新年度になり、新入社員の方や転属などでたくさんの新人を現場に迎えたという方も多いと思います。
新しく教える立場になった方や管理などの責任のある立場になった方もいらっしゃるでしょう。
そこで、新人教育で使えるちょっとしたコツをご紹介します。
目次
自己実現のための方法を新人教育に取り入れる!?
ご存知の方も多いと思いますので、いまさら紹介する必要もないかもしれませんが、日本でも大ベストセラーとなったスティーブン・R. コヴィー 博士の著書、『7つの習慣』。
この本に出てくる有名なフレームワークの1つに、
・マインドセット
・ツールセット
・スキルセット
という3つのセットがあります。
「なりたい自分になる」という自己実現のために使われることも多いのですが、これを応用することで、新人教育の現場に取り入れることもできるのです。
なぜ3つのセットが新人教育にも使えるのか?
もともと自己実現のために使われていたフレームワークが、新人教育の現場で使えるというのはイメージしにくいと感じるかもしれません。
しかし本来、これらの3セットは「何かで成果を出すために必要なフレームワーク」なのです。
ビジネスにおいて成果を求めることは当然なのですが、入社や転属してきたばかりの新人が何も分からない状態なのは言うまでもないですよね。
なので、教育の一環として、この3つをセットしてあげることは効果的なのです。
マインドセット・ツールセット・スキルセットを簡単におさらい
その前に、「マインドセット」・「ツールセット」・「スキルセット」それぞれを、簡単におさらいしていきます
「マインドセットとは?」
物事に対する思考の部分。目標に対する基本的な捉え方や考え方、判断基準など。また感情のコントロールなどの精神面なども含んでいる場合が多い。
「ツールセットとは?」
目標を達成するために必要な物理的な物。ツール=道具と単純に捉えられがちだが、それを有効に使うための環境やシーンなども重要になってくる。
「スキルセットとは?」
知識、技術、経験など。スキルは、これまでに得た知識を基に実践して技術として身に付け、その成功体験を積み重ねることで経験として活かせるので、当然個人差がある。
新人教育の現場で陥りがちな失敗とは?
最初は当然、「マインドセット」・「ツールセット」・「スキルセット」の3つをオリエンテーションなどを通して教えていくのですが、だんだんと「スキルセット」に関する教育が増えていく傾向にあります。
教える側の立場からすれば、「ツールも揃っているし、スキルを身に付ければ成果が出る」と考えるからです。
しかし、実際に必要なことは「スキルセット」ではなく「マインドセット」である場合も多いのです。
以下に、正しい「マインドセット」ができていない場合に起こりやすい、成長を妨げる3つのことを挙げてみます。
?・目標が大きすぎて迷走してしまう。
特に新人のときは、自分で具体的な目標を立てることは難しく、漠然とした大きな目標を立ててしまいがちです。
もちろんそれ自体は良いことなのですが、そこに至るまでのプロセスが明確でないので、迷走してしまうケースも多いのです。
大きな目標を達成するためにも、まずは小さな目標を立てて、1つずつ確実にステップアップしていけるようにサポートしなければなりません。
・プロセスを理解できていない
またプロセスが明確になっていても、しっかりと理解できていなければ、間違った方向に迷走してしまいます。
「なぜそれをやる必要があるのか?」ということを、自分の中にしっかりと落とし込ませることが必要で、もし理解していなければ、その都度修正して納得させる必要があります。
・精神面がともなっていない
「マインドセット」に関しては、個人のメンタル面なども含まれています。
なので、健全なモチベーションを維持することが様々な面に影響を与えるのは当然とも言えるでしょう。
精神面がともなっていなければ、どれだけ優れたツールがあっても、仕事をスキルとして身に付けるのは難しくなります。
「マインドセット」が新人教育のカギを握っている
「ツールセット」や「スキルセット」に関しては、これまで育んできた新人教育のノウハウがたくさんあると思いますので、それをそのまま使えば問題ないと思います。
しかし、「マインドセット」・「ツールセット」・「スキルセット」は、それぞれ相互関係にあることは忘れないでください。
実は、最も見落とされがちな正しい「マインドセット」をしてあげることこそが、新人のより早い成長を促すカギであり、教育を簡単・確実にしていくコツなのです。
3つのセットを同時に使って成長を確認しながら、新人を教育していこう
新人が自分1人で成果を上げられるようになるためには、それなりの期間がかかります。
それまでは
「目標や考え方は間違えていないか?(=マインドセット)」
「環境やツールに不足や問題はないか?(=ツールセット)」
「知識や技術はしっかりと身についているか?(=スキルセット)」
を、確認しながら適切な教育をしていくようにすると、新人教育もうまく進めていけるでしょう。
この記事で紹介している『7つの習慣』はこちら。
7つの習慣-成功には原則があった!