社会人になると、ビジネスツールとして「名刺」を使用するようになります。学生生活を送っていると、比較的無縁な名刺ですが、社会人になるととても重要なアイテムになります。
名刺交換を上手にできるようになる事が、社会人としての第一歩になるでしょう。名刺を忘れて取引先に向かったら、時間内に戻れるなら走って取りに帰るくらい重要なものです。
絶対に知っておきたい社会マナーの基本のひとつ「名刺交換のマナー」について紹介します。
名刺交換の基礎知識を知りましょう
名刺交換をする事を「何だか改まってバカみたい」と思ってしまった人は、社会人としての心構えができていない人です。「名刺交換はするのが当たり前」「きちんとした名刺交換ができて当たり前」という事を、強く心に刻むようにしましょう。
名刺交換をするタイミングについてですが、名刺交換は取引先の相手と「初めて会う時」に行います。
すでに名刺交換をしている相手とは、基本的に名刺交換はしません。配置換えになったり、役職が変わった時など特別な時にだけ行います。
もしすでに名刺交換をした相手に名刺を差し出すと、「自分を認識していない」と相手に思われてしまいますので、注意が必要です。取引先の相手が、待ち合わせの場所に現れたタイミングで、名刺交換が行いましょう。椅子やソファーに座っている場合は、すぐに席を立ち名刺を取りだします。
名刺は革製やアルミ製などの名刺入れに入れておくと、スーツやバッグから取り出す時に、相手にきちんとした印象を与える事ができます。
名刺交換の正しい順番を知りましょう
名刺は基本的に、年齢や立場が下の人が、先に名刺を差し出すのが基本です。ですので、新入社員の場合は、すべての取引先の相手に対して、自分から名刺を出す事になります。
また取引先に訪問している時、つまり訪問者の立場の場合は、仮に自分の立場が上になっても、相手よりも先に名刺を差し出すのが、ビジネスマナーとして正しいです。「訪問先では、自分が先に名刺を出す」と覚えておくと良いでしょう。
では、名刺交換の際に取引先の相手が複数の場合、さらに自分の会社の人間が複数の場合はどうすれば良いでしょうか?
「名刺交換は立場が上の人から行う」のが常識です。
役職が上の人間から名刺交換を行いますので、名刺交換の列の最後尾に並んで、自分の順番が来るのを待ちましょう。新人社員の場合は、初めての取引先に行く時は、先輩からの引継ぎや、サポートメンバーとして参加する事になるでしょう。
そのため、上司や先輩の名刺交換の様子を後ろから見る事ができます。どのように名刺交換をすれば、礼儀正しい社会人として見られるのかを学べるチャンスです。先輩の名刺交換中も、勉強だと思って良く観察しましょう。
名刺交換の作法を覚えましょう
名刺交換をする時は、立ち上がり、名刺入れを出して相手に近づきましょう。名刺入れに名刺を入れる段階で、名刺を取りだしやすいように調整しておくと簡単に取り出すことができます。そして相手の正面に立ち、「○○(会社名)の○○(名前)と申します」と口に出して挨拶をしながら、両手で名刺を渡すようにします。このとき相手が名刺を受け取りやすい位置に出すようにしましょう。名刺の向きも、「相手から見て文字が読める向き」にする事が大切です。
名刺を受け取る時は、「ありがとうございます」「ちょうだいいたします」などと言いながら、名刺を受け取ります。ポイントは相手の顔と名刺を交互に見て、顔と名前を一致させるようにすることです。
ときには10人ほどの相手と一気に名刺交換をすることがあるかもしれません。そのときは、「後で誰が誰だか分からない」という困った事にならないように、その場で名前と顔を覚えきるという気持ちで名刺交換の場に臨むようにしましょう。
名刺交換をして席に着いたら、机の上に名刺入れを置き、その上に名刺を置くようにします。複数の人と名刺交換をした時は、横に並べます。相手の顔を確認して、座っている位置と名刺の位置がシンクロするようにすると、名前を間違えずに済みます。
名刺交換は自分をアピールするチャンス!
名刺交換を初めてする時は、少し気恥ずかしく、照れてしまいがちです。しかし名刺交換がきちんとできる事は、社会人として必要最低限の作法です。照れずに、きちんと名刺交換をして、自分という存在を相手に認識してもらいましょう。
取引先の名刺のデザインが素晴らしい場合は「素敵なお名刺ですね」などと言って、会話の糸口にする事もできます。名刺交換を通じて、相手と上手にコミュニケーションを取れるようになると、さらにワンランク上の社会人になれるはずですよ。