マネジメント

成果を出す最高のマネージャーに必要な4つのマネジメント手法

部下の育成や管理する人のことをマネージャー(中間管理職)と言いますが、マネージャーは『組織の成果に責任を持つ者』とも言われます。なんかゲームに出てきそうな名前で、かっこいい響きです。

『組織の成果に責任を持つ者』と呼ばれるくらいなので、マネージャーに期待される役割はとても大きいです。 成果というと、売上や利益といった金額面のみが注目されがちですが、事業や商品のブランディングやメンバーのモチベーション管理などもこの成果に含まれます。

今回は、そんな最高のマネージャーに必要なマネジメント手法を4つご紹介します。『組織の成果に責任を持つ者』として、必ず覚えておきましょう。

 

 

1.プロジェクトマネジメント

まず一つ目に紹介するのが、プロジェクトマネジメントです。

プロジェクトマネジメントとは

ビジネスの現場では、規模の大小を問わず、目的を達成するための期間が定められた業務である「プロジェクト」が存在します。そして、プロジェクトをどのように進めていくかをスケジューリングし、プロジェクトの目的を達成できるように運営、コントロールしていくことを「プロジェクトマネジメント」と言います。

日々、チーム全体やメンバー各個人が目標に向けてきちんと行動できているのかをチェックしていきます。また、「やりたいこと」や「やるべきこと」、「緊急性のあること」、「重要なこと」といった観点からも業務の進行状況をマネジメントしていきます。 メンバーの動きは会社方針に合っていたとしても、優先順位を間違ってしまうこともビジネスの現場では多々あるため、マネージャーの管理が必要になってきます。

 

プロジェクトマネジメントを行う上で大切な4つのポイントを紹介します。

①情報が共有されるしくみを作る

プロジェクトの成功・失敗は特に、職種や業種に関係なく、人と人とのコミュニケーションによって決まります。だからこそ、プロジェクト内の情報や課題は正確に伝えなければなりません。常に時間とともに変化していく状況をプロジェクトメンバーがきちんと把握していなければならないのです。さらに、自分の担当範囲以外の情報・課題についても個々が広く浅く把握していることが理想とされています。

「プロジェクトにおいて、遅延してしまっている部分とはいったいどこなのだろうか?」
「課題や懸念事項として挙がっていることはどんなことなのか?」
「プロジェクトメンバー全員が知っておくべき重要な情報とは何なのか?」

このようなことを共有・周知する必要があります。共有漏れが起きてしまった場合は、強く注意を促すこともマネジメントとして大切です。情報の共有こそがそのプロジェクト成功の一番のキーポイントになるからです。

②スケジュール管理をしっかりと行なう

プロジェクトにおける施策や計画がきちんと進んでいるのか、あるいは遅れているのか、スケジュール管理を行います。

予定が遅れている場合、その原因として考えられることは何なのか?このようなことを定期的に確認し、改善を繰り返すことが非常に重要となります。「なぜ遅れるのか?」、『なぜ』を何度も何度も繰り返すことによって、根本原因、つまり真因を明らかにして対策を打っていかなくてはなりません。根本の原因を明らかにして、対策しておかないと、必ず同じような問題が発生します。

スケジュール管理というのは、進み具合を見るだけでなく、なぜ遅れるのか、そういった問題も解決していくことになります。

③計画段階で課題を抽出する

プロジェクトをスムーズに進めるために、計画段階でできる限り、想定される課題を抽出し解決策を検討します。もしもこの「計画」段階の課題を洗い出さないままスケジュールを立て、実行に移してしまったらどうなるでしょうか?当然、実行はうまくいかなくなり、プロジェクトの進行はストップしてしまいます。また、さらに課題がこじれてくるとプロジェクト自体が失敗してしまい、計画が壊れてしまうこともあります。「計画」段階で考えうる課題を事前に一つずつつぶしてクリアしていくことが重要になってきます。

④ゴール(目標)を決める

会社方針や目的に従い、チームや個々のメンバーの到達すべきゴールをマネージャーが設定します。目標は各自、その能力によっても期待や結果が異なってくるため、目標が高すぎる場合は下方修正したり、逆に低すぎたりする場合は上方修正を行ないます。

最終ゴールが決まっていたとして、そのゴールに向けて、小さなゴール(ショートゴール)を設定する必要があります。いつまでにどこまで到達すべきなのか、その判断はマネージャーの腕の見せ所です。

ちなみに会議をやるときもゴールを決めておくことで無駄な時間を取らずに終わることができやすくなります。

 

 

2.フォロワーマネジメント

次に部下のマネジメントです。

自分といっしょに働いている部下のマネジメントも非常に大切です。日々のモチベーション維持や進捗具合をマネジメントしていきます。部下のやる気を引き出すために、強みを伸ばしてあげたり、問題点や不足している点をいかに補うかを提言したりします。時には接し方やチーム編成を変えるなどして、メンバー個々がどのようにして働くと最大限の力を発揮することができるのかを考えていきます。 時には部下とのランチミーティングや飲み会などもコミュニケーションを円滑にする上ではとても必要です。

