頼んでいたはずの仕事がなかなか仕上がらない。締め切り直前になって進捗状況を聞くと「あ、忘れてました」と言われる事が多い方は必見の内容です。
こんなケースが多いという事は受け取る側の能力の問題というよりも依頼を出す側の問題であると言えるからです。
今回はなぜ指示通りに人は動かないのか、逆にどのように伝えれば人は動くのかをまとめました。
5W1Hをしっかりカバーした内容で伝えているか
5W1H. 「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という6つの要素をまとめた、情報伝達のポイントのこと。?5W1Hに沿って整理し、5W1Hにあたる内容を相手に伝えるようにすると、情報をわかりやすく、もれなく伝達することができる。
5W1Hとはマネジメントのフレームワークのひとつですが、相手に何かを指示する時や説明する時に非常に有効なフレームワークです。
人に仕事を任せる時にはまず目的(Why)を伝える必要があります。どのような背景があり何のために行うのか目的が不明瞭であれば、相手はどう動けば良いのか分かりません。
それからどのように(How)それを実現していくのか具体的に行動レベルで指示を出す必要があります。
「とりあえず資料にまとめておいて」ではなく「パワポ1枚に●●の内容をXXのようなイメージでまとめて下さい」といった感じです。
あとはWho(誰が)、What(何を)、When(いつまでに)の3つも丁寧に伝える事です。
デキる部下であれば依頼主の思考を先回りして忖度して仕事を仕上げてくれるかも知れませんが、そんな期待はしない方がいいでしょう。頼まれる側も忙しくて指示が曖昧だとついつい後回しになってしまうものです。
指示や依頼は的確に、問題点が無いというレベルまで落とし込む必要があるのです。
うまくいかなかった場合の代替案も提示しているか
もし指示を出した内容でうまくいかない可能性がある場合はどうすれば良いのか、といった代替案についても提示する必要があるでしょう。
お弁当の発注をお願いするとして「A店がもし時間通りに配達出来ない場合やお休みの場合は、B店でお願いします」と事前にリスクを先回りして伝えておく事で2度手間や3度手間にならずに済みますし、部下としても安心して仕事を受ける事が出来るでしょう。
段取りが適切であれば部下からも尊敬され仕事の依頼も断られにくくなるでしょうし、部下としても仕事の進め方について勉強になると思う事でしょう。
その仕事を行った時のメリットを提示できているか
人を動かすには、その人にとってのメリットが無ければ動きません。
仮に上司としての権限で動かしたとしても成果物の品質は低いものに仕上がる事でしょう。
そして品質の低さを強く叱責でもしたならば、部下としてはイヤイヤやっている上に要らないお説教まで喰わされ、もう二度とその上司の元で働きたくないと思うのではないでしょうか。
仕事を依頼する時には、忙しい部下の心を動かすだけのプレゼンが必要になるのです。
「この仕事を行う事で君にとってコレコレこういったメリットがある」とか、
「この仕事は君にお願いしたいと思っている、なぜなら今後君にはコレコレこうなってもらいこの部署を引っ張って欲しい」のように期待を込めることで部下のモチベーションは上がってくることでしょう。
口頭だけで済ませずにメールでも指示を出しているか
案外多いのが口頭だけで伝えてそれっきりにしてしまう上司が多いのですが、エビングハウスの忘却曲線の話よろしくシンプルに時間が経てば依頼内容を忘れてしまいます。
全部スッカリ忘れることはないにしても、施策内容の詳細や目的なども時間が経つことでおぼろげになってきます。
それを防ぐためには二度手間と思われるかも知れませんが、メールでも伝えることが必要です。
エビデンスとして残すことで「忘れてました」といった言い訳も防ぐことが出来ます。
いずれにしても根底にあるのはいかに相手がストレスなくモチベーションを持って取り組めるか、といった点に配慮した指示で無ければ人は動かないのです。
気持ちよく指示通りに動いてもらうよう上記の点を意識しましょう。