総務省統計局によると日本には会社が412万社(平成24年時点)あるとの事で、つまり日本には経営者と言われる人が単純計算で400万人程度はいるという計算になります。
あなたがサラリーマンだった場合、あなたの会社の社長はどんな人でしょうか?企業が大きければそもそも話した事もないので性格すら分からないという方もいるでしょうが社長のイメージを問われると「決断力がある」「情熱的である」「頭がいい」「凄い」とかそんな言葉で返す方が多いような気がします。
サマリーマンとして働いていると、企画の相談を上司にした際に「もっと経営者的な観点で考えてくれ」などと言われたケースはないでしょうか?
きっと意図することは「広い視野を持ってあらゆるリスクをカバーしつつ上手く行く方法を考えてくれよ」みたいな事なのでしょうが丁寧に説明しないと部下はその意図を汲み取れないでしょう。
他にも色々な場面で使われる経営者思考という言葉について、今日はその思考の本質や経営者思考を身に付けるために必要なエッセンスを紹介します。
経営者に必要な思考とは?
論理的思考
経営者として何人もの部下を持つ場合には、その部下を動かしてビジネスを推進していく必要があります。
そのためには人を動かすことの出来る明確な論理で説明できる能力が必要になってきます。
論理的に話す事が出来るビジネスパーソンは信用も得られやすいですし、困難な状況であっても社内調整などの場面で関係者の協力を得られやすかったりします。
経営は結果を出してナンボの世界です。人を論理で動かす事が出来るほどの論理的思考能力は必要なスキルと言えるでしょう。
戦略的思考
「経営戦略」という言葉を一度は聞いた事があるかと思います。
経営戦略とは簡単に言うと経営目標を実現させるための長期的な施策と捉えて頂ければと思います。
経営にはヒト・モノ・カネ・情報の資源をどのように分配・配置していくのかが肝になってくると言われます。
自社の強み・弱みを見極めどういった戦略で事業を進めていくのか、例えばJリーグのチームでも戦略はチームごとに特色がありますね。鹿島アントラーズはリーグ創設以来一貫してブラジル流の4-4-2のフォーメーションで抜け目のない手堅い試合運びをしますし、外国人選手の補強についてもブラジル人と韓国人以外の補強はありません。西の雄、ガンバ大阪は伝統的に攻撃型のチーム作りが特徴で1点取られたら2点3点取り返すといった方針で外国人補強も毎年強力なストライカーを補強してきます。
一方で明確なチーム戦略を打ち出せないチームは、どれだけ予算を掛けても1年間の長いリーグ戦を経てタイタニックが沈没するかのごとく下部リーグに沈んでいくのですが、やはり戦略を打ち出しているチームほど上手くいっている傾向にあるのです。
自責思考
経営者とサラリーマンの思考で一番明確に差が出るのは責任に対する考え方でしょう。
何かトラブルに見舞われてしまった時に、経営者は「どうすれば」と解決策を考えるのに対し、サラリーマンは「どうなってしまうのか」と自分の今後の行く末を心配するのです。
経営者は起きた現実に対し責任を持って対処する必要がありますが、サラリーマンは立場にもよりますが基本的には指示を待ってからの行動が多いというところも原因のひとつでしょうね。
時流を読む力
経営者の方は流行に敏感な方が多いです。それだけ世の中の出来事に対しアンテナを立てているという事です。
またそれだけで終わらずなぜそれが流行しているのか?これを我が社の事業でも活かす事は出来ないか?という事をオンオフどちらの場面でも考え続けているのです。
今流行のカフェで飲んだ一杯のカフェラテを「あー美味しかった」で終わらせるか、「ここのカフェのヒットの要因はこのラテアートかな?コーヒーはどこ産を使っているのかな?カフェに来ているお客様層は?集客は何に力を入れているのか?」と疑問を膨らませて考えるかで大きく変わってくるのです。
姿勢
姿勢といっても猫背がダメだとかそういう話ではありません。在り方の話です。
経営者思考の方は「攻めの姿勢」と「謙虚な姿勢」が同居しています。
ビジネス感度の高め方の記事でも紹介しましたが、ドラマ陸王のように足袋シューズを作るという、これまでに実績がない事に対して「●●だから出来ない」と諦めるのではなくて「●●がないなら探そう」といった感覚で果敢に挑戦を続ける事でシルクレイを発掘し茂木選手のサポート契約を勝ち取れたわけです。
高い倫理感
世界的にも名のある企業が不祥事を起こし世間を騒がせるニュースがよく発生しますが、たいていの構図は繰り返されるビジネス競争の中で経営側の高い目標水準をクリアするために現場側が不適切と感じながらも実施してしまった、というようなケースが多いのではないでしょうか。
経営は結果を出してナンボと先ほど書きましたが、経営者にとって高い倫理性を持って事業を推進させることも大切です。じゃあコンプライアンス(法令遵守)を守りさえすれば、法に触れない程度で何でもやっていいかというとそうではありません。きっとそのような考え方をするところから既に綻びは出始めていると考えた方が良いでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
本日は経営者思考について紹介しました。
経営者思考を身につけるために必要な思考は、
- 論理的思考
- 戦略的思考
- 自責思考
- 時流を読む力
- 攻めの姿勢と謙虚な姿勢
- 高い倫理観