①部下の欠点を責めない

部下の欠点を責めてはいけません。例えば寝坊が多く遅刻を頻繁にする、上司や先輩にタメ口を使う、服装がだらしないなど、直そうと思えば直せるものは注意する必要があります。

しかし、物事を計画的に進められない、一度に二つの事ができない、などの能力に関するものについては責めてはいけないとされています。なぜなら、すべての人が、一度に二つのことができるとは限らないからです。できることをしっかりやってもらうようマネジメントしていけばいいです。

初めて部下ができたときには、部下の欠点が目に付きます。万が一部下が大きな失敗をしてしまった場合には自分に責任が及ぶ可能性が高くなりますので、リスクを避けるためにも厳しく指導しようと考えてしまいがちです。部下の能力を責めたり矯正しようとしたことで、今まで問題なくできていた事ができなくなってしまう可能性があります。気を付けましょう。

②仕事を任せてみる

ある程度は仕事を部下に任せてしまうのも良いとされています。要所要所は厳しくチェックしますが、それ以外の部分は任せる事により部下に自覚と責任を覚えさせることができるようになります。

タスクを部下に渡したら、逐次報告させることを控えることです。そのタスクについて具体的な途中経過地点を複数箇所設定し、その途中経過地点に到達したら報告させるようにします。それまでその部下を信じて完全に任せることです。これによって、部下は自分の裁量が及ぶ範囲を確保でき、タスク処理に専念できるのです。ことあるごとに上司が部下の進捗に介入すると部下の意欲が損なわれるためです。

その代わり、部下はその経過地点までの道のりを自分自身で見つけなければならないので、不明な点が発生するたびに上司へ相談にきます。これがある意味報告にもなっており、かつ部下も自らの意思で上司へ相談にいっているので、積極的な姿勢が継続されるのです。

③最も重要なのはコミュニケーション

そして最も重要なポイントにななるのが、部下とのコミュニケーションになります。ただ最近の若者は自分の時間を大切にしていますので、しつこいと思われないように適度な会話などにとどめることが重要になります。

余りしゃべらないタイプの部下の場合にはこれが性格だから変えようがないと考えずに、まずその状態は認めた上で本人の行動を変えるように話しを持って行くことが大切です。そのために、答えやすい質問を重ねて行うことで本人の価値観や考え方をつかんでいきましょう。それが分かったらそれに関連する資料を渡してあげたり、あるいは関係する人脈を紹介したり、さらに本人の仕事のサポートを行うことも効果的です。

信頼関係を作るには細かくサポートする体制を心がけ実行することが重要です。信頼感や任されているという本人の自覚が芽生えたらやる気に繋がり、創造にもつながると言われています。

④事前説明をして指示する

まず、部下にある指示を出す場面を考えます。その際に、単に作業項目だけを投げつけるだけでは信頼関係を作るには十分ではありません。部下も人間ですので、なぜこのタスクが必要なのか、なぜ自分に回されたのか、どのくらいの納期か、どのレベルの期待値が求められているか、などを知る必要があります。単に作業だけを振られてそれをロボットのように盲目的に処理するのは難しいためです。例えその状況でタスクを始めたとしてもモチベーションを高く保つことは困難です。

タスク一つを取っても、それがどのような意味を持つものかを説明することで、部下にとってそのタスクが明白に理解され、上司への理解も同時に深まるのです。これが信頼関係を作るコツの第一歩です。

 

 

3.チームマネジメント

今現在所属しているメンバーの適材適所を考え、求められる職務や人材等のバランスを見ながらマネージャーがチームを作り上げていきます。チームメンバーの入れ替えを行なったり、日々行なう職務を変えたり、チーム全体の力やパフォーマンスがどうしたら最大化するのかを考えていきます。同じメンバーでも役割を変えると結果も大きく変わることもあるので、マネージャーは慎重に考えた方がよいでしょう。

チームマネジメントを成功させるための4つのポイントを紹介します。

①チームの雰囲気作り

チームの雰囲気作りというのは、いいチームを作るためにとても重要なことです。チームには様々なタイプの人間が集まります。最初からひとつにまとまっているチームなんて存在しません。だからこそチームマネジメントは必要なのですが、まずは雰囲気作りから始めましょう。

チームマネジメントにおける「チームの雰囲気」とは、誰もが自分の考えを気兼ねなく言うことができ、前向きな議論のできるチームの雰囲気を作るということです。

優秀で評価の高いメンバーばかり毎回発言し、まだ発言力が低い新人の意見は通りにくい雰囲気ではいけません。毎回同じメンバーの意見が結論となってしまっては、チームとしての意味がありません。様々な意見が飛び交うことでイノベーションは生まれます。議論を交わしやすいチームとなれるようないい雰囲気を作りましょう。

