コミュニケーション

相手の興味を引きつけるトーク術があった!

社会人になると知らない人の前で話したり、目上の人の前で話すことが多くなると思います。

学生の場合は自分の知っている人や、自分と仲の良い人と話せばよかったので、『話し方』ということについてはそんなに問題意識がなかったのではないでしょうか。

私もどちらかというと引っ込み思案な性格なので、必要以上の人とは話さない性格でした。なのでコミュニケーション術などには興味がなかったですし、必要ありませんでした。
しかし社会人になると必然的に知らない人と話すことが増え、自分のトークが下手なことにひどくガッカリした経験があります。

この記事では『相手の興味を引きつけるトーク術』というテーマで心理学や脳科学の話を交えながら紹介していきます。

『話し上手』は話す人ではなく、聞く人

Little boy playing with can phone connected by string, concept for talking to yourself

よくある失敗(私自身も経験があるのですが)として、話し下手な人が『話し上手』になるために人との会話でたくさん喋ろうとすることがあります。たくさん仕入れた雑談や、「これは面白い話だ!」と思ったことをガンガン相手にぶつけていくパターンですね。

感覚的にわかると思いますが、これは『話し上手』ではありません。

面白いもので、人が「この人、話がうまいな〜」と思う人は、実は『話を聞く人』なのです。よく「話し上手は聞き上手」という言葉を耳にすることがあると思います。

例えば、自分の言いたいことをガンガン話すのは親子の関係で例えると子供側です。
逆に話を聞いてあげるのは親子関係で例えると親側です。
うんうん、と自分の話を聞いてくれる母親に子供が楽しそうに話すのを見たことはないでしょうか。

人は自分の話を聞いてくれる人に好感を持ちます。
「なるほど、じゃあ話を聞けばいいの?」というと、もちろん聞くだけではダメです。ここもコミュニケーションの難しいところですね。

聞き上手とは話を黙って聞くことではない

「話し上手は聞き上手」といっても、『聞き上手』とはただ話を聞いているだけではありません。街中で子供が楽しそうに話している親子の関係でもわかるように、母親はうんうんと話を聞いているだけではありません。

必ずといっていいほど、話を聞いたあとに子供に質問を投げかけています。
子供が幼稚園での出来事を話すと、母親は「うんうん、そんなんだ。楽しかった?」という風に質問で返します。すると「楽しかった!でね…」と話が続きます。
なぜかというと、人の脳は質問をされると、無意識的その質問を返そうとします。

例えば美容室で「どこかかゆいところはありませんか?」と聞かれると「(どこかかゆいところ?)ありません。」と反射的に答えた経験があると思います。
美容室の場合はマニュアルだと思うので話していても楽しくないと思いますが、日常生活では質問の力はコミュニケーションにとても大切です。

人が興味があることは自分のこと

質問する力がなぜコミュニケーションで大切かというと、人は根源的に一番興味があるのは自分のことだからです。

例えばテレビで世界の温暖化のニュースをやっていたとしましょう。
「ふ〜ん…そうなんだ」と感じる程度で、特に何か行動しようとはなかなか思えないでしょう。

一方で、自宅周辺で空き巣が出現したというニュースを見たとします。
「え!まじ!?」とびっくりして、自分の通帳や印鑑などをわかりにくいところに隠したり、戸締りのチェックをして寝るようにすると思います。

世界規模で問題になっている話にはあまり興味がないのに、空き巣の話は反応する。
なぜこんなに違いがあるのかというと、『自分に関係している話だから』です。

聞き上手な人は、相手の話を聞いてあげて相手の話に沿った質問をします。
すると、相手は自分の実体験した話や興味のある話をすることになります。
つまり『自分に関係している話』ですね。

なので、話していると感情が動くレベルで話が弾むのです。

プレゼンやセミナーでも興味を引く方法は同じ

一般的なコミュニケーションでは『聞き上手』になるのは難しくないかもしれません。

でもプレゼンやセミナーではどうでしょうか。
話し相手がいるわけではなく、椅子に座っている大勢の人に向けて一方的に話すことになります。
大勢の人に一方的に話す場合も『聞き上手』と方法はほとんど同じです。
「え?どういうこと?」というと、一方的に話す場合も自分の言いたいことではなく、聞いている人が興味の話をするということです。

例えば私は高校生に向けてコミュニケーションセミナーをすることがあるのですが、「社会人になったらコミュニケーション能力は大切で〜…」などという話はしません。
なぜなら社会人になったことがない高校生に向けて社会人になった後の話をしても実感が湧かないからです。

前述した地球温暖化の話と同じですね。
「確かにそうかもしれないけど、実感が湧かない」と思われれば人は興味を持ちません。

じゃあどうすればいいのかというと相手の興味のある話にするということです。
高校生にコミュニケーションの話をするのであれば「好きな子と自然に会話するにはどうすればいいと思う?実は簡単で〜」とか「自分のやりたいことをやらせてくれない親の説得方法は結構簡単で…」という風に、高校生が持っている悩み・興味を元に話します。

つまり『聞き上手』のように、その人の興味・関心を察知してそれを元に話をしていくということです。

大勢相手の場合全ての人を引きつけることは難しいですが、自分が言いたいことをいうよりも、聞き手の興味・関心に沿って話した方が反応率は確実に変わります。
要するに、話のネタは自分で考えるのではなく、相手を観察して決めるということです。
これもある種、コミュニケーションです。
自分の言いたいことだけをいうのはコミュニケーションではありません!

まとめ

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『話す』という行為は2人以上の人がいて初めて成り立つものです。
うまく喋ろうとして自分の頭の中でぐるぐる考えてしまいがちですが、そうすると独りよがりなトークになってしまいがちです。

相手の興味のあることを軸にして、相手に質問しながらトークをするとスムーズに話が展開され「この人話がうまいなあ」と自然と思われるようになります。

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