真面目で頭脳明晰で順調に育っていた人材でも、数年経つと成長が足踏み状態で止まってしまう人と更に伸びていく人とに分かれていく事を何度も見た事があります。
なぜそのような違いが起きるのでしょうか?
私が考えるに最終的には「なんとかする」という経験値がモノを言うような気がします。
地頭が良くても資金や情報や法の規制など、目の前を塞ぐ要素があった場合に、「~だから出来ない、無理だ」と諦めるときっとそれが癖になり、習慣になり、成長がストップするのです。
会社にとって、上司にとって欲しい人材は「なんとかする」人
業績をあげるために新規事業や新しいプロジェクトを立ち上げる経験があればイメージはつくと思いますが、基本的には何も経験がない、何も情報がない事業を始める場合、途方にくれる思いになります。
ドラクエのようなRPGゲームでも最初にわずかなお金とアイテムだけ握らされて魔王を倒して平和な世界にして欲しいと無理難題を押し付けられるわけですが、そんな時に会社にとって、上司にとって欲しい人材は「なんとかする」人でしょう。
大変な重責がのし掛かる割には、乏しい支援やリソースの中でやりくりしなければいけない。
そんな状況に置かれても自分に与えられたリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)をやりくりしてミッションをクリアしていく事が出来る人材だけが次のステージへと駒を進める事ができるのです。
ここで「無理です」「不可能です」を連発する人は、きっとその時点で試合終了になるでしょう。
自分で解決する習慣をつけよう
例えばこれまでに経験したことのない未知な分野の資料作成など仕事を頼まれた場合に、どのように資料を作るべきか決めるために情報収集を行うとします。
最近ではネットでも色々な仕事術に関する情報も豊富にありますので検索ワードに欲しい情報を入力してクリックしてみることでしょう。
ただどうしても期待するような情報を得られないケースもあることでしょう。その時の心構えとして「色々探しましたけどありませんでした。」「わかりませんでした。」で終わらせてはいけません。
「LINEのように、短い情報のやり取りでコミュニケーションが成立するようになったからか、じっくり文章を読む忍耐力や、仲間と長い時間議論をしたり、論理的に長文を組み立てていく力が弱くなっているように感じます。また、Youtubeのようなわずかな時間で完結する動画に慣れてしまっているせいか、グループワークなどで議論をしていてもすぐに結論を求めてしまい、議論が長くなると飽きてしまう傾向も見られます」
デジタル時代の最強の武器は「自分で深く考える力」 より
手っ取り早く欲しい情報や結論が出ない時には、自分で解決する力が必要になります。
情報が足りなければ、更に情報をインプットしようと類似する情報ソースを深堀していくという事をしていったり、それでも状況が打開できない場合は、思い切って発想の転換を試みる必要もあるかと思います。
例えば特定の分野に関する市場規模やターゲットに関する情報が得られない場合、ターゲットと思われる会社にコンタクトを取り生の声を聞いてみる、訪問して体験してみるなどということです。
もちろん、それ以前にオーダーをした上司の要件についてもしっかり把握しておく必要があります。
どの程度の情報や精度が必要なのかという見極めを行うということです。
要件に満たせる選択肢について仮説を立ててアプローチしていくという発想が大事なのです。
大事な事は「とにかくなんとかする」という意識でしょう。
エジソンもアインシュタインも超天才的な発明をした人物はそのひらめきやアイデアが注目されがちですが、それ以前にうまくいかない時にでもあきらめずに形にして実現した「とにかくなんとかする」人であった事は間違いないのです。
最後まで希望を捨てちゃいかん。諦めたらそこで終了だよ。
(スラムダンク 安西先生)