wakus

『論語と算盤』から読み解く、日本実業界の父が語るビジネスの本質とは?

江戸時代末から大正時代の始めころにかけて、あらゆる企業の設立や経営に関わった渋沢栄一氏。著書である『論語と算盤』には、ビジネスを行っていくうえで大切な考え方や、時代に左右されることのない本質が記されている名著として、多くのビジネスパーソンに読まれています。この記事では、その一部をご紹介していきます。

企業経営において、利益を上げるよりも大切なことがある

資本主義社会における企業経営とは、利益を生み出すことが至上命題と捉えられがちです。ですが、本当に利益を追求することが正義なのでしょうか?

もちろんお金を稼いで利益を上げるということは必要なことではありますが、実はそれ以上に大切なことがあるのです。もし、このことがなければビジネスの大小に関わらず成功することは難しいとさえ言えるのですが、その大切なこととはいったい何なのでしょうか?

生活していくうえで、お金を稼ぐ才能は必要!

日本実業界の父と言われる渋沢栄一氏は、自身の著書、『現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)』の中で

『武士道精神のみに偏して商才というものがなければ経済の上からも自滅を招くようになる。ゆえに、士魂にして商才がなければならぬ。』

と記しています。

これは、たとえどんなに素晴らしい信念や理想論があっても、お金を稼ぐ才能がなければ貧困に陥ってしまい生活さえもままならなくなってしまうと解釈することもできます。

では、そのお金を稼ぐ才能とはどのようなものでしょうか?

渋沢栄一氏の言う<処世と信条>とは?

もちろんその才能についても、同書の中で<処世と信条>として以下の4項目が挙げられています。それでは、1つずつ見ていってみたいと思います。

行為と動機と、その人は何に満足をしてくらしているかの点との、三拍子が揃って正しくなければ、その人は徹頭徹尾永遠まで正しい人であるとは言いかねるのである。

→本当の成功を成し遂げる人というのは、ここで挙げられている“正しい”が自分自身に対してではなく、他人に向けられている点に注目する必要があります。目の前の人を満たしたいという動機をもとに行動を起こし、満たしてあげることで自分自身も満足できる人物こそが正しい人と言えるでしょう。

自然的の逆流に処するに当たっては、まず天命に安んじ、おもむろに来るべき運命を待ちつつ、たゆまず屈せず勉強するがよい。

→社会の流れによっては、事業を進めたり行動を起こすのに適していないタイミングも当然あると思います。だからと言ってそのような時に、何もしないでじっとやり過ごすというのは賢明ではありません。いつ流れが変わってタイミングが来てもいいように、絶えず勉強をして爪を研いでおく必要があります。

人為的の逆境に陥った場合、何でも自分に省みて悪い点を改めるより外はない。

→他人からの批判や苦情などに直面した場合には、誰かのせいにしたりせずに自分自身の事として考えて、反省すべき点を洗い出し改善していくことでしか信頼を回復させる方法はないということです。

それが自己のためにはならぬ道理にも契い、国家社会をも利益するということなら、余は断然自己を捨て道理のあるところに従う。

→道徳的にもふさわしく、尚且つ社会の繁栄にもつながるものであれば、自分の利益は度外視してでも取り組んで貢献していく価値があるということです。これはまさに利他主義の最大の形とも言えるのでしょう。

これらの項目を総合して考えると、お金を稼ぐ才能とは「常に相手のことを考える利他主義で、何事も決して他人のせいにはせず、絶えず勉強をすることで自分を磨き続けること」なのではないでしょうか。

『論語と算盤』から、ビジネスの本質を学ぼう!

複雑になりすぎて物質も溢れている現代社会においては、自分自身の欲望に負けてしまい、精神上の事柄、特に道徳的なことに関しては忘れてしまいがちです。その結果、どんなに優れたビジネスパーソンも失敗してしまうことさえあります。

この記事で紹介している『論語と算盤』は、今後も時代を超えて参考にされていくビジネス書の中の名著ですので、少しでも気になるのであれば、ぜひ一読して参考にしてみてください!


LEAVE A REPLY

*

Return Top