会社の飲み会や接待では、上司や取引先とカラオケに行くことがあります。
この時のカラオケは「良好な関係を築く」目的で行われるもので、社員は仕事の一環として参加するべきです。
「カラオケならばいつも友人達と一緒に行っているから楽な仕事だ」と思う人もいるでしょう。
しかしビジネスでのカラオケは、友人同士でのカラオケとは全く違い、ただ楽しめれば良いだけではなく、守るべきマナーも多いのです。
ビジネスでのカラオケのマナーについて、是非知っておきましょう。
1.どんなに下手でも覚悟して歌う
中にはカラオケが苦手、歌いたくない、歌を知らないという人もいるでしょう。
しかしもしも仕事ならば「苦手、やりたくない、知らない」というのは通用しません。ビジネスでのカラオケは、苦手でも歌うことを覚悟して参加します。上手い下手は関係なく、コミュニケーションとして歌うのです。
普段から「これなら歌える」という曲を準備しておきましょう。
2. 座る位置に注意してドリンクに気を配る
カラオケは二次会で行くことが多いので、料理のオーダーはさほど心配いりません。
しかし歌っている間は喉が渇くので、飲み物をオーダーする回数が多くなります。早い段階から上司の飲み物をチェックしておき、注文を入れておきます。
注文を電話で行う場合、電話器の近くに席を取る様にしましょう。
カラオケに入室する時に、肩書が上の人から促して奥に入って貰う様にすると、丁度良く受話器の側に座れます。気合いを入れてマシンの横をキープしない様に注意しましょう。
3.勧められたら最初に歌う
カラオケに入ると、まず誰が最初に歌うかで譲り合いが起きます。この時のマナーとしては、まず上司と先輩に「どうぞ」と勧めます。
しかし多くの場合、余程ノリノリの上司でない限りは「誰か先に歌ってよ」と言ってくるでしょう。
もしかしたらカラオケのマシンが上手く使えないということもあるので、まずは「歌いたい曲があったら入れますよ」ともう一度勧めます。
それでも「いいよ後でで」と言われたら、「そうですよね、では前座で私が」とトップバッターを引き受けましょう。
4.相手に合わせた選曲をする
直属の上司とのカラオケならば、日頃のあなたを知っているので選曲にさほど気を遣わなくて大丈夫です。
しかし役員レベルや社長、或いは取引先の上司とカラオケに行く場合には、なるべく相手の世代に合わせた曲を歌います。意外と若い世代の人も知っている曲もあるし、リバイバルヒットしている曲もあるので練習しておきましょう。
懐メロや演歌をレパートリーに入れておくと、取引先の人から「君、本当は幾つ?」等と冗談を言われることもあり、グンと関係を深めることができます。
5.マイナーすぎる曲を歌わない
好きなアーティストがいると、そのバンドの「誰も歌わない様な曲」を歌いたくなるものです。あるいは自分が最も好きな曲がマイナーな曲の場合もあるでしょう。
先に述べた通りに、ビジネスのカラオケでは歌唱力は必要ありません。知らない歌を聴き続けると、人は退屈してしまうものです。
誰も知らない様な曲は友達同士の時に歌うようにしましょう。
6.拍手や合いの手を忘れない
ハッキリ言って他人が歌っているのを聴くのは退屈なものです。
しかしビジネスの場ですから、人が歌っている間も手拍子をしたり、合いの手を入れるのを忘れない様にしましょう。
取りあえずサビの部分ではしっかりと顔を上げてニッコリとしていることが大切です。スマホをいじっていたり、メニューを見っぱなしで、終わった途端にニッコリと拍手だけするのはNGです。歌っている本人だけでなく、周囲の人にしっかりとチェックされている可能性があります。
上司が歌った曲を覚えておき、次回同じアーティストのヒット曲を歌うと、喜んでくれることでしょう。
7. 人の持ち歌を取らない
接待のカラオケで若い社員がやってしまうNGマナーとして最も多いのが、「取引先の上司の持ち歌を歌ってしまう」というものです。
相手は自分の十八番ですので、中盤以降に歌おうと温存しています。
それを先に歌われてしまうと興ざめしてしまうし、あなたへの心証も悪くなります。
「まさかこんな歌選ばないだろう」と思っても気配りが必要です。まずは「○○部長の十八番の曲は何ですか?」と聞いておくと良いでしょう。
本人が答えなくても周囲の人が答えてくれるので、「では楽しみにしています」と言い、その曲は歌わないようにします。
8.政治や宗教色の強い歌は避ける
人により、様々な思想を持っています。
政治や宗教色の強い曲を歌うと、一瞬にして相手の態度が変わり、取り返しのつかない険悪な雰囲気になったケースもあります。世間一般で思想的と言われている歌は避けましょう。酒に酔った勢いで軍歌を歌うのはもっての他です。
また、人によっては野球の応援歌などでも自分の好きな球団でないと機嫌が悪くなることがあるので、ビジネスの場では避けましょう。
カラオケもマナーを守って楽しみましょう!
ビジネスのカラオケは、一般的に流行っている曲を歌い、人が歌っているのを楽しそうに聴ければ充分です。無理に自分が盛り上げようとしなくてもいいので、相手が歌い易い雰囲気を作る様にしてください。
気持ち良く終れば、相手との関係が一歩進んだものになるに違いありませんので。