会社でいつしか昇進して部下を持つ様になると、今までとは仕事のやり方が変わってきます。
管理職は文字通り部署や部下を管理する仕事がメインで、自分で直接仕事をするよりも部下を育てることを考える必要があるのです。そして上手に部下を育てれば、部署のモチベーションが上がり、高い目標を達成できます。
しかし中には管理者としてするべきことが分からずに、部下を育てられない人もいるのです。
管理者がしてはいけない指導方法について紹介しますので、参考にして下さい。
過去の栄光を自慢する
管理者には経験があり中には輝かしい実績を持っている人もいます。
部下に対して自分の経験を語り「こうするべきだ」とアドバイスする人もいますが、昔とはやり方が変わっていたり、相手次第では同じやり方でもうまく行かないケースがあります。
過去の栄光を自慢して部下にやり方を押し付けるのではなく、部下の話を良く聞き現在の状況を理解して、今のケースに最も合った方法を考える様にしましょう。
感情的に怒る
部下がミスをした時に感情的になって怒る上司がいますが、これは逆効果です。
そもそも「怒る」と「叱る」は全く違い、相手の人格を尊重しているかが問われます。
「叱る」というのは、ミスに対して「こういう時には確認するべきだろう」「とにかく連絡が遅いよ」等と、反省点を言うことです。
これに対して「怒る」というのは、内容に関係なく「やめてしまえ」「お前なんかいらない」等と、人格を否定する様なことを言います。
理由を説明しない
管理者が部下を叱る時には、一体何がどう悪かったのか理由を説明しなければなりません。
ところが感情的になってしまうと相手を非難するのに夢中になってしまい、論理的に諭せなくなってしまうのです。
管理者が叱る時には以下のステップが効果的です。
・部下に何について叱られているのか認識させる
・部下に何か悪かったのか理解させる
・同じことを繰り返さない為にはどうしたら良いかを考えさせる
・「次回は頑張れよ」等フォローの言葉を付け加える
以上の3つのステップに基づいて部下を叱れば、部下の為を思っている気持ちが伝わります。
部下が自主的に行動できる様になる為にも、納得できる様に説明することが大切です。
部下同士を比較する
会社には様々な性格の人がいて、従業員となる人は面接に合格して採用されています。長所や短所だけではなく、仕事を覚えるスピードも人により違って当たり前です。
部下同士を比較して「〇〇君の方がしっかりしている」等と言うのは、本人のプライドを傷つける行為です。
比較する時にはそれぞれの長所・短所を明確にして、本人の「自分への気づき」に繋がる様にしましょう。
目標を明確にしない
組織として働く以上、会社の成長の為に部署ごとで目標を定める必要があります。
目標がないままダラダラと毎日同じ仕事をしていては、部下だけではなく自分も成長できません。
「売上500万円達成」という部署の目標があり、ターゲットが絞られることで個人の目標が設定しやすくなるのです。
中小企業で会社の方針ではないからと目標を持たずに仕事をしていると、部下のモチベーションが下がってしまいます。
「スキルアップにならない」「マンネリを感じる」などの理由で退職する人も増えてしまうでしょう。
まず管理者が部署としての目標を立てて、そこから部下に個人の目標を考えさせるようにしましょう。
具体的な指示を出さない
管理者の中には「仕事は教わるものではなく盗むものだ」と言う人がいます。
しかしこれは職人の世界のことであり、会社の組織では違うのです。
部下に仕事を任せる時には「何をするのか」「いつまでにするのか」「何故それをするのか」など、目的をはっきりと指示しましょう。自分の仕事が組織の中でどの様な意味があるのかを知っていた方が、より仕事に興味を持てる様になるからです。
横割りの仕事であっても担当者としての自覚を持たせれば、部下の成長に繋がります。
フィードバックをしない
1つの仕事を任されていると、段々と自分流のやり方に変えられる様になります。
ムダな作業を省いたり、より正確に数字を掴む為に業務改善をするのは良いことですが、中には段々と手抜きになったり、間違った解釈のまま仕事をすすめていってしまう人もいます。
たとえ「報告・連絡・相談」を受けていたとしても、仕事は任せっぱなしにしてはいけません。
担当者に対して定期的にフィードバックの時間を取り、何か困っていることはないか、逆に周囲から本人への要望を伝えるなどの面談をしましょう。
部下の成長を促すという意識を持とう
管理者は常に部下の味方でなければいけません。
時には厳しく叱ることはあっても、それは部下の為であり、自分のプライドを満足させる為であってはならないのです。
部下が成長したらいつか自分の立場が脅かされるのでは、と心配する様な人に管理者は務まりません。
自分を追い越していく部下を祝福できる上司こそが真の管理者なのです。