先の未来を確実に読むことは誰にもできませんが、読めなくても想定することはできますよね。「ああなるかもしれない」「こうなるかもしれない」と頭の中にいろいろと想定しておけば、本当にそうなった時慌てず騒がずすぐに対処できます。
反対に何も想定していなかったら、ただ慌てふためいてオロオロするばかりになってしまいかねません。
つまり想定する力は、仕事において必要な能力だといえるでしょう。
ですが、想定する力をいったいどうやって鍛えていけばいいのかは、あまりよくわからないものです。
そこで想定する力の鍛え方についてアドバイスします。
先を読んで次の行動を考えることを習慣化する
想定する力を身につけたいなら、普段から想定することを意識しなければいけません。先を読んでどう行動するのか考えることを習慣化させれば、想定する力は自然と鍛えられます。
たとえば「明日の天気予報が雨だったら折り畳み傘を持っていくようにする」
「行きたい飲食店があるなら定休日をしっかり調べておく」
「人との待ち合わせ場所に行くための交通手段や時間を把握しておく」
など、仕事以外のことでも想定する力は鍛えられます。
また、その際は他の仮定をしておくことも想定する力を身につけるのに役立ちます。
「雨予報が外れて当日快晴なら折り畳み傘は持って行かない」
「飲食店が臨時休業だった場合の代わりになる飲食店も一緒に調べておく」
「想定していた交通手段が万が一使えなかった場合の交通手段も他に調べておく」
など、いろいろと仮定しておけば想定する力がどんどん身についていきます。
日常生活の中で想定する力を鍛えたら、今度は仕事にも応用してみましょう。きっと、仕事でも同じようにできるはずです。
選択肢をいくつも想定してその1つ1つごとにどうするのかを想定しておけば、実際にそうなった時すぐに迷わず行動できますよね。ノータイムで動き出せるのでタイムロスがないし、何より迷いがないので自信を持って行動できます。
仕事ではこの想定する力があらゆる局面において求められるので、普段から鍛えておくと仕事で役立ちます。
他人に起きたことを自分に置き換えて想定する
仕事をしていれば、他人に起きた災難やミスについて見聞きする機会が少なからずあるでしょう。その際は気の毒だと思うものですが、それで終わりにしてはいけません。
他人に起きた災難やミスは、自分にも降りかかる可能性があります。「他人は災難に遭ったけれども自分は大丈夫」だと思ってしまうのはあまりにも楽観的で、学ぶ機会を損失しているといっても過言ではありません。
もしも他人に起きた災難やミスの話を見聞きしたら、明日は我が身と思い自分に置き換えて想定するようにしましょう。
もしもこうなったら自分はこうしなければいけない、こうするのが最善だと答えを出して想定していれば、本当にそうなってしまった時に対処ができます。
ここで注意したいのが「想定はあくまで想定」でしかなく、人はあらゆる未来を想定できるわけではないので、想定外のことも起きかねません。ただそれでも、普段から他人に起ったことにも意識を払い自分にも起こりえることだと注意していれば、何らかの想定ぐらいはできます。
備えあれば憂いなしということわざもあるように、想定することは決して無駄になりません。想定通りにならないことはあるものの、他人に起きた災難やミスを見聞きしたら自分に置き換えて想定するように心がけましょう。
失敗は次のための肥やしになる
仕事での失敗はとても手痛いものですが、致命的な失敗でない限り次の想定の肥やしになります。
1度失敗したら普通は「もう2度同じ失敗はしない」と胸に誓い、次の想定において失敗したことへの対処について真っ先に考えますよね。失敗が肥やしとなり、次の想定に活かせるのです。
なので、たとえ失敗しても転んではただでは起きない精神が想定力を鍛えていきます。失敗した時単に「失敗してしまった」という気持ちだけに占められていたら、次には活かせません。失敗すれば誰でも悔しいしショックを受けるのはしかたないことですが、それで終わったわけではありません。
それによって、次に想定するときのパターンが1つ増えるし、そうなれば同じ失敗はほとんどしなくなります。仕事をしていれば誰でも失敗はするものですが、その失敗を次の想定の肥やしにするように意識すれば、想定する力は鍛えられていきます。
事前に想定を重ねて仕事に備えよう
事前に想定を重ねておくことは、仕事への備えになります。行き当たりばったりで仕事をしていたのでは、その時の運任せになってしまいかねません。それでは優秀だとお世辞にもいえないですよね。
想定する力は、日常生活の中でも鍛えることができます。また他人を参考にすることもできますし、自分のミスも次の想定に活かせます。想定する力は管理職に必要不可欠な能力ですから、普段から想定する力をしっかりと鍛えておくようにしましょう。