はじめに
会社で財務会計や経理というと、いつも帳簿とにらめっこをしていたり、細かいお金の計算をしている「暗い職場」というイメージがあります。
しかし経理は会社の業績や経費の出入りを全て把握できる非常に興味深い部署であり、それだけに他の部門とは違ったスキルが必用とされます。
会社で経理に所属する際に役立つスキルにはどの様なものがあるのでしょうか。
記憶力が勝負
経理として仕事をする為には、細かい記憶力が最も重要になります。
取引や支払いに関しては、何百件あっても少なくとも過去3か月分までは記憶しているスキルがあれば大変有利です。
何か問題がありそうな取引に関しては会社名や内容を言われた時に瞬時に「あの伝票だ」と思い出し、さかのぼって調べることができます。
支払いに関しては他部署や他の会社から問い合わせが多いので、すぐにピン!とくればそれだけ問題の解決も早まると言って良いでしょう。
問題があった処理や支払いに関して記憶しておけば、次に同じ様な事例があった時にすぐに対処ができて、支払いをする以前にトラブルを回避することができます。
先の状況を予測するスキル
実は企業会計で重視されるのは毎日の金銭の出入りではありません。
経営者レベルになると、決算期にどれ位の利益が出るかという「予測」が重要視されるのです。
今日の支払いよりも3か月先、半年先、決算期の経営状態を予測することが大切で、その為には「財務分析」をするスペシャリストのいる企業もあります
経理の仕事を極めるのならば「財務分析」を目指すと良く、会社によっては優遇されて給与も高くなります。
常に先の予測を立てて、大体幾ら位必要かということを考えながら仕事をしていきましょう。
単純作業をするスキル
経理として仕事をする上で、差額の追及をすることもあります。
経理が一番嫌われるのは「1円合わなくても帰れない」と言われている部分ですが、現金勘定でもない限りは小さな差額は「雑損処理」されることが多いので心配は要りません。
但し「原因がない差額はあり得ない」と心得ておくことが大切です。
明細票を見た時に、ぱっと見て「明らかにおかしい」数字を発見できるスキルを身に付けましょう。
いざとなったら「これが原因ではないか」という仮定を立て、単純作業で差額を割り出すスキルも必要です。
一つ一つ数字を消し込んでいく細かい作業になりますが、必ず原因があるという信念を持ってやり遂げましょう。
コミュニケーションスキル
経理部の人は愛想がない、と思われているものですが、実は経理こそコミュニケーションスキルが必用なのです。
特に大きな支払いや入金がある時には銀行残高が動く為に、キャッシュフローなど予測を立てる部門には少なからずインパクトがあります。
支払いが大きければ資金繰りが必要となり、入金が大きければ本社に送金したり、財テクに回すことができます。
経理を担当するならば、より営業職の人とはコミュニケーションを密にとり、大きな金額が動く予定があれば速やかに情報を入手しておきましょう。
終わりに
経理の仕事をしていく上では、常に会社全体が今どの様な状況であるのかを知っておく必要があります。
自分が担当する勘定だけではなく、帳簿残高を見て現状を把握できるスキルを身に付ければ、よりキャリアアップのチャンスもあります。
視野が狭い様で実は一番広い部門であると言えるのです。