仕事を素早くこなせる人って、迷わず取りかかるし、一度トップギアに入るとガンガンと仕事を終わらせていきますよね。
私なんて「日曜日が一日中暇だから、日曜日にやろう」と先延ばしにして何度痛い目にあったかわかりません。
人それぞれの人生は違いますが、1日24時間というルールは同じです。「同じなのに何故こんなに差がでるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
仕事を早く終わらせると必然的に自分の時間が増えます。言い換えるならば、同じ仕事でも、10時間かかる人と7時間で終わらせる人であれば、後者の人は3時間自由な時間があります。
つまり「10時間かかる人より3時間寿命が長い」と言っても過言ではありません。
この記事では仕事を素早く終わらせる仕事術について、脳の機能や心理学的な観点を含めてご紹介します。
脳のエネルギーを集中させる方法
作業に取りかかるのが遅い人はある共通の癖があります。
それは「悩む」ということです。
「これは本当に大丈夫なのだろうか?」
「もしかしたら?になるんじゃないだろうか?」
「このあと予定があるから、明日なら?…」
などなど。
もちろん悩むことは大切かもしれませんが、100回悩んでも行動は1つ「やる」or「やらない」です。
もっと具体的にいうと、悩みには
・答えの出ない悩み
・答えが出る悩み
の2種類があります。
例えば仕事に関して「もっと早くこなせるようになる道具はないか?」などは答えがある悩みですよね。
でも、「この結果どうなるだろうか?」などは、ある種答えのない悩みです。
100回考えても答えはでません。
人の脳には「ワーキングメモリー」という思考を巡らせるためのリソースがあります。
イメージで例えるなら、パソコンの容量のようなものですね。
例えばワーキングメモリーが100GBあるとします。
100GBのうち、「答えのない悩み」で70GB使っているとしたら、残りの30GBのメモリーを使って仕事をしなければいけません。これはイメージ的にもかなりキツいですよね。
「不安がない」「悩みがない」という時にはこのワーキングメモリーの全てを使って仕事ができている状態で、集中するためにはこの状態がベストなのです。
つまり、まずは答えの無い悩みを捨てることから始めましょう。
仕事の結果は作業の質によって変わります。なので、始めから「どうなるだろう…」と悩んで作業の質が落ちると、時間も掛かるし良い仕事もできないので、結果も悪い方に傾いてしまいがちです。
結果は結果、コントロールできないものなので、まずは頭のワーキングメモリーをスッキリさせて作業に取りかかりましょう。
本気を出してやった方がラクという事実
ワーキングメモリーをスッキリさせた後にやるべきことは、「本気で仕事に取り組む」ということです。
「いやいや…そんな体育会系なことを言われても…」と思うかもしれません。
私も最初これを言われた時は同じことを思っていました。
人間とは普通ラクをしたいものですよね。
私がライターになってあるプロライターの方と一緒にお仕事をさせてもらったとき、そのプロライターの方はいつも3?4時間で仕事を終わらせてサッと帰宅していました。
サボっているわけではなく、メチャクチャ集中しているのです。
つまり『本気』で仕事をしているのです。
私はそのプロライターの方に「そんなに本気でやっていたら疲れませんか??」と聞いたことがあるのですが、その方は「僕も昔はそう思ってたけど、本気でやった方が結果的にラクなんだよね、ダラダラやると逆に疲れる」と言われました。
この言葉がグサッと刺さりました。確かにダラダラした方が効率が悪いし、時間が掛かるし、気分的にも疲れるのです。
脳科学的にも、何か作業を行う時には一点集中した方がいつも以上の成果を上げることができるということが分かっています。
イメージで例えるならエネルギーを針のように一点集中させるのが『本気モード』で、平べったい団扇のように意識や力を分散させるのが『ダラダラモード』。
どちらが目の前の壁を突破できるか?と言われたら一点集中させたときですよね。
「ダラダラした方がキツい」「暇な方が逆に疲れる」とはよく言ったもので、これはアルバイトや部活を経験したことがある方であれば体感レベルで理解できると思います。
先延ばしの癖をなおすコツ
ここまでで
①意識を集中させるコツ
②本気でやることの意味
が理解できたかと思います。
最後は先延ばしの癖を失くす方法です。
先にご紹介した通り「ラクできるならラクをしたい」というのが人間の本音であり、脳の性質でもあります。
先延ばしも「今ラクをしたい!」と思うから「また今度やろ?」って感じで先延ばしにするんですよね。
私も夏休みの宿題は最後の日まで先延ばしにして、ヒーヒー言いながらするタイプだったので先延ばしにする気持ちはスゴく分かります。そして以外とギリギリでもできちゃうから「なんだ、自分も本気を出せばできるんじゃん!」と分かってしまって、その『できちゃう自分』に期待してしまうんですよね。
でもこれを繰返していると、先延ばしをして→期限間近にキツくなるの永遠ループです。
この先延ばしグセは心理学者の間で『偽りの希望シンドローム』などと言われています。つまり、未来の自分を過大評価してしまって先延ばしにしてしまうということですね。
でも、未来の自分はスーパーマンではありません。
じゃあどうすればいいのか?というと、『毎日の自分で手分けする』という思考で頑張るのです。
仕事に取りかかる時、自分一人で頑張っている気分になりますよね。
だから心細いし、「時間がある時の自分であれば頑張ってくれるんじゃないか?」なんて期待してしまうのです。
それを「今日と明日、明後日の3人の自分で手分けして終わらせる!」と考えるとどうでしょうか?
少し気分がラクになるはずです。
つまり、『一日の自分に全てを負担させる』という考え方から、『大勢の自分で手分けする』という考え方に移行することで、「よし、今日の自分の負担分だけは終わらせよう」という風にやる気を出すことができるということです。
一見バカバカしいかもしれませんが、実際にやってみると「自分一人で仕事を終わらせる」と考えたときよりも心理的抵抗が少なくなっていることが分かります。
まとめ
仕事を素早く終わらせる時間術ということでご紹介してきましたが、実際は「心と脳の使い方」が重要になってきます。まとめると
①答えの無い悩みを捨てて脳のワーキングメモリーを増やす
②ダラダラやるより本気を出して取りかかった方が精神的にラク
③未来の自分に全てを負担させるのではなく、毎日の自分で分担して終わらせる
ということです。
特に『②ダラダラやるより本気を出して取りかかった方が精神的にラク』ということが体感的に分かってくると、脳は「楽な方がいい!」ということで自然と集中するようになってきます。
これは人生で絶対やって知っておいた方がいい知識だったのでシェアしました。