プレゼンテーションの資料と言うと、スクリーンに映し出されたパワーポイントの資料を思い浮かべる方も多いことでしょう。そして、数値データやグラフなど、パワーポイントの資料作りについて、苦手意識を持っている方もまた少なくないかもしれません。
しかし、どんな資料を作るにしても、おさえなければならないポイントはどれも同じで、実にシンプルです。
では、それはいったいどういったものなのでしょうか。具体的に見ていくことにしましょう。
完璧な資料作りは得策ではありません
基本的にまず、おさえなくてはいけないポイントとして、プレゼンテーションで大事なのは話し手であるあなたであって、資料はあくまで参考程度だということです。
人によっては話の構成や話し方よりも、資料作りに時間をかけてしまい、「きれいで美しい資料を作りたい」「かっこいい資料が作れる人に見られたい」といった気持ちが膨らんでしまっている方もいらっしゃるようです。
しかし、資料作りの方に重点を置いてしまうと、プレゼンテーションの進め方自体がおかしくなってしまいます。
つまり、「たとえ自分の話が伝わらなかったとしても、資料を見ればすべてわかるように、できるだけ細かな情報も網羅しよう」というような発想になってしまいます。
しかし、聞き手は話し手であるあなたの言葉や表情に注目しているため、細かな情報で書かれた資料では、話を聞きながら文字を追うことがとても難しくなってしまいます。
そして結局、伝えたいことがきちんと伝わらず、質疑応答だけが長引き、場合によっては誤解までも生み出してしまうのです。
プレゼンテーションの資料は企画書ではありません
そこで、プレゼンテーションの資料を「あくまで話の参考情報」として、捉えてみましょう。
すると、必然的にシンプルになり、話のサポート役でありながらかつ、話をより具現化しビジュアル化してくれるものとしての位置づけにチェンジします。
ここで重要なことは、プレゼンテーションの資料は企画書とは全く違うということです。
プレゼンテーションの資料というのは、話し手のしゃべりがあることを前提に作る資料なので、情報は要点だけをシンプルに見せ、詳細は記載しなくてもかまわないと考えるべきなのです。
しかし、一方の企画書の場合というのは、話し手が必ずしもその場にいるわけではないので、その資料が一人歩きしても大丈夫なように、詳細情報を伝えなければなりません。
たとえば、営業マンがクライアントの担当者へ企画書をお渡しするとき、担当者の上司やその他スタッフの方々に見せても、誤解なくわかるようにしなければ企画書として成立しません。
ですので、プレゼンテーションの資料と企画書というのはまったく別物なのです。
プレゼンテーションの資料作りのポイントとは?
では、プレゼンテーションの資料作りの際、何がポイントになってくるのかを見ていくことにしましょう。
大きく分けて3つあります。
まず1つ目ですが、1枚のスライドで入力する文字をなるべく少なく制限しましょう。
スライドに文字がびっしり映っていると、聴衆者は話を聞きながらでは目で文字を追えなくなってしまいます。そこでポイントとなるのは、1スライドにつき、文字数を約70文字から100文字程度におさえるということです。どうしたら、「見やすく聞きやすくなるか」常にここを意識しましょう。
次に2つ目は、文字サイズや行間を工夫するということです。
文字数は減らしていても、文字サイズが小さかったり、行間がくっつきすぎていたりすると読みづらくなってしまいます。プレゼンテーションを行なう部屋の後ろの席の人でも見やすくなるように、なるべく文字を大きく、行間もスッキリさせるようにしましょう。
最後の3つ目は、できるだけ図解化するということです。
話で説明していることと同じ内容が資料で書かれていても、聞き手は退屈になってしまいます。
その話の骨子や要点をわかりやすく説明するためにも、なるべく図解化するとよいでしょう。
独りよがりの資料作成は厳禁です
いかがでしたでしょうか?
プレゼンテーションで大切なことは、聞く側に立って、いかにわかりやすく伝えるかということです。
そしてそれは、資料作りにおいても同じことです。
かっこいいだけの資料、情報をとにかく詰め込んだだけの資料では、独りよがりの資料と見られても仕方ありません。
聞く側のことを無視したのでは、伝えたいこともきちんと伝わらず、誤解を生みだす原因にすらなってしまいます。
聞いている人に何を伝えたいのか?ここをよく整理して話し、補足しわかりやすくするために資料を作るようにするとよいでしょう。