リーダーシップ

権力にも勝る指導力、それがリーダーシップ!

リーダーシップとは人々をリードする力の意味として「指導力」とか「統率力」と言われるものであることは周知の事実ですが、その力は「権力(パワー)」とは別なものであると理解すべきでしょう。

人々を統率し自分の意図する方向へ導くのに最も簡単な方法は権力を持つ事かも知れませんが、リーダーシップを有さない者が権力でそれを行った場合の結果は、真のリーダーシップを発揮して行った場合の結果とは大きく異なる場合が多いのです。

権力(パワー)だけでリードすることのリスク

Irritated young businessman with megaphone screaming at hand showing stop gesture on chalkboard background. Protest concept優れたプレーヤーが組織集団のリーダーに抜擢されることはよくあることですが、優れたプレーヤーが必ずしも優れた「指導力」や「統率力」、即ち優れたリーダーシップを有しているとは限りません。

リーダーのレベルにもよりますが、もしもそれがマネジャーという立場であれば、それなりの権限が与えられるものです。
その権限の一つが命令権でありますが、その権力(パワー)を持ち、それを行使するには責任も伴いますので真のリーダーシップを有さないマネジャーが権力だけでそれを行うことには大きなリスクがあります。

それは、命令に対する合意形成(コンセンサス)が得られない可能性が高まるからと考えられます。
マネジャーが命令権というパワーを使って自分の意図する方向へ部下を向かわせることは出来ても、それに対するコンセンサスを命令で得ることは出来ないからです。

そして、その結果としてパワーハラスメントと捉えられるリスクが高まってしまうのです。

重要なのは合意形成(コンセンサス)のためのリーダーシップ

business people handshaking権力を有するマネジャーであっても命令で「合意しなさい!」と言ってコンセンサスを得ることは出来ないのですから、大きな権力を与えられていない小集団のグループリーダーなどが、自分の意図する方向へ仲間を導くための合意形成には優れたリーダーシップが欠かせません。

何故その方向へ向かわなければならないのか、そしてその方向に向かうことでどのような結果が期待出来るのか、などをきちんと説明した上で、そこへ向かう為の方法や注意点などを適切に指導することがグループリーダーにもマネジャーにも求められるのです。
そして、それらの活動の結果としてコンセンサスが得られるようになるのです。

物事をコンセンサスのないままネガティブな気持ちで行った場合の結果と、しっかりと合意してからポジティブな気持ちで行った場合の結果とでは当然差が現れるものです。

良い結果を得るために重要なことは権力ではなく、合意形成のためのリダーシップであると言っても過言ではないでしょう。

“コト”の指導を通して“人々”の指導へ

blankリーダーが「人々」をリードする人であることは言うまでもありませんが、そのリーダーに必要なリーダーシップ、即ち指導力の発揮には何等かの「コト」をリード出来る能力を持っていることが有利になります。

優れた野球のピッチャーがそのチームのリーダーとなった場合、バッティングという「コト」についての指導は出来なくても、ピッチングという「コト」については十分リードできる能力があるでしょう。
従って、その分野での指導を通して人を指導する方法やコツを会得することが出来、その経験が他の分野に生かせるようになるものです。

会社組織の中には、自分が専門とする分野の組織集団でのリーダー、複数の部門を統括するような組織のマネジャー、更には全社全部門をリードするトップマネジメントなど、様々なリーダーが存在しますが、トップマネジメントであっても全部門の「コト」についてリードできる能力が高い訳ではありません。

リーダーシップとは或る「コト」の指導を通して培ったノウハウを生かして「人々」の指導や合意形成を行える能力なのです。

優れたリーダーはやはり優れたプレーヤーであった人

Business team with arms raised and smiling優れたプレーヤーの全員が優れたリーダシップを有しているとは限りませんが、優れたリーダーはやはり優れたプレーヤーであった人が多いと言えるでしょう。

優れたプレーヤーはその分野(コト)での高い能力を有していますので、そのコトに対する指導力を備えていること、そしてその指導には合意形成が重要であることを理解している人が多いからです。

勿論優秀なプレーヤーの中にも合意形成が得意でなく、人を指導することが苦手な人もいますが、そういう人は「人々のリーダー」にすべきではなく、スペシャリストとして「コトのリーダー」を続けるべきなのでしょう。

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