与えられたものはお返ししなければという心理作用が働くため、今回紹介したことを実践することできっと自分にもリターンが返ってくることでしょう。
普段から観察をしてくれていて、相手の話に傾聴し、共感してくれる。さらにあなたのことを尊重し、承認してくれて賞賛してくれる。
そんな人が目の前に居たらどう思います?
大好きになること間違いないですよね!
人間関係も自分のアクション次第で引き寄せられますので是非実践を。