自分でいろいろなことを考えるのは好きですか?それともめんどくさいですか?
しかし仕事をしていくうえで「めんどくさい」からと言って何も考えないでいると、仕事ができない人という評価に直結してしまったり、予定通りに仕事が終われず残業しなければいけなくなったりと、好ましくない結果を招きかねません。
そうならないためにも、そして指示待ち人間と言われないためにも、思い立った今から自分で考える力を身に付けて、自分の意見が出せるようにおきましょう。
自分の意見の作り方
考えることが苦手という人にとっての最初のハードルは、どうやって自分の意見を持てばいいのかが分からないということかもしれません。
しかし、そのままでは何も意見がない人と同じです。
特にミーティングや会議・プレゼンなどの場では意見が求められます。そして、仕事をしていく以上は、しっかりと対応していかなくてはいけません。
では、どうすれば自分の意見を持てるようになるのでしょうか?
そのためにはまず、対象となるもの(便宜上Aとします)について、どれだけちゃんと理解できているのかを確認することから始める必要があります。
検証をすれば、Aについて理解していたことと理解できていないことが明確になります。
そうしたら、あとは理解できていないことを徹底的に調べましょう。
すると、Aの良い面も悪い面もすべて理解している状態になりますよね?そこでようやく、誰かに「Aについてどう思う?」と聞かれたときに、自分の考えを意見として言えるようになります。
意見を持ったらその根拠を持とう!
せっかくいろいろ調べたりして自分の意見が持てたとしても、自信がなければ強気に発言することはできないですよね。では、なぜ自信をもって意見を言うことができないのでしょうか?それは単純に根拠が足りないからです。
これは裏を返せば、「根拠を出して」と突っ込まれるとどうしようという不安からきています。
ですが、もしそうなのであれば、根拠をしっかりと持てれば自信をもって意見を言うことができるということです。そして、根拠を持つためには<自問して根拠を考える>という方法と<比較しながら自問する>という方法があります。
<自問して根拠を考える>
「なぜ、その意見に至ったのか」を深く掘り下げていき、根拠を持つ方法です。
例えばAという意見を持ったとして、その意見を持つに至るためにBという理由があったとします。当然、Bという理由には、その背景となるCがあり、Cが背景となるためにはDという要素があって・・・と、Aという意見をどんどんと深堀りして考えていくことで根拠を持つ方法です。
<比較しながら、自問する>
「なぜ、BではなくAを選択するのか?」と、対象を他の候補となり得るものと比較して根拠を持つ方法です。
Aという意見以外にも、候補となり得るものが複数ある場合には非常に有効な方法で、例えばAとB、AとC、AとD・・・と比較していくことで他の候補を消去していき、Aという意見を持つ根拠をより強固なものにしていく方法です。
質問力を付けることが、自問するときのポイントになる
では、Aという意見を持ったときに根拠を持つためには、自分に対してどのような質問をしていけばよいのでしょうか?『「自分で考える力」の授業
/著: 狩野みき』の中で、筆者は下記の12個の質問を挙げています。
根拠を持つための <「よい質問」のポイント12箇条>
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いつ、どこで、誰が、何を、どのように
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なんのために?なぜ、そう言えるの?
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情報にツッコミを入れる。
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必然性を問う
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データなどの正当性・妥当性を問う
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曖昧な言葉をチェックする。
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似て非なるものを引き合いに出す
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物事の両面を確認する。
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きっかけ、機嫌について尋ねる。
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なぜ「今」なのかを問う
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長期的な展望について聞く
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インタビュアーになったつもりで、背景を訪ねる。
また、著者は「キツい質問」こそ本質への近道ともしています。すぐに答えられるような質問では、自信をもって堂々と答えられるようにはなれないかもしれません。「キツい質問」をして悩み抜いてたどり着いた根拠だからこそ、信念にも近い根拠として自分の中に存在してくるのです。
根拠を事実と結び付けた意見を持とう!
意見に対して根拠を持たせることができれば、最後は根拠を事実のレベルまで落とし込みましょう。というのも、意見は思考をもとにもたらされたものなので、人それぞれ違う結論に至ってしまう可能性もあるからです。
なので、根拠はなんらかの形で事実やそれをもとにした証拠と結び付けておかなければなりません。
事実や証拠がある意見であれば、どんな意見でも自信を持つことができるようになります。そうすれば、自分の意見を求められたとしても、怖くないですし、自ら進んで意見を出していくこともできますよね!