打ち合わせや会議や取引先との商談で必要な交渉力というスキル。
あなたは知らず知らずの内に相手のなすがままに動かされていると感じる事はないでしょうか。もしかしたらその都度自分の意見や要求も伝えているかも知れませんが結果的に自分の要求が通っていないとしたら…。
なぜこのような事が起こるのでしょうか。
実は交渉力さえあれば、今まで煮え湯を飲まされていた相手にでもあなたの要求通りに動いてくれるようになります。
そういう意味では交渉力を身につけるとビジネスの現場はもちろんの事、プライベートな場面でも自分の思い通りに事を進められるケースが増えてくるのです。
つまり交渉力とは人生を成功に導くための必須スキルと言っても過言ではありません。このようなスキルは学校ではもちろんの事、職場でもロジックとして教えてくれる人はなかなか居ないかも知れません。
そこで今日は今まで知らなかった、または意識していなかった交渉術のテクニックを紹介していきます。
交渉で気をつけること
相手をなすがままに、自分の要求通りに事を進める事が出来るスキルというともしかしたら漫画ドラえもんのジャイアンのようなキャラクターを想像するかも知れません。
つまり「俺の物は俺の物。お前の物は俺の物。」に代表される論理の通っていない超強力なネゴシエーションです。
あなたが大企業の社長や一国の国王や王子であれば話は別ですが、これではビジネスの現場では全て自分の要求通りに事を進めるのは難しいでしょう。
なぜならビジネスの現場では色々な人の思惑が働いているために自分の要求を通そうとすれば何らかデメリットを被る人が出てくるものです。
まず交渉に臨むにはこの前提を頭に入れておく必要があります。
ここで自分の要求通りに話を進めたい時にやってしまいがちな注意点をひとつ紹介します。それは例えば交渉相手が自分とは真逆の話を進めようとした時に、即座に「それは違うと思います」と否定しない事です。
違う話を進められると困るのですぐに否定したほうが良いと思われるかも知れませんが逆効果である事が多いのです。否定的な事を言われれば人はどうしても防衛本能として逆に攻撃的になるもので、あなたに対する好意が無くなってしまう可能性もあるのです。
まず交渉時には信頼関係を築くためにも、相手の話には好意を持って傾聴する姿勢が必要なのです。もし間違いや反対意見を述べるとしたら信頼関係が十分に深まった段階でなければいけません。
二者択一の質問を駆使して相手を誘導
心理学でダブルバインド効果というものがあります。これは簡単に言うと二者択一の質問をしてひとつを選択させるといった手法です。交渉術では最も使いやすい手法です。
例えば営業の最終場面でお客様が契約するか悩んでいたとします。そんな時に、
「カラーは白と黒がありますがどちらになさいますか?」と質問し「じゃあ白で」と答えれば既に契約することを前提として話を進めることが出来るのです。
「商品のお届けは最短で3営業日です。ご希望の日にちはございますか?」
こちらもダブルバインドの応用質問です。ここでお客様が「じゃあ最短で」と答えれば契約は決まったということですね。
このように話を進めることを前提とした二者択一の質問を駆使することで簡単に相手を誘導出来るのです。
「もしも」の質問で本音を引き出す
交渉の場面ではなかなか口を開いてくれず本音が見えない相手に遭遇することもあるかと思います。
そんな時には「もしも」という仮の話で質問をすることで相手の本音を引き出すことが出来ます。
「もしも購入するとしたら一番気にされるのは価格ですか?それとも品質ですか?」
「もしもワンランクバージョンが古いものでも価格が安ければご検討して頂けそうですか?」
「こちらはポイント対象外の商品ですが、もしもポイントが付くとしたら嬉しいですか?」
このような質問をとっさに出来る人は出来るビジネスパーソンと言えるでしょう。
もしもの話であれば、相手としても仮の話であるため答えやすい印象を受けるのです。回答からついつい本音がポロっと出てきますのでそこを見逃してはいけません。
「みなさんやっています」で不安を解消する
日本人を動かすには特に効果的と言われているのが「みんなやっている」という言葉です。
あなたも一度は聞いたことがあるかも知れませんが、船が沈没する時の国民性を現すジョークとして、
アメリカの場合…飛び込めばヒーローになれますよ
イタリアの場合…海に美女が泳いでいますよ
フランスの場合…海に絶対に飛び込まないでください
そして日本の場合…みなさん海に飛び込んでいます
と掛け声を掛ければ海に飛び込むという話があります。
先ほどの日本の場合は行動心理学でバンドワゴン効果と言われていますが、「みんなやっている=信用できる」という図式ですね。
もちろん「みんなやっている」だけでは根拠不足なので、根拠となる数字や社会的権威のある人が勧めたことを引き合いに出すとさらに効果的です。
例えば映画の紹介で「全米が泣いた」だけだと根拠が薄いので「興行収入今年度NO1!」「マトリックスの製作チームが作った」などが一例です。
まとめ
基本的な交渉のテクニックとコツを紹介しました。
意識することで今日からでも使えるテクニックなので是非使ってみてください。
- 交渉術のスキルはビジネスの現場や人生を成功に導くために必要なスキル
- 交渉で気をつけるのは信頼関係を築く事、間違いや反対意見は信頼関係を構築してから
- 二者択一の質問を駆使して相手を誘導する
- 「もしも」の質問で相手の本音を引き出す
- 「みなさんやっています」で不安を解消する