「ロジカルシンキング」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
これは日本語では「論理的思考」と言われ、ビジネスで会話をする時に理路整然と話すスキルです。
会議や顧客との打合せ、後輩に仕事の説明をする時などには、友達に話すのとは違い気を遣う必要がありますよね。
しかし、いざ会話をする時にロジカルシンキングを実践するのは難しいものです。
「論理的に話をする」言葉で分かっていても、どの様に会話を進めていけば良いのか分からないときもあるかもしれません。
「自分は説明が下手だ」「話しているうちに自分でも収集がつかなくなる」という人の為に、ロジカルシンキングのスキルを紹介します。
まずは「結論」次に「なぜなら」を持ってくる
日本語は世界で最も複雑な言語のひとつとされています。
外国人で何ヶ国語も話せる人がいるのですが、その様な秀才でも日本語を覚えるのは難しいと言います。
その理由は、日本語の独特の文法にあります。
日本語は、述語が最後に来る言語です。
「今日は雨が降ったので買い物に行けませんでした」という話をする場合、相手にとっては最後まで聞くまで「買い物に行ったのか行かなかったのか」分かりません。
しかしこれが英語になると「I could't go shopping because of rain.」と、最初に「私は・行けなかった」という結論が先に来るのです。
外国人はこの文法での考え方に慣れているので、いちいち修飾語を真ん中に入れて話す日本語の文法に混乱してしまうのです。
ロジカルシンキングの基本は、英語の様に「まず結論を先に述べる」「次に理由を述べる」という点です。
相手も結論が先に来た方が、結局は何が言いたいのかをじっと聞きながら待つ必要がありません。
特に賛成か反対かなどの意見を求められている場では、ロジカルシンキングに基づいて意見を述べた方がより説得力が高まります。
結論から先に述べようとすると、最初のうちは短文なのでぎこちなく思えますが、自信を持って堂々と話せば立派なプレゼンテーションになります。
理由は複数考えておく
相手に対して結論を先に言う事ができれば、あとは理由を述べるだけです。
しかしその理由が一つだけだと説得力にイマイチ欠けるものです。
人は理由が一つだけだと「その意見を通したところであまり代わり映えしないのでは?」と思ってしまうからです。
ロジカルシンキングを行う為には、相手にとってメリットの多い理由を複数述べる様にすることも大切なのです。
「○○は××です。 何故なら△△だからです。」というのと、
「○○は××です。 理由は3つあります。 1つ目は・・」と述べるのと、どちらに誠意ややる気を感じるでしょうか?
もちろん後者の方ですよね。そして聞き手も、「それだけメリットがあるのならばやってみてもいいのでは」と思ってくれるものです。
ロジカルシンキングをすることにより、考えをまとめる力が身に付いてくるでしょう。
曖昧な表現をしない
ロジカルシンキングの基本は、誰が聞いてもその内容がイメージできる話し方をすることです。
「何が、どの様に」という言葉で説明できる様に、具体的な事例を挙げて説明できる様にしておきましょう。
日本語は非常にボキャブラリーが多く、無難な言い回しができる様になっています。
ビジネスで会話をしていて「適切な方法で」「見直しを図って」「管理体制を整えて」など、具体的にはどうするのか分からない曖昧な表現は使わない様にしましょう。
「何故」がなくなるまで堀り下げる
ここからはかなり上級のロジカルシンキングのスキルになります。
人に理由を説明する時に「なぜならば」と言うものですが、その説明に対して再度「なぜ?」と質問されることがあります。
例えば、これ以上値下げ交渉が出来ないという時に「原価割れを起こすからです」と述べた場合、「何で原価割れになるの?」という質問がくることがあります。
これは上層部の人ほど突っ込んでくるポイントですが、これに対して明確な理由を述べられればかなり有利になります。
原材料の調達、運送コスト、人件費など、あらゆる点から資料を集めて説明をすれば、相手を完全に論破することもできるでしょう。
数値を表すデータを集める
ロジカルシンキングを成立させるには、根拠のあるデータがあれば完璧です。
新しいプロジェクトやサービス業で、ひとりひとりの感性に訴えるものに関しては、データ収集が難しいものがあります。
その様な場合には「我々の経験上・・です」と言い切ってしまいましょう。
説明をする時に「・・となっています」では誰がそうしたのか、主体性のない内容に聞こえてしまいかねません。自分が集めた情報を元に分析を行った結果、ということに対して自信を持ちましょう。
ポイントを押さえれば、ロジカルシンキングは簡単にできる!
ロジカルシンキングができる様になると、問題が起きた時に冷静に考えられる様になり、解決力がアップします。
また、ものごとに優先順位を付けられる様になり、作業の効率もアップしますので、是非日頃から意識して身に付ける様にしましょう。