いい雰囲気を作るためには、チームメンバー同士の信頼関係を高めることも大切です。毎日のランチや飲み会などのイベントを行い、お互いを知る機会をたくさん作るといいです。

②チームの目標・ゴールを共有する

チームとして機能するために、目標や最終的なゴールを共有することはとても重要なことです。目標の設定はどんなマネージャーも行うのですが、共有するという意識をもたない人もいます。設定するだけでは、末端のメンバーまで目標や目的が浸透していないことがあります。必ず全員で共有するということが大切です。

会社としての目標があり、チームとしての目標があると思います。それをトップだけではなく、しっかり全員で共有することで、チーム力が高まり、圧倒的な成果へとつながります。目的・目標・ゴールがはっきりと定まっていないチームでは、メンバーがばらばらに進んでしまうので、達成までに無駄な時間がかかる可能性も出てきます。

全員で目標を共有することで、各自が主体性をもって動きやすくなります。そうすれば、やらされている感もなくなりますので、素晴らしいチームになるでしょう。

③チームのモチベーション管理

チームメンバーのモチベーション管理もマネージャーにとって重要な仕事です。チームのモチベーションが高くなければ、仕事の進み具合も悪くなる可能性があります。

メンバーそれぞれのモチベーションをしっかり管理し、調子が出ていないメンバーがいればすぐにフォローしていきましょう。何にストレスを感じるのかは人それぞれなので、自分基準で考えるのではなく、ちゃんと全員とコミュニケーションを取り、モチベーションを下げないように気を配りましょう。

 

4.リスクマネジメント

リスクマネジメント(英語: risk management)とは、想定されるリスクを事前に管理(マネジメント)し、損失などの回避・低減をはかるプロセスのことです。

ビジネスには、その進行具合により、様々なリスクが発生し伴うものです。マネージャーはこの危険だと思われることや問題点を未然に防ぐよう働きかけ、リスク回避や軽減を行なっていきます。

リスクマネジメントのプロセス(実行する流れ)

近年、リスクマネジメントプロセスの整備が進み、手法が明示されるとともに、企業の業種や特性により、さまざまに異なるリスクの要因に特化して高いレベルのマネジメントを行う企業が増えています。リスクマネジメントのプロセスは一般的に次の通りです。

①リスクの発見及び特定

まず最初にやることはどんなリスクがあるか見つけることです。会社の事業やプロジェクトなど、どのようなリスク要因があるかを発見し、リスクを特定します。

②リスクの算定・評価

次に、特定したリスクを「発生確率」や「影響度」からリスクレベルを算定します。その後、算定したリスクの優先順位を付けます。

③リスク対策の検討・実施

リスクの回避、損失防止、損失削減、分散といった観点で、リスク対策を策定し実施します。

④残留リスクの評価

リスク対策実施の結果、残留リスクがどこまで下がったのか、当初の予定通りに容認できる水準なのかを評価します。

⑤リスクを再評価する

定期的にリスクへの対応を見直すことが大切です。再評価し、このままで問題ないのか、これまでの対応を変更する必要があるのか、有効性を評価します。

 

以上がリスクマネジメントのプロセスとなります。マネージャーとして、チームのリスクマネジメントは怠らず、組織として成果を果たせるようにしなければいけません。

 

 

まとめ

たくさんのマネジメントを経験する

以上、成果を得るために必要なマネジメントをいろいろと見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

マネージャーの仕事というのは、上述した様々な目的のマネジメントを行っていくことによって『会社・仕事をいい方向に持っていくために動く』ということにあります。

企業は成果を出さなければ成立しませんが、成果を出すには人がしっかりと働いてくれる必要があります。 ですが、その人がちゃんと「やる気を出して最高の仕事をしてくれるか」はマネージャーの手腕にかかっているといえます。 メンバーに対し、相手の動きや言葉の真意を的確に捉え、応えることがマネージャーには特に必要になってきます。 

マネージャーは達成できるような目標を立てる、それが出来るようなチームを作る、時には目標や計画を変更したり、チームの編成を変える、経営者への報告など目標達成のために様々なマネジメントを重ねて行く必要があるのです。

 

最高のマネージャーに必要なマネジメント手法4つ

1.プロジェクトマネジメント

①情報が共有されるしくみを作る
②スケジュール管理をしっかりと行なう
③計画段階で課題を抽出する
④ゴール(目標)を決める

2.フォロワーマネジメント

①部下の欠点を責めない
②仕事を任せてみる
③最も重要なのはコミュニケーション
④事前説明をして指示する

3.チームマネジメント

①チームの雰囲気作り
②チームの目標・ゴールを共有する
③チームのモチベーション管理

4.リスクマネジメント

①リスクの発見及び特定
②リスクの算定・評価
③リスク対策の検討・実施
④残留リスクの評価
⑤リスクを再評価する

 

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