「記憶力悪いから、勉強とか苦手なんだよね?…」と苦手意識を持ったことはないですか?
仕事をする上で記憶力を使うことといったらどんなことがあるでしょうか。
・資格試験の勉強
・人の名前を覚える
・仕事の流れを把握する
などなど、色々なシチュエーションがあると思います。一番多いのは資格試験とかですかね。
中には「後輩に何度も注意しているんだけど、一向に仕事を覚えてくれない!」という悩みなどもあります。
この記事でご紹介するノウハウは、自分が何かを記憶するときでも使えますし、他人に何か記憶させるときにも使える方法です。
おそらく読めば8割くらいの人は「なんだ!そういうことだったのか!!」と納得してくれる内容です。
記憶力とは才能の話ではなく、脳の使い方なのです。
学校の勉強がつまらない理由
「自分は記憶力が悪い…」と思っている人は必ず思い浮かべることはなんでしょうか。
ほぼほぼ間違いなく『学校の成績やテストの点数』でしょう。
つまり、「学校の勉強ができなかった、”だから”記憶力が悪い」、紐づけて勘違いしている方が多いのです。
じゃあ「自分は記憶力が悪い…」という人に「好きな漫画は?そのストーリーを教えて!」というと、話すことができるでしょう。
「いやいや、そんなの話せるに決まってるじゃん!」と思うかもしれませんが、何が言いたいのか?というと、人は興味のないことは記憶に残らないのが当たり前なのです。
逆に興味のあることが記憶に残るも当たり前です。
勉強ができない子でも、ゲームの話ならめちゃくちゃ詳しい人もいますよね。
「その武器の攻撃力は?」とか「こうするとダメージが1,205まで上がって…」とか、事細かに説明してくれる人もいます。
つまり、記憶力というのは人それぞれでそんなに差はなく、興味があるかないかがかなり大きな鍵となっていて、「知りたい!」という欲求よりも一方的に教えれらる学校の科目なんて覚えられないのが普通なのです。
「興味のない学校の勉強でも覚えるのが上手い人いたよ!」と思うかもしれませんし、もちろん興味のないことを覚える方法はあります。
その具体的な方法も後ほどご紹介します。
バラバラの情報はすぐに忘れる
ここからは『認知心理学』という分野の話をします。
「うわ!難しそう!」と思うかもしれませんが、簡単にいうと「人はどうやって認識しているか?」ということを研究した学問です。
例えば大きくても、小さくても、りんごっぽいものって「りんごだ!」とわかりますよね。
りんごって普通は赤色ですが、緑でも同じ形なら「りんごだ!」とわかるはずです。緑のりんごもあるので。
でも、ラグビーボールみたいな形状になって、黄色になったらどうでしょう。
「あれ?これマンゴー?」と思うかもしれません。
つまり人は色々なパーツを集めた集合体を見ることで「あ!これは〇〇だ!」とわかるのです。これをゲシュタルトと言います。
挨拶の『おはようございます』も9文字が集合していますが、例えば「お」とだけ言われてもなんのことだかわからないでしょう。
ちょっとややこしいですが、これが記憶力と非常に密接に関係してきます。
また学校を例にして申し訳ないのですが、学校の授業ってこの集合(ゲシュタルト)があまりないのです。
例えば
・この公式を覚えなさい
・この英単語を覚えなさい
・この人物名を覚えなさい
と言われたことはありませんか?
そのときに「え?なんで覚えるの?」と疑問に思いませんでした?
先の例でいうなら「お」や「ご」などのバラバラの情報を無理矢理投げつけられている感じです。
もし「この断片的な情報が最終的に〇〇になるんだよ」と説明されていれば「なるほど!完成系は〇〇か!だったらこのバラバラの情報も大切だな!」とわかり覚えるはずです。
「難しい!」という方はレゴブロックを思い出してください。パーツ1つだったらわけがわからないと思いますが、パーツが何個も組み合わさることで最終的な形になり、初めて認識することができるのです。
興味が無くても物語は覚える
「英単語を覚えなさい!」と言われたとき、大学に入学したい人なら「入試に必要だ!」と思うから覚えるかもしれませんが、「就職する」と思っている人にとっては、英単語はなんの役に立つかわからないものです。
なので脳が「こんなもの覚えておく必要ある?メモリの無駄!」と言って頭から追い出すのです。
「じゃあやっぱり興味のないことしか覚えられないんじゃん!」と思うかもしれませんが、ここが自分の記憶力を伸ばせるかどうかのターニングポイントです!
興味のないバラバラの情報でも、自分で頭の中でストーリーを作ることでそれは記憶に定着してしまうのです。
例えば、興味がないものの例えとして”つまらない映画”を例にあげてみましょう。
「あの映画、超つまんなかったよ!」という映画でも、ストーリーって説明できますよね。
2~3ヵ月後に「どんな映画だったの?」と聞いても「こういうストーリーでさ?!超面白くないんだよ!」と説明できるはずです。つまり記憶に残っているのです。
なぜ記憶に残るのか?というと、映画には『ストーリー(物語)』があるからなんですね。
・最初にこうなる
・次にこうなる
・その次はこう
・その次はこう
…
と関連つけられた一つ一つのパーツが組み合わさって『つまらない映画』を作り上げているので、興味がなくても覚えていられるのです。
記憶力は物語を作ることで上がる!
じゃあこれを資格試験などの記憶に応用するとしたらどうすればいいのか?ということをご紹介しましょう。
ほとんどの人は単語や専門用語をそのまま記憶しようとしてしまいます。
しかし、何もストーリーがついていないので”バラバラの情報”です。かなり覚えにくいです。
でももし、その覚えたい専門用語が生まれた背景を知ればどうでしょうか。
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1900年代に貧乏学生だったアメリカの青年が、とある日?…(省略)…その結果彼は〇〇を発見し、彼の名前が付けられ××と呼ばれるようになったのだ。
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ここまで知っていれば頭の中では『文字』が浮かぶのではなく、『ストーリー』が思い浮かび、その結果としてその単語を思い出すことができます。
人の名前も同じです。
会ったばかりの人って名前だけ聞いても、知り合ったばかりだとなんの接点(ストーリー)のないので中々覚えられません。
なので、その人の特徴をメモしたり、その人に「なんでこの仕事を始めたんですか?」などとその人のストーリーを深掘りすることで、頭の中にストーリーと一緒に「物語の登場人物」として記憶されます。
■まとめ
ちょっと脳の使い方の話なので、実感ができない方もいるかもしれませんが、”脳はストーリーを好んで覚える”という大きな特徴を知っているだけで、覚えたいものを覚えることができます。
逆に「文字だけ覚えよう」という感じで必死に覚えようとしても、イメージやストーリーがなければ簡単に忘れてしまいます。
覚えるのは文字や名前ではなく、ストーリーということです。
自分の過去を振り返ってみてください。
記憶に残っていることでスラスラ他人にも説明できるものってストーリーのあるものばかりなはずです。