「コミュニケーションがうまくなる方法!」などという本が本屋のランキングで上位を独占している場面を多く見ます。つまりはコミュニケーションに悩んでいる人が多いということなのですが、そもそも何で人はコミュニケーションが苦手なのでしょうか?
人間は動物と違って『言葉』という最強の武器を持っているのに、動物以上にコミュニケーションが苦手で、悩んでいる人が多いように感じます。時には人間関係で心を病んでしまうくらい悩むこともあります。
特に社会人になってくるとコミュニケーション能力を求められることが多くなります。
学生の頃のように
・同じような環境で育った
・同じことを勉強している
・同じ年齢
・同じ不満や悩みを持っている
というような共感できる環境は社会人になると一気に変化します。そうすると必然的に自分の考えを伝えることが難しくなってきますよね。
この記事では年齢・性別関係なくコミュニケーションをスムーズに行なえるようになる人間心理をご紹介します。
コミュニケーションは”生もの”!事前準備では上手くいかない
最初にご紹介したように、コミュニケーションもしくは人間関係で悩んでいるという人が多いのはもはや一目瞭然ですよね。
コミュニケーション関連の本や、「人間関係で悩まない方法」などの自己啓発本もかなり人気です。
そして実際にセミナーや本を読んでも中々解決しません。新しいセミナーや本を購入して、また上手くいかなくて、そしてまたセミナーや本を購入するというループです。
なぜそうなるのか?というと、コミュニケーションとは”生もの”であり、反射神経が求められるものだからです。
コミュニケーションとは、自分と相手で行なうものなので、1人では成立しません。
例えば本で「人とうまく話すには時事ネタを10個持っておきましょう」などと書いているとします。
その本を読んだ後に人と会話するとき「(今日は○○のネタを持って来たからいつ話そう…)」という風に考えてしまいませんか?
そうなるともう最悪で、目の前の人の話はほとんど無視、「(いつ自分の話を切り出そうか…)」ということで頭がいっぱいになってしまいます。
私もこれでミスをしたことが何度もあります。
実は自分が話したいことを話そうとすることがコミュニケーションを難しくしているのです。
自分の言葉は相手に伝わらない
前述したように、自分の話したいことを話すことはNGです。
例えば、「昨日綺麗な景色を見てきたんです!」という話題を出したとしましょう。
でも「綺麗な景色」で思うい浮かべるイメージは人それぞれで、海を思い浮かべる人、山を思い浮かべる人、スカイツリーのようなタワーからの景色を思い浮かべる人など、人によって「綺麗な景色」は千差万別です。
つまり、自分の言葉は相手に伝わらないことが大前提なのです。
相手を気持ちよくさせるコミュニケーションとは?
「コミュニケーション上手は聞き上手」という言葉があるように、話がうまい人は色んなネタを持っているワケでありません。
コミュニケーションをスムーズにするためのキーポイントはズバリ『質問力』です。
例えば、「昨日映画を見にって来た!」という友達がいたとしましょう。
コミュニケーションで空回りしまう人の特徴はここで「(映画?…映画といえば、自分も先週見た!その話題を出せば盛り上がる!)」と考えてしまう人です。
「そうなんだ!実は僕も先週○○という映画を見てきてさ!」と、相手の話題を横取りしてしまいます。
これはイメージで例えるならば、相手の投げて来たボールをキャッチせずに、自分が持っているボールを相手に投げ返すような感じです。
相手からすると、相手の話を”聞かされている”という感じになります。
皆さんも思い浮かべて欲しいのですが、自分が「この人と話すの楽しい!」と思える人ってどんな人ですか?
「俺の場合は?」とか「私的には?」などの”自分語り”系の人よりも、自分の話を興味深く聞いてくれる人ですよね。
例えるなら子供の話をニコニコしながらうなずいてくれる母親のような人です。
つまり、コミュニケーションがうまいとは、攻めることがうまい人ではなく、受けることがうまい人なのです。
コミュニケーションは後だしジャンケンで上手くいく!
先ほど「自分の話をすることは、相手の投げて来たボールをキャッチせずに、自分が持っているボールを相手に投げ返すような感じ」とご紹介しました。
「じゃあ自分の言葉で、自分の話をせずにどうやって会話を成立させるの!?」と感じる人もいると思いますが、スムーズに会話をするには相手の言葉を使えば良いんです。
つまり、相手の投げて来たボールを使って投げ返すということですね。
例えば
Aさん「昨日映画を見てきたんだよね。」
↓
Bさん「映画見てきたんだ!どこの映画観??」
↓
Aさん「○○センターの映画館!めっちゃ広かったよ!」
↓
Bさん「へー!広いと迫力ありそうだね!何見たの??」
↓
Aさん「SF映画見たんだけど、めっちゃつまんなかった…」
↓
Bさん「広い映画館でSFってめっちゃスゴそうなのに!何が酷かったの??」
上記の会話を見て何か気付くことはあるでしょうか。
実は聞き手のBさんは何のネタも持っていません。ただAさんが使った言葉を使って、最後に質問を付けて投げ返しているだけです。
Aさんは自分の喋りたいことを、自分の体験したことベースで喋ればいいので何のストレスも感じません。ストレスを感じないから「あれ…Bさんって話しやすい…!」と思うのです。
最初にご紹介したように、会話は”生もの”であり、どんなに本を読んでも「自分の練習してきた話、話したい内容を話そう!」としても実はあまり上手くいきません。
何も手札がなくても、相手の言葉を使ってカウンターパンチを繰り出せばOKなのです。
つまり後だしジャンケンってことですね。
相手が歳上になると「何とかして話を広げなければ…」と思ってしまって自分の持っているネタで切り返してしまいがちです。
でも、相手の頭の中にないことや相手が経験したことないことを話題にすると、相手が”聞き役”になってしまい、相手があなた話に合わせなくてはならなくなります。
相手に「この人コミュニケーション能力が高い!」と思わせるには、相手の投げて来たボールでキャッチボールをして、相手のフィールドで会話することが大切です。
■まとめ
繰り返しになりますが、コミュニケーションとは”生もの”で、「こういう時にはこうすればいい!」というような決まった答えはありません。
『目の前の人が今何を話しているのか?』ということに目を向けることがファーストステップです。
「相手の話している内容について話をすればいい!」とご紹介しましたが、相手が「もっとあなたのことが知りたい!」と思っていれば、もちろん自分の話をする必要もでてきます。
相手の投げて来たボールをしっかり見て、受け取り、返す。これをイメージしながらコミュニケーションを取ってみてください。絶対に上手くいきます。