「あなたのところの商品を買うつもりですよ」と言われたにも関わらず購入して頂けないばかりか他社で購入をしてしまったお客様。
営業マンであれば何度も経験するであろうお客様の言葉と裏腹の行動。
今回はこのように一見矛盾だらけのお客様の思考回路を逆に利用して契約を取っていくコツをご紹介したいと思います。
お客様は買い物は好きだけど売り込みは大嫌い
前から欲しい欲しいと思っていた最新型のパソコンが発売されたとして、家電屋さんに行くとします。
近くにいる店員さんを呼んで説明を受けます。
最初は良いんですが専門的な領域まで説明されるとプレゼンが長くなって、だんだんと飽きてきたりすることはないでしょうか。
そんなお客様の感情とは裏腹に店員さんは「このお客様は興味を持っているからもっと畳み掛けよう」と思いますますプレゼンに力を入れます。
「さらに今なら決算セールを行っていまして…」
こうなると逆効果でお客様は「何となくこのまま買ったらまずい気がする」と思い始め「検討します」と言って去ってしますのです。
営業マンとしては最高の見込み客だったので確実に購入して頂くために最善の手を尽くしたと感じるかも知れません。
ただお客様としては営業マンが売り込みを強めれば強めるほど警戒心を感じるものです。
ではどのように接するのが良いのでしょうか?
まず行き過ぎた説明をしないことです。寧ろお客様から「●●はどうなの?」と質問をされるくらいが良いのです。
お客様からの質問は購買意欲が高まっている事のバロメータです。人は興味がない事に質問したりしません。
ですから説明はあえて短くコンパクトに。お客様から質問が出てきたら、その質問に関するメリットをまたコンパクトに伝える事。
言葉のキャッチボールを意識して的確な提案だけすることを意識しましょう。
お客様は具体的なニーズを持っていない
前の項目でお客様の要望をしっかりヒアリングして的確な提案を進めるというのは営業として当たり前のことだと言われますが、意外と難しかったりします。
営業「いつ頃の購入時期になりそうですか?」
お客様「いつって言われてもなぁ。もう少し先の話なんでわからないですね」
営業「…そうですか。それではご予算的にはおいくらで考えていますか?」
お客様「…う~ん。いくらって決めてないけど安いほうが良いよね」
営業「…そうですか」
お客様「…」
このように営業マンが聞きたいニーズをサラサラと答えられるお客様は少ないのではないでしょうか。
もちろん潜在的には具体的なニーズを持っているはずです。つまりこういったケースでは営業マンの質問の仕方でニーズが発掘できるのです。
営業「●●の商品ですが具体的に何月何日までに納入されないと困ることってありますか?」
お客様「あ~その商品であれば4月の第3週から工事に入るときに必要になりますね」
営業「そうですか。ちなみに今の装置を購入されたときの金額はおいくらでしたか?」
お客様「200万円でした」
営業「そうですか。今回も同じくらいの予算でお考えですか?」
お客様「そうですね。同じくらいまでには抑えたいですね」
具体的なニーズは営業マンの質問によって形成されるといっても過言ではありません。
お客様は自分だけ特別に扱ってほしい
購入した商品やサービスでお問い合わせをした時に忙しそうに対応されたり、確認して折り返しますと言われて何日待っても連絡がなかったりするとお客様の立場としてはガッカリです。
そんなことは重々分かっているものの営業マンの立場となると、ついこういった対応をする時があるのではないでしょうか。
会社から新規開拓の目標ノルマを示されているために既存のお客様の対応をおろそかにしてしまう営業マンは意外に多いのではないかと思います。
契約前だと親切に対応していたお客様でも契約後には「釣った魚に餌は与えない」とばかりにフォローをおろそかにしてしまうと、何かあった時にお客様の心は急激に冷めます。きっと更新や買い替えが必要になった時には他社へ切り変えることでしょう。
これは逆手に取れば、既存のお客様からのお問い合わせというのは、より深い関係構築を築くチャンスです。
既存のお客様こそ手を抜かず特別なお客様であることを演出しながら対応することできっとあなたのファンになることでしょう。
ファンになってくれれば、もしかすると新しいお客様を紹介してくださるかも知れません。
契約して下さったお客様からの仕事があって初めてご飯が食べていける事を忘れずに最優先にフォローしましょう。