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叱っているのに嫌われない!仕事がデキる人の人に好かれる叱り方

「できれば人を叱りたくない…」と思う人は多いのではないでしょうか。
学生時代はどちらかというと先生に叱られることはあっても、同級生を叱ることは無かったと思います。

ですが社会人になると、「みんなで和気あいあい」という風にはいかない場面に遭遇することも多くなり、「人に強く言えない」という悩みを持つ人も多いでしょう。

でもそれって普通のことですよね。「人の叱り方」なんて学校では教えてくれません。なので「自分は人に教えることが下手だ」「人を叱るのが下手だ」と自分を責める必要はありません。みんな同じです。

それを踏まえて、将来的にも歳をとって必然的に教える立場になった時のために、自主的に「人の叱り方」をマスターしておく必要があります。

この記事では「人に好かれる叱り方」というテーマで、人間心理を含めた方法をご紹介します。

他人を叱り辛い原因

Business man looking at his own devil demon shadow concept background人を叱るということは、つまるところ相手の間違いを指摘しなければいけません。このこと自体、結構ハードルが高いですよね。
もし自分が100%完全無欠の人間なら自信を持って相手の非を責めることができるのですが、人は誰でも失敗をするのが当たり前、気が抜けることがあるのが当たり前です。

「自分もできてないのに他人を責めるのは気が引ける…」と感じると、どうしても人を叱れなくなってしまいます。

じゃあ、どういうメンタリティで人を叱れば良いのか?というと、「相手のため」という考え方です。

一言でいうと安っぽいかもしれませんがこれが意外と大事で、「他人を叱り辛い…」と感じている人は言い換えると「自分が嫌われたくない…」と思っている方がほとんどです。

ギクッと感じるかもしれませんがもう少し読んでください。

つまり、人に言い辛いことっていうのは「自分が得することを言おうとしている」ことから始まります。

・「(私の仕事が多くなるから、早く仕事覚えてよ…)」
・「(あなたがミスすると私の帰りが遅くなっちゃうよ…)」
・「(あながのミスで私まで叱られちゃうよ…)」

というような考えから「私が得したいから、あなたを責めます」という気持ちが叱ることの後ろめたさになってしまいます。

まずここのメンタリティを変える必要があります。

私は良いよ、でもあなたはそれでいいの?

happy young woman covers her face with her hands and peep through her fingers極論を言うと、誰かを教育するにはある程度自分が不利益を被ること前提で考えなければいけません。

例えば子育てなども同じですよね。
小さな子供は失敗を重ねて学習し、成長していきます。先輩である大人は見守り、手助けをしていくことがある種の役割です。

それを前提として、叱る時のマインドセットは「私はいいけど、あなたはそれでいいの?」です。

つまり、”自分が得をしたい”という気持ちを一旦手放して、「その仕事でミスをし続けると、たぶんあなたが今後辛くなるよ?」という気持ちを強くする必要があります。

これは小手先の心理テクニックとかではなく、マインドセット(考え方)の話なのでちょっと抽象的な話になってしまいますが、本当にそう思えれば叱ることに後ろめたさがなくなるはずです。

■ネガポジの法則

叱る側のマインドセットを踏まえた上で、人に好かれる叱り方の心理テクニックをご紹介します。誰でもできることなので是非使ってみてください。

それは、『ネガティブなことを先に言って、ポジティブなことを後に言う』という方法です。

例えば、書類ミスをする後輩がいたとします。その後輩に下記のように言ったとします。
A「なんでいつもミスするの!?ちゃんとやってよ!」
B「いつもこの仕事丁寧にやってくれてありがとう。でも最近ミス多くない?」
C「○○さん最近ミス多いね。でも会社の中でこの仕事が一番上手くこなせるのは○○さんだから頑張って!」

