顧客が商品を購入しようとするとき、なかなか購入する決断をしてくれないというのは、よくあるケースだと思います。そのような時は、説得力のあるセールストークをすれば、相手の決断を促すことができるかもしれません。
では、説得力はどのようにすれば身に付けられるのでしょうか?
簡単にできるその方法を紹介します。
セールス力よりも説得力のほうが重要!
顧客が商品やサービスに対して興味を示しているということは、少なからず解決すべき悩みや問題を抱えているということです。
ですが、ただただやみくもに商品を売り込んでも、それだけでは契約につながらないということは、セールスパーソンなら誰もが経験したことがあるでしょう。
そこで重要なことは、商品を売り込むセールス力ではなく、納得して購入してもらうための説得力なのです。
なぜなら、人はセールスに対して強い拒否反応を示す傾向があるからです。
一方、説得力があるトークをされると、相手に「気づかせてくれてありがとう」と感謝されることさえあるのです。
説得力のあるトークをするために必要なプロセスとは?
セールスの場面では、高い説得力はクロージングの際の武器になるのですが、その説得力の効果を十分に発揮するためには、しっかりとプロセスを踏んでいく必要があります。
『説得力とは相手に納得してもらう力/津田秀晴 著』の中では、“一流の営業マンによる3段階のプロセス”として説得力のあるトークをするための方法が以下のように挙げられています。
■第1段階
自分は何のためにこの仕事をしているのか、ということを自分の中で凄く明確にしている。
?■第2段階
「お客様の話を聞く」ことに意識が向いている。
?■第3段階
相手の考えや、気持ち、要望、抱えている問題が分かったら、「私はそれを解決する力を持っている」と伝えること。
このように、セールス力が商品やサービスのことを中心にしたトークだとしたら、説得力は自分と相手との関係性の構築に主眼が置かれていることです。
説得力を身に付けるための3STEP習得術
では、いよいよ説得力を身に付けるための3STEP習得術です。
上記の“一流の営業マンによる3段階のプロセス”に沿って見ていきましょう。
■第1段階
誰もがそうだと思いますが、商品やサービスに対して自信がない人からは買いたくないですし、セールスをしている本人が商品やサービスに対して半信半疑だったら、その感情は相手にも伝わってしまうので、当然怪しまれてしまいます。
それとは反対に、商品やサービスに対して深い情熱・愛情・信念などを持っていて、それを通して社会に貢献するという大きなミッションを掲げているのであれば、その熱意は必ず伝わります。
まずは、商品やサービスを理解するということを超えるところから始まりまります。
■第2段階
商品やサービスを売ろうとすると、ついつい一方的に話がちになってしまいます。これは沈黙への恐怖心や断られることに対する不安からくるものです。しかし、人は誰もが相手の話を聞くことよりも自分の話を聞いてほしいと思っています。
実はこのことが、一流のセールスパーソンは聞き上手と言われる所以でもあるのです。彼らはそのことをよく理解しているので、話を聞くための雰囲気作りから意識をしているます。だからこそ、相手とも心地よくラポールを築くことができているのです。
■第3段階
これはよく勘違いされやすいのですが、顧客は商品を買うのではなく、商品がもたらす解決策を買うのです。以前私が聞いた実際にあった出来事として、「電気ケトルを買おうと家電量販店に来た人が、ウォーターサーバーを契約した」という話があります。つまりこの人は、電気ケトルが欲しかったのではなくて、熱湯が欲しかったということです。
商品やサービスはあくまで顧客が抱えている問題を解決するための媒体にすぎません。問題が解決できるのであれば、商品やサービスに対して固執する必要性もなくなるのです。そしてその、問題が解決できると納得させる力こそが説得力なのです。
説得力のあるトークは返品やクレーム防止にも有効!
説得力のあるトークの最も大きなメリットは、相手が納得した上で購入の決断をするので、返品やクレームなどにもつながりにくいことが挙げられます。返品やクレームの対応は、売上的な影響はもちろん、精神的にも大きなダメージを受けるので、できることならば避けたいですよね。
説得力のあるトークを身に付けることができれば、少なくともセールス一辺倒の売込みトークよりは、返品やクレームが減らせるかもしれませんよ。