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部下に教えずに気付かせるリーダーになるには?

部下を育てる時に、良かれと思ってついあれこれ手を出したり、口を出したりしてしまう上司がいます。しかしそれでは部下が受け身の仕事に慣れてしまい、自発的に仕事を覚えようとしなくなってしまいます。

優秀なリーダーとは部下に対して必要最低限を教えて、あとは自ら気付く様に導くものです。

気づきの力を育てる為にはどの様なことをすれば良いのでしょうか。

部下を信頼して最後まで仕事を任せてみる

会社で仕事をする上では「報告・連絡・相談」が大切です。部下が報告をしてきた時にすぐに「それならば」などと口を出してしまいたくなるでしょう。

しかし部下が自分で気づく力を養うためには、リーダーが信頼して最後まで仕事を任せることも必要です。「任せたよ」「君ならできるから」と言われると、本人も気合いが入ります。今まで手を抜いていたりミスをしていた箇所でも「信頼されている」という気持ちから集中力がアップして、難なく仕上げられる可能性が高いのです。

作業を一貫してやることで、「何でこうするんだろう」という疑問が湧いてくるようになります。
それが気付きへの第一歩なのです。

少し高めの目標に挑戦させる

Concept business. Courage of businessman.会社で年度の初めに部署と個人の目標を立てる制度があれば、その目標よりも少し高めに導くようにしましょう。
部下は自分で建てた目標を達成すれば良いと思っているので、能力があっても少しレベルを落して設定する可能性があるのです。

そこを見込んで一歩高いレベルに挑戦させて、普段の力プラスアルファの力を引き出しながら仕事をさせてみましょう。数値にすれば1%程度の高みで構わず、設定したレベルをクリアするだけで満足させない様にするのです。

常に一歩先を見据えながら仕事を進めることで、「こうした方が効率的になる」と考える習慣が付き、気づきの力が高められます。

上手に叱ること

Business man looking at his own devil demon shadow concept background部下の気づきの能力を高めるのに絶好のチャンスと言えば叱る時です。
叱り方次第で部下は大きく成長していくのです。

・事実のみを伝えて叱る

部下を叱る時に、「ばか者」や「なんてことをしてくれたんだ」等と感情的なことを言っても意味がありません。
部下に対しては具体的に事実を述べることが大切です。

「出庫の指示ミスで本日必要な商品が届かず、顧客の業務が半日止まったそうだ」と伝えます。
この時「顧客にとってどれだけ不利益になったか考えてごらん」と言うと良いでしょう。

「ミスをした」からの気持ちを「叱られた」「嫌だ」ではなく、「相手に迷惑をかけた」「もう二度と失敗しない」という気持ちに導く様にするのです。

・上司の気持ちの伝え方

つい「私はガッカリしたよ」「悲しくなったよ」等と自分の感情を伝えないようにしましょう。
上司が怒っていることは部下も充分分かっていますので、ダメ出しをせずに「最終的な責任は私が取るから、次回かからの対処法を考えてごらん」と言った方が効果的です。

部下は「どうすれば今回のトラブルを最小限に食い止められるか」「次回からミスをしない様にできるか」など、様々な点に注意を払いながら仕事をしてくれるでしょう。

部下に考える時間を作らせる

Young boy looking up at a clock concept for deadline, anxiety and stress部下がぼうっとしていたり、考え込んでいる様子をしているとつい「どうしたの?」「何か分らないことでもあるの?」と手出し口出しをしたくなります。

しかしそれでは部下が納得しないまま作業を続けることになり、受け身なうえに理解できない状態が続いてしまうでしょう。

要領が悪い部下ほど手が止まっている時間がありますが、その時には「こうしなさい」と言うのではなく「ここを改善する方法を考えておいてくれる?」と声をかけましょう。

そのポイントをクリアすることにより、自分で納得して作業が進められるので、より早く仕事ができる様になるのです。

仮説を立てさせる

Thoughtful businessman on blue chalkboard background with a shadow question mark behind him. Business and management. Workplace decisions. Problems and solutions.どうしたら良いか分からない、何をするべきかが分らないという場合には、部下に仮説を立てさせてみましょう。
「〇〇があれば良いのではないか」「〇〇をすればミスを防げるのではないか」など、自分の想像力に任せて色々と仮説を立させて、後に一つずつ検証していくのです。

他の仕事に対しても「こうすればいいのでは」と考える様になり、気づく力が養われます。

優先順位を指示してあげる

全く何も教えないのではなく指導はしてあげましょう。

どうしても要領が悪い部下に対しては「何を優先するべきか」を考えさせましょう。月間スケジュールを立てさせて締め切りを可視化すれば、忙しい時期とそうでない時期がはっきりします。

ほとんどの場合、仕事の優先順位がはっきりと分かればそれだけでかなり効率的に進められる様になります。
自分で「今はこれをしておこう」と気付ける様にもなります。

部下との信頼関係が大事

Two friends in casual wear standing and laughing together. Best friends enjoying isolated over grey background. Two men having fun isolated over grey wall with copy space.リーダーが部下に教えないというのは、余程信頼関係が出来ていないとできません。
自分が忙しいからと眉間にシワを寄せていては、部下が相談をしたくても近寄れなくなってしまいます。

普段からコミュニケーションをしっかりと取り「話しかけやすい雰囲気」を身に付けておく様にしましょう。

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