建築用語で『基礎』という言葉を聞いたことがあると思います。
『基礎』とは、建築用語で建物の土台となるものです。建築物の重量を支え、安定させるために設ける建物の最下部の構造のことです。当たり前のことですが、建物は基礎がしっかりしていないとすぐに崩れてしまいます。逆に基礎がしっかりしていて強固なものであれば、何があっても崩れない素晴らしい建築物を築くことができます。
20代のうちに今後の人生の基礎を作る
20代のうちにしっかりとした『基礎』を作ることを心掛けましょう。30代はこの基礎の上に築かれます。20代で作った基礎がガタガタだと30代で崩れてしまう可能性が高いです。そうなると補修工事に時間を取られるので周りにどんどん差が出てきます。
「建築は基礎ができたら5割完成、人間も基礎ができてりゃ何でもできるでしょ」
建築家 安藤忠雄
社会に出て、経験し学ぶことで基礎はできる
安藤先生の言葉にあるように、人間も基礎ができていれば何でもできる。その基礎はこれまで生きてきた中で作られていきます。基礎が完成するのは20代です。(もちろん10代で完成する人もいますが。)
20代で完成する理由は、社会に出て色んなことを経験し、学ぶことで基礎ができあがるからです。10代までは社会を知ることは少なく、親に守られた範囲の中で生きることが多い。20代で初めて自立し社会の荒波に揉まれて生きていくことになるからです。経験し学ぶ過程の中でその人の基礎は作られていきます。そして、30代になってその基礎の上に自分の人生を築き上げていきます。
もう20代終わって30代だよという方も大丈夫です。改修工事だってできるのだから、30代、40代でも遅くはないです。これから基礎を作り直せばいいだけです。遠回りになるかもしれませんが基礎はとても大事です。早いにこしたことはないですが。
私がまだ社会人1、2年目の頃、私の上司は2人いました。直属の上司であるチームリーダーと、その上のグループリーダーの2人。この二人に出会えたおかげで私の社会人生活は素晴らしいスタートを切れたと思います。出来の悪い私を根気強く鍛えてくれたおかげで、ちょっとやそっとじゃビクともしないしっかりとした基礎ができました。このとき作られた基礎があるおかげで今があります。
上司2人の出身校は東京大学と大阪大学。日本最高峰の大学出身とあって、とにかく頭が切れる上司でした。いつも私の2手、3手先は当たり前、5手先ぐらいまで読んでいてほんとに手も足も出なかったのを覚えています。
仕事の報告に行くと、「あれはどうなった。これはどうした」と突っ込まれて、最後は言葉に詰まって出直すことに。見落としている部分はもちろん突っ込まれて、手を抜いていた部分も発見されて突っ込まれるということが日常茶飯事でした。
いつしかその上司との論争に勝つことが目標となり、報告に行くときはしっかり武装(準備)して、何を聞かれても答えられるようにする癖がついていきました。準備に時間がかかるとそれはそれで怒られるので多く時間もかけられない。タイムマネジメントもそこで学びました。いかに効率よく、仕事をこなし、限られた時間の中で上司が求める以上のものをアウトプットするか頭フル回転です。
そんな厳しく、頭の切れる上司に毎日鍛えてもらったおかげで、かなり自信がついたのは言うまでもなく、自分が負けたら、その2人の顔に泥を塗ることになるのでそのチームから離れた後も、必死にやってこれました。
今、思い返してもビジネスの基礎はあの3年間でかなり学べたと思います。上司2人に本当に感謝しています。
最後に
20代のうちは基礎作りだと思って、いろんなことを一生懸命やっていったほうがいいです。そうすることで失敗もたくさんして、傷つくかもしれません。それでもこれからの人生のための基礎作りなのだと踏ん張ってみてください。その20代の経験はきっと30代で活かされます。あせらずにしっかりとしたあなたの『基礎』を作っていきましょう。