ビジネスの基本はコミット(約束)をする事だと思います。
自社の製品やサービスがお客様にとってどのような利益をもたらすのかをキチンと提示する。そのために日夜営業マンが頑張っているわけです。
もしあなたがパソコンや携帯や冷蔵庫など何でも構いませんがモノを買おうと迷っている時に営業マンに声を掛けられたら、第一印象としてどう感じるでしょうか?
私の場合は「この人は信用出来る人かなぁ?」です。
なぜなら営業マンとは何かを売る事で生計を立てているので、「あ、売り込み掛けられるな、騙されたくないな」と感じるからです(笑)
まず「今日はどのようなモノをお探しですか?」から入り、一通りこちらの希望を伝え、「それであれば…」と3つの商品を紹介されたとします。
ここらへんで売れる営業マンと売れない営業マンに違いが出てきます。
ズバリ売れない営業マンの特徴と売れる営業マンの特徴とは?
ズバリ売れない営業マンの特徴は「売り込み臭」が強すぎる事でしょう。
例え機能的に素晴らしくお手頃な商品であっても売り込みが強いとお客様は引いてしまいます。
恐らくその営業マンが逆の立場になったら気づきそうなものですが、営業マンはよほど自信があるからなのか、ノルマが厳しく営業目標をクリアしなければいけないというプレッシャーからなのか分かりませんが、お客様の欲している情報とは違う事を一方的に伝えてきたりします。
では売れる営業マンはどこが違うのか?
それは敢えて商品のデメリットやオススメしない事を強調するところです。
とはいえ商品そのものを否定するわけではなく、お客様のヒアリング情報を元に商品のデメリットやオススメしない理由を上げていくのです。
例えばパソコンであれば、オンラインゲームなどしない、つまり大量の情報処理を必要としないお客様に対して「このパソコンはお客様にはスペックが高すぎるのでオススメしないです。それであればこちらのパソコンの方が良いと思いますよ、なぜなら…」という感じです。
このように伝える事でお客様としては営業マンを正直になんでも公開してくれる信用できる営業マンだと認識してくれるようになります。
「●●な方には正直オススメしませんが」で更にお客様の心を掴み取る
先ほど書いた敢えてデメリットを強調したりオススメしない事を伝えるトークですが、もう一段階工夫した言い回しがあります。
それは「●●な方には正直オススメしませんが、お客様のような方にこそ是非使って欲しいです」というトークです。
例えば、事前のヒアリングで掃除嫌いと分かれば「お掃除が好きな方には正直オススメしませんが、お客様のようにお掃除が嫌いな方こそ使って欲しい商品です」
コーヒー好きと分かれば「コーヒーが嫌いな方には正直オススメしませんが、お客様のようにコーヒーがお好きな方にこそ使って欲しい商品です」
といった感じで、先ほど紹介したトークと違い、こちらは「お客様こそこの商品を使うべきですよ」と背中を押すトークです。
「この商品のデメリットを被る対象ではないですよ、逆にこの商品のメリットを最大限受ける事ができますよ」というメッセージが強いのでお客様の購買意欲を一気に高める事が出来るでしょう。
また、ここでもお客様は「私のためにこの営業マンは価値のある情報を教えてくれた」と感じるでしょう。
営業マニュアルを時には疑う事も重要
恐らく多くの会社で営業マニュアルが用意されている事と思います。
トークスクリプトや商品の資料などの各マニュアルを徹底的に教え込まれる事と思います。
それは当然長い時間を掛けてブラッシュアップされたものでしょうから大変価値のある資料だと思います。
ただ往々にしてトークスクリプトや営業研修で行うロールプレイングなどは、どうしても売り込み臭が強いものに仕上がっている事が多いのも事実です。
つまり現場の営業でそのまま使うと、売れない営業マンの特徴である売り込み臭の強い営業をしてしまう可能性が高いのです。
基本はしっかりと吸収することは大事ですが、営業でお客様の反応が悪いと感じれば、時には営業マニュアルを疑う事も重要なことです。
実際に私が見てきたトップ営業マンこそ、お客様に合わせてマニュアルにはない事をストーリー立てて話したり、独自の営業ツールを作成したり工夫していたものです。