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今さらだけど知っておきたいアドラー心理学

勇気づけの心理学として知られるアドラー心理学。アルフレッド・アドラー氏が創設した心理学ですがご存知のように日本でも数年前から書籍がベストセラーを記録しています。なぜアドラー心理学はこれほどのヒットを記録したのか?またアドラー心理学とはそもそもどんな内容なのかをご存知ではない方もいるかと思います。そこで今日はアドラー心理学の簡単な解説と共にビジネスでも通用する思考法をお届けしたいと思います。

対人関係について

Businesswoman Interviewing Male Job Applicant In Office

究極的にはわれわれの人生において対人関係以外の問題はないように見える。

そして、それらの問題はわれわれが他者に関心を持っている時にだけ解決できるのである。

すべての問題は対人関係にあるとアドラーは説いています。ビジネス社会でも異動や退職を申し出る理由として、人間関係のこじれから退職を申し出る人は多いと思います。

例えば人間関係で問題を起こしやすい人の特徴として、幼少期に自分が要求するものを全て与えられた育てられ方をされた人はひとたび社会へ出た後に自分に対し評価をしてくれないと不機嫌になったり攻撃的になったりする傾向があるといいます。

つまり他者が自分に何をしてくれるのか?という点にかしか関心を得なくなりますので甘やかされて育った人間は大人になってからも他者に依存するような人間になるとアドラーは説いているのです。

また注目を浴びるために、手段として夜尿症が出たり体の不調が出たりすると言うのです。

厳しい言い方ですが他者に期待をしないこと。そのような人をマネジメントする立場としてはまず甘やかす事をやめる事と、不調の理由についてのコミュニケーションを一切やめる事でしょう。

承認欲求について

Corgi in pink background

人間は自分自身の人生を描く画家である

承認欲求といえばアブラハム・マズロー氏が有名ですが誰かから認められたい、評価されたいという欲求の事です。この欲求自体は一見すると悪いとは思えませんが承認欲求が強いといろんな問題が出てくると指摘しています。

例えば賞罰教育の影響として、宿題を期日までに提出した、挨拶をしっかり行った、後片付けをテキパキと綺麗に出来た時に褒めてはいけないという事です。なぜなら他者に褒められる事を目的にしか行動しなくなるからです。ただしだからと言って厳しくダメ出しばかりしているのも悪く、褒める事も叱る事も度を過ぎると自分のする行為が適切なのか自分で判断する事ができない人間になる危険性があるのです。

課題の分離について

Businessman trying to solve a maze questions

人間は自分の人生の主人公である

あらゆる対人関係のトラブルは人の課題について土足で踏み込む事、踏み込まれる事から生じているとアドラーは説いています。つまり他人の課題を切り捨てる事が必要だということです。

例えばミュージシャンを目指す子供と反対する両親の話があるとしましょう。もし両親が子供には公務員など安定した仕事に就いて欲しいという要望があった場合、ミュージシャンになる夢を諦めるよう説得するでしょう。そして公務員専門学校などのパンフレットを片手に安定した人生がもたらすメリットをプレゼンするのではないでしょうか。

両親としては安定した仕事に就き安定した人生を過ごして欲しいという希望もありますし、子供がミュージシャンになったとして成功できる確率は非常に低く食べる事にも困るような状況になるのではないかと危惧することでしょう。ただそれは「親の課題」であるというわけです。

また、もし子供がミュージシャンの夢を諦めて両親のいう通りの人生を歩もうとし、公務員試験も受けたけれども試験に落ちた時には、きっと両親を恨むことでしょう。

誰の課題なのかをしっかりと見極めること。アドバイザーにはなれるけど支配は出来ないということですね。

共同体感覚について

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自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献するのは共同体感覚である

人生の意味は全体への貢献である

アドラーは人は誰もが幸福になれると言っています。そのために行うべき事は自己への執着を他者への関心へ転換させる必要があると言っています。人から認められるために仕事をするのではなく他者を仲間として信頼し貢献することが重要だという考え方です。ちなみに共同体感覚を身につけるためには自己受容・他者貢献・他者信頼の3つが必要とも説いています。

まとめ

今日ここでお伝えしたことはアドラー心理学のごく一部の内容です。

アドラー心理学を習得するのは自分が生きた人生の時間分必要だとも言われています。

ただエッセンスだけでも理解出来れば今日からの働き方や考え方も変わるのではないでしょうか。他人は変えられなくとも自分の考え方や振る舞いは変えられます。

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