スムーズに接客や商談を進めていたと思っていたら、急に相手の逆鱗に触れてしまい大失敗してしまったという人もいるでしょう。
最初に「マズい」と思った時点で何とかしておけば良かったのに、どんどん相手の怒りを強めてしまうこともあります。
相手が怒り始めた時に使える、怒りを鎮める魔法のテクニックを紹介します。
1.相手の言いたいことを復唱する
人がイラッとしている時に「はい。そうですか」などと言われると余計に怒りを覚えてしまうものです。こちらとしてはなるべく波風を立てない様に当り障りのない返事をしているつもりなのですが、相手の不満は募る一方です。
まずは相手の言葉から「何を不満に思っているのか」を読み取り、それをこちらが口に出してみましょう。
「何度も言う通り、今の値段では厳しいんだよ」と言われたら、「御社のご予算に見合っていないということですね」と言えば、相手もとりあえず言いたいことは伝わっていると思い、それ以上イライラしなくなります。
ここで大切なのは、「値引きをしましょう」などと具体的な話をしないことです。
あくまで相手が何にイラついているのかを見極める会話をする様に心掛けましょう。
2.ゼロから説明するつもりで
相手がイラッとしたり怒ったりする原因の一つに、最初からこちらの有利にものごとを進められているという感覚があるからです。
確かに自社の商品やサービスに関しての知識やノウハウは豊富ですが、だからと言ってあまりにも自信たっぷりに話をするとちょっとした言動にイラついたり怒りたくなる場合もあります。
相手と話す時には内容に関して立ち止まったり、ゼロから説明するつもりで臨むことが大切です。
「前回送ったメールを読んでくれているはず」「我が社の商品のメリットを分かってくれているはず」、そして「私がお客様のことを第一に考えている気持ちを分かってくれているはず」という「はず思考」もやめましょう。
相手がよく理解していなさそうだと思ったら、前回使った資料をもう一度取り出して参照したり、送ったメールをプリントしておいて内容に間違いがないか確認するようにしましょう。
最初はイラついていたり怒っている相手でも、こちらが懇切丁寧に説明をすれば段々と落ち着いてくることもあるのです。
3.おどおどしない
人は意地悪なもので、自信がなさそうにおどおどしている人がいると更に威嚇したくなるものです。
ビジネスにおいても同じで「相手を怒らせてはまずい」と思いながら腫れものに触るように対応していると、その態度にイラついて怒り出す人もいるのです。
雰囲気が悪い、かなり態度が乱雑になってきたと思ったら、慌てて修復しようと妙にお世辞を使ったり笑顔を取り繕うのはやめましょう。
明らかに不機嫌な表情の相手と話す時には、こちらも無表情に徹することです。
そして「本日はこのような展開になりとても残念です。御社のお考えは私も理解しているところです。大変申し訳ありませんが、今しばらくお時間を頂けますでしょうか」と言い、その場を切り上げます。
毅然とした態度でその場を早く切り上げて離れるようにしましょう。
4.相手の怒りは自分に対してではないと思う
商談をしていて相手が怒り始めた場合、その理由は価格や納品日など、取引の条件に対するものです。
もしも自分の態度に問題が全くないのならば、その怒りは自分に対して向けられたものではないと理解しておきましょう。
例え相手が怒鳴ったり机を叩くなどの乱暴な振る舞いをしても、それは取引条件に納得がいかないからであり、自分はその窓口になっているだけだと思うことです。
顧客の怒りをまず受容して「今日その話が聞けて幸いでした。この問題は弊社に持ち帰り、改めて解決策をご連絡致します」と言います。
その場で「この件は既に部長同士で同意済と聞いておりますので」などと、自分を正当化せず、相手に主導権を与えてその場を終えるのです。
5.相手の名前を軽々しく口にしない
商談をしていてやってしまいがちなのが、相手の名前を何度も口にしてしまうことです。
「〇〇さんなどは」「〇〇さん的には」などと、言葉の始めに言ってしまうことがありますが、余り名前を連呼されると軽んじられているという気持ちなるものです。
商談の始めや終わりに雑談をする時以外は、相手の名前は口に出さないようにします。
基本的に相手を呼ぶ時は「御社」「〇〇様(相手の会社名)」にします。
特に相手がイラついている、怒り始めた時に名前を呼んでしまうと、それが感情を刺激して「こいつ分かってない」と激昂されてしまう可能性があります。
相手の怒りを倍層させないように、ちょっとした言葉遣いにも注意をしましょう。
さいごに
ちょっとした対応次第で怒りは鎮まる
「相手がイラついている」「怒り始めた」と思ったら、その段階で自分の気持ちを切り替えて「クレーム対応要員」に成りきることが大切です
その日に無理に商談を成立させようと思ってもまず無理ですので、相手に「言うだけ言ってスッキリした」「悪いことしたな」と思わせるように振舞いましょう。