何故ビジネスマナーが必要なのか?
ビジネスマナーは、社会人が必ず身につけなくてはならない、必須スキルの一つです。多くの企業では、春に入社する新入社員に対して、入社後早い段階で「ビジネスマナー研修」を実施しています。
ですが、私自身講師としてビジネスマナー研修を行っていると、受講者から「これって意味あるんですか?」という質問を受けることがあります。もしかしたら、あなたも既にそう感じた経験あるのではないでしょうか?
今回は、そもそも「何故ビジネスマナーが必要なのか?」ということを考えてみたいと思います。
ではまず、具体的に「ビジネスマナー」にはどのようなものが含まれるとあなたは思いますか?「名刺の交換の仕方」や「敬語の使い方」など、人それぞれ多くのものが頭に浮かぶと思います。
ある研修会社が「ビジネスマナー研修」として、有料で実施しているカリキュラムを例として見てみましょう。
・身だしなみ
・あいさつとお辞儀
・正しい言葉づかい
・電話応対
・ビジネス電子メール
・来客対応と客先訪問
・ビジネス文書の基本
・仕事のすすめ方
多少の差はあるものの、どの会社が実施するビジネスマナー研修でも同じような内容が扱われます。項目を見て、「だいたいこんな内容かな?」と全てイメージできますか?
例えば、ビジネス電子メールでは、「宛先を間違えないようにしよう」のように当たり前と感じる内容もあれば、「件名は短く的確に」や「本文ではまず結論を書く」というように、読みやすいメールを書くために必要な内容が扱われます。
また、あいさつとお辞儀では、「お辞儀の際の上体と腰の角度によって意味が変わる」ということを学びます。
例えば15度傾けると「会釈」となり、30度傾けると「敬礼」、45度傾けると「最敬礼」を意味します。
ですが、このお辞儀の例はほんのちょっと角度が違うだけですよね。にもかかわらず、そんな厳密な使い分けが必要なのでしょうか。
実際、普通の日常業務の中で、きちっとお辞儀の角度を意識している人は決して多くありません。(接客業の人たちは、比較的きちっとしていることが多いです)ですが、そのことを意識して、使い分けをしっかりしている人がいるということが重要です。
もしあなたが何かの失敗をしてしまってお客様に謝罪をする時に、15度しか傾けていなかった場合を考えます。
もしかしたら、謝罪相手のお客様はこのお辞儀の使い分けをきっちりされている方かもしれません。その場合、「本当に心から謝罪していないんじゃないか?」と思われてしまう可能性がありますよね。
つまり、ビジネスマナーをおざなりにした対応をしてしまうと、相手に悪い印象を与えてしまう可能性が出てきます。
「相手に不快な思い」をさせないためのもの
ビジネスマナーを学んでいると、「本当にこれって必要?」と感じるものがたくさん出てくると思います。
ただし、それらの多くは「あなた自身のため」ではなく、「相手に不快な思いをさせないため」に必要なものであることを思い出してくださいね。