つまり、
A→ネガティブのみ
B→ポジティブ先、ネガティブ後
C→ネガティブ先、ポジティブ後
の3パターンの場合、人が一番嬉しく感じるのはCなのです。

パターンAは論外、パターンBの場合はせっかく伝えたポジティブな褒め言葉が後のネガティブに上書きされてしまい、結局相手は”後味が悪い”という状態になります。

イメージで例えるとパターンCは苦い薬の後にケーキをあげる感じで、最終的に良い印象が残るので相手も気持ちよくネガティブなことを受け入れやすくなります。

メンタルが強い、メンタルが弱いってなに?

blankポジティブなことを後に付け加えるだけで、かなり相手が言うことを聞いてくれたり、叱ることに抵抗がなくなります。そしてさらに、応用編をご紹介します。

叱る時に考えてしまうのがやはり相手のメンタルですよね。最近では「パワハラ」という言葉が流行ってしまい、注意するのにもちょっと躊躇してしまいがちになります。

そこでご紹介したいのが「相手のメンタルの見極め方」です。

「メンタルが弱い」「メンタルが強い」と言っても色んなタイプがいて
・自分が責められるのは平気だけど、他人が責められると心苦しい
・肉体労働は限界まで頑張れるけど、人間関係でちょっとしたことがあるとダメになる
・プレッシャーには強いけど、睡眠時間が少ないとすぐにブレてしまう
などなど、人によっても何に強いのか、何に弱いのかというのは千差万別です。

なので「本で○○と読んだから?だけやればOK」、というのはダメ!すべての人に当てはまる共通の方法などないので、教科書通りにやるだけではあまり上手くいきません。

じゃあ「人のどんなことろを観察すれば叱り方の攻略法が見つかるのか?」というと、「相手の喜ぶポイントを見つけ出す」というのがカギになります。

相手のトリガーを見つけ出せ!

Choosing the key to success from hanging keys concept for aspirations, achievement and incentive心理学では「トリガー」という風にいわれていますが、人が喜ぶポイントは細かく分けて行くと人それぞれです。そのキッカケになる部分を「トリガー(引き金)」と言います。

私の経験上、男性は「自尊心型」で女性は「共感型」というイメージです。

ちょっと分かり辛いので詳しく言うと、例えば仕事を任せるにしても

自尊心型への伝え方→「これは○○君にしか任せられないからお願いしても良い?」
共感型への伝え方→「○○さんがやってくれると皆が助かるんだけどやってくれない?」

つまり同じことを言うにしても、自分の能力を評価されると嬉しい男性タイプと、コミュニティ全体が助かると嬉しい女性タイプによって伝え方を変えるということです。

例えば共感型で、コミュニティをサポートするのが得意な女性に「これは○○君にしか任せられないからお願いしても良い?」というとプレッシャーを感じてダメになってしまったりします。

このタイプを見極めると叱り方も格段に上手くなります。
自尊心型は「○○君しか任せられないんだから、しっかりやってくれよ!」と言われると叱られてもモチベーションが上がり、共感型は「○○さんがこの仕事をやってくれてるから周りは安心して自分の仕事に打ち込めてるんだから、頼むよ!」と言われるとモチベーションが上がったりします。

ちょっと難しいと思いますが、「相手の喜ぶポイント(トリガー)を見つけ出す。」ということができれば格段に言い辛いことも言いやすくなるし、相手もすんなりと指摘を受け入れてくれやすくなります。

■まとめ

businessman in modern office room hand stop gestureこの記事をまとめると
①自分の得しか考えていないと「叱るのが苦手」になる
②「あなたが損をするから、助けてあげる」と思えば罪悪感なく叱れる
③ネガティブ先、ポジティブ後で相手はヘコまない
④人のメンタルの弱さ強さは千差万別、それぞれの喜ぶポイントを利用して叱る
です。

人を教育するということは自分の頑張りだけでは上手くいかないし、思い通りの結果になることはほとんどないですが、今回紹介したことを実践してもらえれば成功確率は確実に上がります。

是非参考にしてください。

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