「この人、仕事がそんなにできるわけじゃないけどなんか人脈多いよな〜」と思う人っていませんか?
それってある種の才能だと感じることもあります。例えば愛嬌があったり、ちょっと憎めないダメさがあったり。
これって意識的に真似しようと思っても逆にワザとらしくなってしまいますよね。
この記事では、人が無意識に使っている『言葉』というものにフォーカスして、言葉が相手に与える印象と、言葉を意図的にコントロールして人間関係を上手く構築していくコツをご紹介していきます。
つまり、人が好感を持てるような言葉を使うということですね。
ポイントは言葉は無意識に使っているというところです。ほとんどの人が当たり前に使っている『言葉』について深く理解できると違った世界が見えてくるでしょう。
言葉を発する前に…
「言葉は無意識に使っている」と言いましたが、じゃあ「言葉を発する前に好感を持たれるような言葉を選べばいいのか?」というと、そうではありません。
まず意識するのは言葉ではなく、出来事に対する『解釈』です。
ちょっとわかりづらいと思うのでイメージで例えてみましょう。
例えばあなたがコップに入った水を飲んでいるとします。
水を飲んでいるときに手を滑らせて水をこぼしたとします。
水をこぼしたことによって服が濡れてしまいました。
この時あなたならどんな言葉を発するでしょうか。
一般的には
・「うわ〜…最悪」
・「まじか〜(笑)」
・「ついてね〜…。」
色々思い浮かぶかもしれません。
でこの表現って、「水をこぼしたことはマイナスなこと」という『解釈』が前提になっていますよね。
「え?そんなのあたり前でしょ。」と思うかもしれませんが、たとえば
・「水でよかった〜。ジュースとかだったらベトベトだったよ〜」
・「水ならシミにならないからよかった〜。」
・「コップ割れなくてよかった〜」
という風に、「水はこぼしたけどプラスな面もある」という『解釈』ができます。
要するに何が言いたいのかというと、マイナスとプラスの『解釈』があり、どう解釈するかによって、出てくる言葉の質が違うものになるということです。
マイナスな解釈をすればマイナスな言葉しか出てこないですし、それが結果的に愚痴のような言葉になって、目の前の人を不快にすることがあります。
可愛がられる人って、ポジティブな人が多いと思いませんか?
一見マイナスなことが起こっても、それを笑いに変えようとしていたりするので、周りを和ませることができます。
つまり言葉を発する前に大切なのは、出来事をどう捉えるか?というか『解釈』なのです。
解釈によって出てくる言葉が違い、その結果として相手に与える印象が違ってくるということです。
言葉を発する前の3つの要素
言葉に関してかなり深掘りしていて「論理的すぎ!」と思うかもしれませんが、これを知ると言葉の面白さがわかってくるのでもう少し読んでもらえればと思います。
人が日常的に生きていると気づかないことですが、人が相手に何かを伝えようとするとき3つの要素があります。
1.出来事
2.解釈
3.表現
この3つの要素を”自分の世界観”で相手に伝えるときに使うのが『言葉』です。
例えばさっきの水が入ったコップをこぼしたというものをこの3つの要素に当てはめてみましょう。
まずはネガティブな言葉の場合です。
1.出来事=水をこぼした
2.解釈=マイナスの解釈
3.表現=「最悪…。」
次はポジティブな言葉の場合です。
1.出来事=水をこぼした
2.解釈=プラスの解釈
3.表現=「水でよかった」
これをみてわかる通り、これってどっちが正解か不正解かってないですよね。出来事は同じでも、その人がその出来事をどう捉えるか?どう表現するか?で、相手に伝わるものは違うものになります。
まずは『解釈』、次に『表現』
あなたも日常的に生きているとわかると思いますが、ネガティブな人ってあまり一緒にいたくないですよね。もちろん人間なのでネガティブになることはありますが、あまりにもネガティブすぎて相手にグチグチ言っていると「この人、ちょっと一緒にいたくないな…。」と思うでしょう。
人間には思考回路があって、ネガティブな人は意識的にネガティブになろうとしているのではなくて、ネガティブな思考回路が発達しているのです。なので何か出来事が起こったとき、無意識に出来事をネガティブに解釈する”癖(くせ)”がついてしまっているんですね。
実は私自身もそうでした。
ネガティブな思考回路が発達していると、相手に伝える言葉がネガティブになるどころか、人生もなんだか楽しくなくなってきます。
もちろん異常にポジティブになったり、ハイテンションになる必要はないですが、もし自分が「ネガティブな言葉を多く使うな〜」と思うのであれば、まずは±0の解釈をしましょう。
つまりマイナスでもプラスでもない、出来事をフラットに解釈するということです。
例えば上司に叱られた後に「あの上司ムカつくんだけど!」というのではなく「まあ、叱られることもあるよね」という感じです。マイナスからプラスマイナスへ、プラスマイナスゼロになったらプラスへ。と解釈の幅を広げていくのが現実的かと思います。
そして『解釈』を改善した次は『表現』です。
わかりやすい例でいうと、上司に美味しいものを奢ってもらったとします。
・「これまあまあイケますね。」
・「これめっちゃ美味しいです!」
・「自分が好きなお店より、こっちのお店の方が断然美味しい!!」
などなど、「美味しい」という表現でもいろいろありますよね。どう表現するかだけでも、相手に与える印象って全然違うでしょう。
人付き合いが上手い人って、解釈もそうですが、一番上手いのは『表現』です。ぜひ意識的に相手にいい印象を与える表現を自分で考えて使ってみてください。
まとめ
言葉って誰でも当たり前のように使えるので、あまり意識されないですが、このように細かくみていくとかなり奥深いことがわかりますよね。
私自身もライターなので言葉に関してはいまだに勉強している部分があり、常々「言葉っておもしろいな〜」と感じています。
言葉を反射的に発するのではなく、意図的にコントロールできるようになれば人間関係も意図的に円滑にできるようになるので日常的に実験しながらコミュニケーションを楽しんでみてください。