一生の資格、保育士という仕事の魅力
保育士とは、乳児から小学校就学までの幼児を、保育所や児童養護施設などの児童福祉施設で、保護者の代わりに保育を行う子育ての専門家です。
保育士の資格は、国家資格であり、取得後は講習を受けるなどの更新の必要がないため、ブランクがあっても職場復帰しやすいメリットがあります。
管轄は、厚生労働省であり、児童福祉法に基づいて保育をします。
保育園は家庭に代わって保育をする場であるため、そこで働く保育士は、福祉従事者となります。
日々成長する子供たちとの触れ合いは、楽しいだけではなく、大きな責任を感じますが、保育のプロであるというプライドとやりがいも同じように感じることができる、魅力的な職場です。
保育資格はどうしたら取得できるのか?
保育資格を取るためには、大きく二つの方法があります。
まず、大学、短大、専門学校の保育課程で所定の過程を終了することです。
この中には、保育園と児童福祉施設で合わせて6週間の実習が含まれます。
すべての過程を終了すると、卒業時に保育士資格試験受験を免除され、資格を得ることができます。
もう一つは、年に1度行われる保育士資格試験を受ける方法です。
受験資格は、大学院・大学・短大・保育系専門学校を卒業した者なら、科に関わらずだれでも受験できます。
また、大学に2年以上在籍し、62単位以上取得していれば受験資格を得られます。その他、細かい受験資格の条件があります。
保育士試験であれば、実習は免除されます。合格率はこの数年は約17~19%であり、難関です。
しかし、一度合格した科目は3年間有効なので、次の試験の時に不合格だった科目を取得すればいいのです。
科目は、下記の9科目です。
・社会福祉
・児童家庭福祉
・保育の心理学
・子どもの保健
・子どもの食と栄養
・保育原理
・教育原理
・社会的養護
・保育実習理論
これら9科目の試験すべてに合格したら、実技試験を受けることができます。
内容は、
・音楽表現に関する技術(ピアノ)
・造形表現に関する技術(お絵かきなど)
・言語表現に関する技術(読み聞かせ)
以上の中から2つ選び、6割以上の得点で合格です。
保育士の仕事はどのようなものか?
国家資格を持った保育士は、保育の専門家として次のような仕事を任されます。
1. 就学前の子供たちに基本的な生活習慣を身につけさせる。
2. 子供たちの身の回りの世話
3. 子供たちに集団生活を通して社会性を養わせる
4. 遊びを通して心身の健康な成長をサポートする
5. 保護者に対して報告・子育てに対するアドバイス・サポートを行う
6. 地域との連携
勤務時間は、国の認可を受けている保育園では、保育時間は8時間と決められていますが、保護者のニーズによってはその前後する場合もあります。
また、認可外の保育園ではそれ以上や24時間体制のところもあります。
そういった場合は、当番制で勤務しているようです。休日も、土日休みの保育園以外では、やはり保育士同士が当番で出勤しています。
保育士の仕事のやりがいと課題
待機児童の増加により、保育士のニーズは年々高まっています。
その仕事の性質上、大きな責任感、根気、体力が要求されるため、保育士は不足しており、それは今後の課題と言えるでしょう。
しかし、一度取得すれば自分の状況に合わせて再就職がしやすい点は、この資格の大きな魅力です。
実際に、結婚、出産、子育てという経験をふまえて職場に復帰する保育士も多くいます。
子育て経験者である保育士は、現場の若い保育士にとっても、預けに来られる保護者にとっても、とても頼りになる存在です。
多くの保育士は、たとえ自分の子供でなくても、子供たちの成長を身近で感じられることに仕事のやりがいを感じています。
女性の社会進出が進んでいく中、確実に必要とされているのが保育士という仕事です。
子供をめぐる国の政策もこれからさらに議論が深まっていくことでしょう。
大切な子供たちを預かり、成長を見守ることができる保育士の仕事も、ますます見直されていくでしょう。