マネジメント 経営

経営者・リーダー向け~マニュアルに基づいた仕事のメリットとデメリット!

どんな仕事でも、それを初めて行う場合にはマニュアル(手引書)があると便利なことは言うまでもありません。

特に組み立て式の家具や多機能の家電品などのマニュアルは、便利というよりもなくてはならないものと言えるでしょう。

そんなマニュアルではありますが、それに従っていれば全ての物事が効果的・効率的に行える訳ではありません。
それどころか、マニュアル化された手順だけで仕事を行おうとするとデメリットさえありますので注意が必要になります。

なので、今回そのマニュアルのメリット・デメリットをお伝えします。

マニュアルを使うことの最大のメリット

Hands close-up. Group young business people talking at office仕事をする上で必要なマニュアルの代表的なものが「業務マニュアル」とか「作業マニュアル」と呼ばれるものですが、これらのマニュアルを使うことの最大のメリットは「誰が行っても同じ結果(成果物)が得られること」でしょう。

勿論、結果は同じでもその結果に至るまでの期間は熟練度によって異なる場合が多いのですが、仕事の成果物としては大きな差とならない点がマニュアルのメリットと言えます。

但しこれは仕事の対象があくまでも「モノ」である場合の話であり、機械というモノを組み立てる手順や、修理する手順を示したマニュアルなどには大きなメリットがあるということです。

これは、その仕事の対象そのものは一定で、作業者だけが違うからであり、その作業者の手順さえ同一に(標準化)すればよいからです。

“コト”や“ヒト”に対する仕事のマニュアル化の効果

businessman holding data files on binder shelves background仕事には「モノ」の他に「コト」「ヒト」を対象とするものが多くあります。

「コト」の例とすれば、プロ野球選手がホームランを打つコト、そしてタクシードライバーがクルマを安全に運転するコトなどです。

また「ヒト」の例で言えば、販売担当者が面談をして商品を購入して頂くヒト、そして提案者がプレゼンテーションをして合意や許可を頂くヒトなどです。

このような「コト」や「ヒト」を対象とした仕事の場合は、例えマニュアルがあったとしてもその通りに行うことで誰でも同じ結果(成果物)が得られる訳ではありません。

これは、いくら作業者の手順を標準化しても、その仕事の対象である「コト」や「ヒト」が一定ではないからです。

従ってマニュアル通りに同じバッティングをしても選手によってホームラン数に大きな差がでたたり、マニュアル通りにセールストークを実践しても営業マンによって売り上げ実績に大きな差がでたりするのです。

このことから「コト」や「ヒト」に対する仕事の場合は、例えベストパフォーマーのやり方に基づいてその手順をマニュアル化しても、皆が同じ結果(成果物)を得られるとは限らないのです。

マニュアル化された仕事のデメリット

stack of messy file folders and documents,free copy space「業務マニュアル」や「作業マニュアル」に忠実に従った仕事にはデメリットもあります。

特に「ヒト」に対する仕事の場合ですが、お客様に対するマニュアル化された対応には疑問視されるケースも多々あります。
多くのファストフード店では注文するお客様に「こちらでお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」的な質問をするようにマニュアル化されているようです。

この質問は全国、いや全世界共通のトークなのでしょうが、お客様の注文数が1つであっても20個であっても同じ質問をされます。

仲間の野球部員の代表で買い出しに来た一人の高校球児にとっては「一人で20個も食べると思うか?」と言いたくなる標準トークには疑問があるでしょう。

また、或る医療保険会社の代理店の例で、ケガによる保険金請求の為の書類送付依頼をしたところ、送付された書類に「平素は格別のお引き立てをいただき、ありがとうございます」の書き出しであったことに疑問を感じたとの声もあります。

別の会社では「この度は・・・・・心よりお見舞い申し上げます」との書き出しであったことから、その会社との比較でそう感じたようでした。

このように、お客様に対するマニュアル化されたトークや文面は、状況によっては適切ではない場合があるということを十分理解し、臨機応変な対応が出来るようにしておくことが大事なのです。

マニュアルを無視することが臨機応変な対応ではない

Diversity Team Community Group of People Conceptマニュアル通りの仕事をすることが最も得意なのはロボットでしょう。

しかしながらAIを使った最先端のロボットでない限り、状況に応じて臨機応変に対応することはまだまだと言えます。

そこでやはり「人」による「ヒト」への対応が大切なのですが、それにはマニュアルに基づきつつ臨機応変な対応をすることがベストになります。

言うまでもありませんが、臨機応変な対応とは決してマニュアルを無視した自己流ということではありません。

相手の立場や状況をできる限り理解し、その上でマニュアル上の意図を変えずに適切な言葉や文面に変更することです。

或るファストフード店のテレビのCMで、小さな少女の注文に対して店員が「おいくつですか?」と尋ねるとその少女が「4歳」と答えたのがありましたが、その時に「年齢では無くて数量です」などと言わずに微笑むのはロボットには出来ないことでしょう。

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