スタートアップ、ベンチャーの定義
アメリカの「シリコンバレー」では「スタートアップ」投資においても「VC=ベンチャーキャピタル」求人を見ても「急成長ベンチャー」「スタートアップ企業」等々、日々の生活の中で「ベンチャー」「スタートアップ」という言葉をよく耳にすることも多いのではないでしょうか。
そもそも「ベンチャー」と「スタートアップ」って何?
設立何年まで?
どこからどこまでが当てはまるの?
今回は、その疑問についてお答えしようと思います。
そもそも「ベンチャー」って何だろう?
ベンチャーとは「ベンチャービジネス」の略であり、元法政大学総長であった日本ベンチャー学会、特別顧問の「清成忠男」らによって概念が創りだされた「和製英語」です。
つまり、日本独自の言葉なのですね。
英語圏では日本で言う「ベンチャー企業」は「startup company(スタートアップカンパニー)」と呼び、その略語として「startup(スタートアップ)」とも呼ばれています。
意味で言えば一緒です。
日本「ベンチャー」英語圏「スタートアップ」と覚えておきましょう。
ベンチャーキャピタル(VC)とは
ベンチャーキャピタル(VC)とは、未上場企業に投資を行います。
収益源は主に下記です。
・投資した企業を上場
・他のファンド等に転売
・その他、ファンドの運用報酬
投資金額の3倍~10倍といった高リターンを目標とし、投資した企業の普通株式の引受けが基本的な投資手法です。
個人として自己資金を投資する場合もあれば、投資事業組合「ファンド」を設立し、投資家から資金を集めて投資する場合もあります。
自己資金を投資する投資家を「エンジェル投資家」と呼びます。
投資事業組合は大きい組合から、数人の投資家が集まった小規模のものまで様々あります。
また、「ベンチャーキャピタル協会」という団体が存在しており、アメリカでは「National Venture Capital Association(NVCA)」日本では「Japan ?Venture Capital Association(JVCA)」があります。
スタートアップ、ベンチャーの定義
「スタートアップ」の正確な定義は広く議論されています。
現在スタートアップ、ベンチャーの定義とは1つではなく、投資家、企業によって様々な解釈があり、コレと言った決まりはありません。
ですので、それぞれの定義を見ていきたいと思います。
●Warbyパーカーの共同創設者CEO:ニール・ブルーメンタール
「スタートアップは、解決が明らかでない、そして、成功が保証されない問題を解決することに取り組んでいる会社です。」
●Viaweb (ヴィアウェブ)設立:ポール・グラハム
「5~10才の会社は、まだスタートアップでありえます。」
「スタートアップの鍵となる特質は、成長するその能力です。」
●チケット検索エンジンSeatGeekの共同創設者:ラッセル・ドゥソウザ
「彼らがしていることが世の中に影響あるように人々が感じないとき、その企業はスタートアップではなくなります」
●起業家:スティーブ・ブランクとボブドルフ
「反復可能で拡張性の高いビジネスモデルを検索するために設立された組織。」
●米国:中小企業庁
「一般的に技術志向であり、高い成長性を持つ事業」
●日本:中小企業庁
中小企業庁「ベンチャー企業の人材確保に関する調査」に記載されているベンチャー企業の定義は下記の通りです。
起業年数は定義に含まれておりません。
◆ 起業家的であること
・マネジメント・リス クを取る
・財務リスクを取る
・ハードワーク ?
・粘り強さ ?
・社会的リスクを取る?
◆イノベーション
・サービスのイノベーション
・市場ニーズに新手法で応える
・製品のイノベーション
・市場のイノベーション?
・技術のイノベーション
◆組織創造
・認識した機会に資源を持ち込む
・機会と資源を統合し、製品やサービスを創造する
・付加価値を創造する?
出典:「ベンチャー企業の人材確保に関する調査」(中小企業庁)(2016/10/02アクセス)
まとめ
上記で挙げたそれぞれの考えを見て、共通点は「チャレンジ」と「成長」ではないかとは思います。
しかし、スタートアップ、ベンチャーの定義というものは現在ありません。
設立年数も関係が無い分野ですので、大手以外「わが社はスタートアップ!」と言えばどの企業も「スタートアップ」なのかもしれません。
言うのは自由ですが、それを認めるかどうかは人それぞれというのが今の状況です。
今後の参考となれば幸いです。