「イノベーション」という言葉、だれでも一度は聞いたことがあると思います。「もしドラ」で同じみの経営学者ドラッカーの名言にも「イノベーション」という言葉は出てきます。
「イノベーションは、焦点を絞り、シンプルにしなければならない」
『イノベーションと起業家精神』
あなたの職場で「イノベーション」という言葉がよく飛び交っているというならば、その会社は非常に革新的な企業なんだと思います。
今日は、よく聞くけど、実は「イノベーション」ってよくわからないっていう人のために詳しく紹介していきます。
「イノベーション」とは?
そもそもイノベーションとは、「ビジネスにおける社会的に全く新しい価値のある改革」のことです。
人材や組織、あるいは社会に対して大きな影響力を与える斬新なアイデアや技術に基づき、全く新たな価値のある商品やサービス、システムを創り上げることを意味するのです。
イノベーションを「新たな技術」と解釈する人もいますが、若い世代にとっては「目からウロコのもの」と解釈した方が馴染みやすいでしょう。
イノベーションの事例をいくつか紹介します。
今や誰もが利用していると言っても良いSNSですが、最初は単なるネット上での意見交換の場でした。それを共通の友人を表示することで「交友関係を可視化」させたのがFacebookです。自分の繋がっている友人は、一人一人独立したプロフを持っていて、SNS上であっても実際に交流しないと繋がりができません。
ネット上でリアルなアプローチを追求したイノベーションの一つです。
・デビットカード
最近注目されているデビットカードですが、以前まではクレジットカードが主流でした。お金を使うというと、誰もが先に商品を手に入れて支払いは後日にしたいと思うもので、クレジットカードは「給料日以降に決済される」のがメリットでした。
ところが1ヶ月の間にどれだけ利用したか分からなくなり、引き落とし時に残高不足になってしまう人が増えてしまったのです。そこで「現在手持ちの現金がなくてもすぐに購入できて、銀行残高も分り易い」デビットカードが生まれました。
・ハズキルーペ
CMが大人気の「ハズキルーペ」もイノベーションによって生まれたものです。
それまでは小さいモノが見えないと「老眼鏡」をかけるのが一般的でした。しかし30代の比較的若い人でも小さいものが見えにくいと思うことがあります。老眼鏡でなく、ハンドタイプの拡大鏡でもない、メガネ型の拡大鏡として、若い人向けにオシャレなデザインに特化したのがハズキルーペです。
破壊的イノベーションとは?
破壊的イノベーションとは、「その製品やサービスの機能としては限定されているけれども、付加価値が高いもの」を意味します。
具体的には「シンプルな機能の分、価格が安い」「2つ以上の目的に併用できる」「他のものの代用品になる」などがあります。破壊的イノベーションは一つのものごとに囚われず、「ありそうでないものは何か」を追求することで生まれるものなのです。
具体的には以下の例があります。
・スマホのカメラ機能
デジカメよりも画質は劣るが、アプリを入れることで様々な機能が使えます。
・ハイブリッド車
電気自動車に比べると燃費が悪くなりますが、環境にも優しく静音性に優れています。
・イヤホン
スピーカーに比べると音質は悪くなりますが、ポータブルでどこでも使用できる手軽さがあります。
「イノベーション」を起こす為の3つのポイント
では自分が今のポジションにおいてイノベーションを目指すとしたら、どの様なポイントを大切にすれば良いのでしょうか。
1.顧客側から見たデメリットを考える
自社の消費やサービスの売上が伸び悩んでいる場合、その理由を分析します。
その製品やサービスを利用したいと思う顧客ではなく、利用したくないと思う顧客の気持ちを考えます。
・金額設定の問題
確かに欲しいと思う気持ちはあるのですが、金額的な問題で購入を見送る人が多い場合があります。
・個人のスキルの問題
便利な機能が付いているのですが、ある程度のスキルが無いと使いこなせない場合もあります。パワーユーザーであるか、サポート体制が必要なのかを見極めましょう。
・使い勝手の問題
その製品やサービスが一部の場所や状況に限定して利用できるものであるために、使い勝手の問題で購入を躊躇う人もいます。
例えば屋内でしか使用できない電化製品を、ポータブルにすることで販売数を増やした事例も多くあります。
・手間の問題
その製品やサービスを使用するまでの準備が面倒で、時間がかかってしまい使いたくないと思ってしまいます。
組み立てるのが大変なものや、直接店舗まで行かないと利用できないサービスなどがあります。
2.至れり尽くせりを見直す
現在の製品やサービスで、機能が充実していて便利だけれども、もっとシンプルで良いのものはないかを見直します。
顧客にとって全ての機能が必要とされる訳ではなく「もっとシンプルでいいから安いものが欲しい」と思う人もいるからです。
3.これまでの常識は捨てる
企画開発の部門には多くの「NG例」があります。
過去に失敗した事例があると、それがNG例として積み重なっていき、開発者の判断基準を固定化してしまうのです。
既存の常識やしがらみに左右されず、自由な発想で「まずは提案すること」を求めるのが理想です。
「イノベーション」は発想次第で誰でも起こせる!
破壊的イノベーションを起こしたいと思ったら、「そう来たか」と思われる様なアイデアを出すことが大切です。
一つ提案してみると、次から考えるのが楽に感じるものです。将来の会社の中核となる為に、今からイノベーションを意識した仕事をしていきましょう。